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Twin Fate  作者: Hiz
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Chapter 4 Visitor form Another World 01

亀裂ゲートが発生した場所は、正直言ってそれほど重要な場所ではなかった。ただの廃墟となった神社だ。子供の頃、ここに来た記憶があるが、いつからこんな風になったのかは知らない。覚えてはいるが名前は分からない。今の私にとっては、名前を思い出せないただの廃神社でしかない。


亀裂は神社の正面の広場に発生していた。私とブラッキーは、背後が賽銭箱になっている拝殿の階段の端に座っていた。


ユウは魔物と戦っている。


今回の魔物が前回ほど強くないことに私は安堵した。ユウは戦う前に「せいぜい中級レベルだろう」と言っていたので、ある程度は心配ない。


ユウが現在使えるスキルは、封印されていた時よりは多いものの、封印が解けたばかりの頃ほど多くはない。強さで言えば、まだ弱い部類に入る。


それにもかかわらず、ユウは異世界で訓練したと思われる剣技を使って戦っていた。勇者と呼ばれる人間の経験と相まって、この程度の魔物には苦戦していない……。


「坊主!随分時間がかかってるじゃないかニャ!」


ブラッキーが叫んだ。実のところ、私も疑問に思っていた。この程度のトカゲ人間型の魔物なら、今のユウにとって時間がかかるはずがない。


ユウはトカゲ人間の鉈をシャイニング・ソード(閃光剣)で受け止めながら、首だけをこちらに向けた。


「うーん……これ以上人間に似た姿のやつに会うかわからないし、もう少し戦っておこうと思って」


「それはいかん!倒せるならさっさと倒せニャ!」


ブラッキーが叫んだのと同時に、ユウは魔物から距離を取るように剣を振った。


「俺、今ほとんど使えるスキルがないんだ。使えるのは剣術だけ。それに、最近はほとんど使ってなかったしな。実戦は記憶を取り戻すのに最適なんだよ」


つまり、今回のゲートキーパーは、ユウのコンボ練習用のサンドバッグでしかなかったということか。


私には剣術の知識は全くないが、ユウの動きは速く、機敏に見える。ただ剣を振り回しているだけではない。


敵の隙を突き、斬りかかる。攻めるべきタイミングで攻撃し、引くべきタイミングで引く。


攻撃は手加減しているため、それほど強烈ではないが。


「全く、もう……」


ブラッキーは顔をしかめた。


「別にいいんじゃない?何か時間制限でもあるの?」私は尋ねた。


「ないニャ。ただ……ニャッ!?話しかけるなよ、女神め!」


黒猫は飛び上がって私に「シャーッ」と威嚇した。ただ話しかけただけでそこまでする必要があるだろうか?


私はブラッキーの態度にため息をついた。


「私、いつから君に嫌われるようなことしたんだろう……」


「女神だというだけで嫌いニャ!」


「私は生まれる場所を選べないだろ。それに……どうして私が女神なんだろう」


「だからニャ~、アイ様がお前みたいな存在を好まないのニャ。神界てんかいの奴らが何かいたずらをして、こんな姿になったんだろうニャ」


「つまり……システムを超越した存在っていうのは、神様とかそういうこと?」


「そうだニャ」


クロイチも同じことを言っていたな。システムを超越した存在というのは、神とかそういう類いのことなのだろうか?


私がぼんやりと疑問に思っていると、ブラッキーは小さくため息をついた。


「親に聞いてみたらどうだニャ。答えがもらえるかもしれないニャ」


「……それは……そうかもしれない」


それなのに、今まで私は一度も母親に尋ねる勇気を持てなかった。……こんなことになっているのだから、自分が何者なのか、この力をどうやって手に入れたのか、自分の出自を知るべきなのに。


だが結局、尋ねなかった。一度も尋ねたことがない。


多分……私はただ答えを恐れているだけなのかもしれない。


ブラッキーはじっと私を見つめた後、肉球で私の太ももをそっと叩いた。


「……ブラッキー?」


「虫がついてただけニャ」


「くすくす。ありがとう」


「フンッ」


そう言ってまた顔を背けてしまった。はぁ……仲良くなりたいな。せめて一度だけでも撫でさせてほしい。


ブラッキーは眼前の広場を見た。


「遊びは終わりみたいニャ」


私も視線を追う。ユウが魔物を仕留めようとしているところだった。二十分近く戦っていたが、ユウはまだ一滴の汗もかいていない。


……トカゲ人間は全身に小さな斬り傷を負いながら唸り声を上げ、攻撃を防ぐために小さな丸盾を前に突き出して突っ込んできた。それがユウの剣を受け止めた瞬間、弾くように攻撃を払いのけた。まるでパリィ(受け流し)のようだ。


