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第一話【Scene10:知識での逆転劇】
「――雷迅撃!」
カイルが唱えた瞬間、ノクスが低く囁く。
『彼の魔導書は、構文上“2秒の詠唱硬直”が生じる設計ミスがある。反応せよ、今』
「よし……!」
レオはノクスのページを一枚めくり、古代呪文を唱えた。
「《アヴァ・ルミエ・フォグ》!」
光の霧が敵を覆い、雷撃の進路をぼやけさせる。
「なっ、視界が……っ!」
続けざまに、次のページが自動で開く。ノクスの“意思”だった。
「《構文解析》!」
カイルの魔導書がびり、と震えた。
「な、なんだ!? フラムが……沈黙した!?」
『構文に干渉。詠唱文の“文法破綻”を誘発させた。数分は魔法が使えん』
それは、単なる火力勝負では絶対に起きない、知識による勝利だった。