だが、ユウはその動きを読んでいた。衝撃は魔物が期待したほど大きくなかった。ユウはまるでバネ仕掛けのように腕を半円状に振るった。


パリィに使った左手の丸盾は横に打ち払われ、胴体ががら空きになる。それでもトカゲ人間は右手の鉈を水平に構え、腕をいっぱいに突き上げて振り下ろされるユウの剣を受け止めようとした。


二つの武器がぶつかり合い、耳をつんざくような激しい音が響いた。そして、力比べで負けたのはトカゲ人間の方だった……そうだろう。鉈は剣の刃に容易く切り裂かれ、その剣先は肩を深く斬りつけ、血が噴き出した。


剣を振る勢いはそれだけでは終わらず、そのまま左の腰まで斬り下がり、トカゲ人間の体は真っ二つになった。


ユウの前には、もはや動くことのできない魔物の残骸が横たわった。


「お前を苦しめるつもりはなかったんだが、……ありがとうな」


ユウはそう言いながら剣を振って血を払い、手の中のシャイニング・ソードを消滅させると、光の粒子がゆっくりと消えていった。


「終わったぞ、ブラッキー!次は何をすればいい!」


ユウがこちらに手を振ると、ブラッキーは私の横から飛び出し、彼の方へまっすぐ向かった。


「アイ様は、亀裂をしっかり閉じろと俺に任せたニャ。坊主は休んでいろ」


「休めって言われても、まだ疲れてないんだが」


「邪魔だ!亀裂を閉じるから、あっちの女神と座っていろニャ!」


ユウはそれを聞いて肩を落としながら私の方へ歩いてきた。猫に叱られるなんて、どういうことだろうか。私には何も言える権利はないけれど……


「退屈だっただろ?」


ユウはリラックスした様子で座りながら、そう尋ねた。


「ううん、そんなことないよ。誰かが魔物と戦うのをこんなにじっくり見たことないし」


「そうか?そう言ってくれると安心するよ」


「怪我はない?私が治してあげられるよ」


『損傷の逆転』だが、「治す」と言った方が分かりやすいだろう。


ユウは手を振った。


「万全だ。でも……本当は少し怪我した方が良かったかな。お前も力の使い方を試せるし。まだどうやって使うか分からないんだろ?」


「怪我してないならそれでいいよ。うん、でも、確かにまだ分からないんだ。……お前がスキルを使う時と同じ感じなのかな?普段、スキルを使う時ってどうするんだ?」


「スキル?ああ……アクティブスキルなら、口で命令するんだ。でも、お前の場合は、魔法に近い気がするな」


「アイが使うのと同じ?」


「うーん、お前は今までスキルの名前を言って発動したことはないだろ。いや……魔法とも少し違うな。アイが使う魔法は詠唱を省略しているとはいえ、使う前には呪文の名前を言わなきゃならないし……」


ユウは目を閉じ、ブツブツと「一体何なんだろうな」と呟きながら頷いた。


まだ理解できない私は首を傾げて尋ねた。


「普通、魔法は詠唱が必要なの?」


「祈りの言葉みたいなものだ。アイの場合……俺が今まで会った凄腕の魔法使いでも、一文か二文は詠唱が必要だった。だから、使用速度で言えば、アイのが一番速いんだ」


あいつは一体どこまで強くなるのだろうか。


私はスキルと魔法がどう違うのかまだ混乱していた。魔法もスキルの一つではないのだろうか?


疑問が口から出そうになったその時、ブラッキーが叫んだ。


「お、おい坊主!こっちに来いニャ!」


「ん?」


ユウは首を傾げながら立ち上がり、ブラッキーの元へ歩き出した。私も彼について行く。


私が見たところ、亀裂から放たれていた魔力は消えていた。つまり、ブラッキーはユウがゲートキーパーを倒した後、以前アイがしたのと同じように亀裂を閉じたということだ。


一体何事だろうか。


その疑問はすぐに解消された。


ブラッキーのすぐ隣に、一人の少女が意識を失って倒れていたからだ。


彼女は修道女のような衣装を着ており、両側に羊の角のような飾りがついた帽子が目を引く。そして、何とも言えない輝きを放つ杖を持っていた。


「誰だろう……」


「知らないニャ!亀裂が閉じる直前に、いきなり飛び出してきたニャ!」


ブラッキーはパニックになり、毛を逆立てていた。まるでこの女性が幽霊であるかのように話しているが、それにしても……コスプレのような格好をしているな……


あ……


ユウは諦めたような表情で頭を掻きながら言った。


「どうしてここにいるんだよ……」


「知り合い?」


ユウは私の質問に頷いた。


「うん……昔、同じパーティにいた仲間だ」

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