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作者: 流星うらら


美咲

私にはコンプレックスがある。顔・体・声…


私自体がコンプレックスなのだ。それでも貴方はそんな所が好きだと、私の全てを肯定してくれた。

初めて認めてもらえたと感じたのだ。


「もし私が涼くんの事忘れたらどうする?」

「んー、じゃあもう1回アプローチして好きになってもらうよ。」

「私ちょろいからすぐ落ちちゃいそう。」


時々思う。もし私が貴方を忘れたら、貴方が私を忘れたらどうしようと。それならばまた初めて出会って恋をしたいと。

私ならこの世界から貴方を見つけ出せるような気がして。


「明日は学校行けそう?」

「うん、明日はね先輩達と一緒にお昼食べる。」

「楽しそう!」


私、私達は周りと少し違った人達。

人と上手く関われなかったり、苦手な事が少し多い。それでも自分なりの生き方でお互い支え合って生きている。自分で自分を充実させ、そこから相手を充実させる。


「明日放課後遊ぼうー」

「何するの?」

「ご飯食べいこうー。最近忙しくて会えてなかったし、明日は俺もバイト入ってないから。」

「サイゼリアがいい。」

「本当にサイゼ好きだね、、」

「安いからね…ぐへへ。それに涼くんだってサイゼリア好きじゃん。」


こんな事言えるのも貴方の前だからだろう。





────16:30

       通知3件


駅で貴方を待つ。

人が改札を通る度に頭を上げ見つめる。暫くするとまた下を向き体を揺らしながら待つ。


美味しいパンの匂いが漂ってきてお腹が空いていく感覚を味わう。お金を自分で稼ぐようになってから以前より物欲が減ったような気がする。


私はこの待つ時間が好きだ。今か今かと貴方を待っている時間がとても好きだ。


────16:55

       通知1件


〔駅着いたよ〕


急いで身だしなみを整え、さっきより大きく体を揺らしながら改札を見つめる。自然と笑みが溢れてきて周りから見ればさぞ幸せそうな顔をしているのだろう。


微かに見覚えのある顔が見え、背伸びをすると貴方だった。


「お疲れ様。おかえり」

「美咲もお疲れ様、じゃあ行こっか。」


私の荷物をサッと受け取り空いた手で貴方より遥かに小さい私の手を握る


(そこまでしなくていいのにな、)


と少し眉を細めながらも手を握ってくれる事が嬉しくてニヤニヤしてしまう。


「かわいい。」


(今じゃないだろ。)


と口から零れそうな程こちらを見る度に可愛いと連呼する。


(やれやれ、)


と思いながら、感謝と嬉しさが溢れてくる。

この言葉のおかげで私は今この時も明日も可愛く居られるのだ。この言葉のおかげで可愛くある為に色んな事を頑張れるのだ。


「飽きないの?」


と聞いても意味が無いことはもう分かっている。

飽きないらしい。


改札を通り電車を乗り換える。私の定位置は窓際だ。窓から外を眺めるこの時間が好きだ。窓越しに見える貴方の横顔を眺めるこの時間が好きだ。


───17:23

      通知無し


電車を下りて改札を通る

手を繋いで目的地まで急ぐ。私より少し背の高い貴方の耳の位置に私の額が来て、目線を少し上にやり横目で貴方を見つめる


「バレてるからね。笑」

「な、なんでっ!?ほんと意味わからん。笑」


私は昔から分かりやすいらしく、貴方には全てお見通しなのだ。


そんな事をしているうちに店に着き、晩飯がてら軽く腹に入れていく。早めに店を出て馴染みのある道を歩いていく。


───18:48

      通知2件


遠くの方を見ると日が沈み始めていた。夕日に照らされる貴方の横顔が一段と輝いて見えた。

貴方を手を強く握る。


「ねえ、好きだよ私。」

「ん?うん、俺も好きだよ?」

「んふふ、やったあ。」


少し恥ずかしさと寂しさ、虚しさが込み上げてきて気づかれまいと急いで夕日の方へまた目をやる


「どうしたの?」


やっぱり気づかれた。


「いつもと雰囲気違うよ。」

「うーん、ちょっと寂しくなっちゃった。」


そう言うと貴方は更に握る力を強め。好きと可愛いとこれでもかと言ってくる。


「わ、分かったから…。笑」

「大丈夫?」

「うん、最初から大丈夫だよ。笑」


私も握る力を強め笑ってみせた


「可愛い。」

「はいはい、」


近くの喫茶店へ入り、飲み物を頼んだ。

もちろん、窓際の席。窓から覗く夕日がとても綺麗だった。


飲み物がきて、乾ききった喉を潤す


学校の事や、たわいもない話をする。

普段会えない分、今ここで2人だけの世界を楽しむ


幸せだ。



────19:16

       通知無し


もうすぐ日が沈みきってしまう。


カシャ


「あっ…、もう、」

「んー?笑」


貴方は写真を撮るのが好きだった。私は其れを嫌がった。それでも半分嬉しかった。


カシャ、カシャ…


「まだ撮るの!?」


(これこそ飽きないのか、)


飽きない。私も貴方の写真を沢山撮るけれど飽きないのだ。


ある程度喫茶店で時間を潰したら貴方の部屋でくつろぐ。2人でベッドへ寝転び進み続ける時計の針を眺める。


「時間止まってくれないかなあ〜。」

「だねえ。止まって欲しいね。」


貴方の頭を撫でる。癖のついた髪が大好きだ。

何度も、何度も…頭を撫でる。


「んもう、今日は美咲が甘えて!」

「え、ええ…。笑」


時々こうなる。私は基本甘えても甘えられても全然大丈夫な人だからいいのだが、


「大好き。」


頭を撫でてキスをしてくれる。好きだ。貴方の大きい暖かい手が好きだ。私より遥かに大きい体が背中が好きだ。


「かわいいね。」

「涼くんもね?ふふ。」

「「かわい…あ、ふふ。笑」」


時々、不安になる。いつかこの手を離さなければならない時が来るのだろうか。好きと言って抱き締める事が出来なくなる時が来るのか…。と



────20:45

       通知無し


「そろそろ出よっか。」

「うん。」


家を出て遠回りをしながら私の家まで帰る


「じゃ、また連絡入れるね。」

「うん、ありがとう。」

「じゃ、またね。おやすみ。」

「またね。おやすみ、気をつけてね!」


少し空を見上げて考える


幸せってなんだろう。正解ってなんだろう。


きっと一生分からない。それでも2人なりの幸せを正解を見つけていきたい。いつまでも探求して、探したい。見つからなくても、なくても「何処にもなかったね。笑」と笑い合えたらそれでいい。


壊れていても、不完全でも

それでも誰かを愛していたい。貴方を愛していたい。何時だって愛を噛み締めて生きていたい。


貴方達ならどうする、大切な人がこの世から消える…そうなればどうする。もう二度と会えず話せず。触れる事さえ叶わない。怒る事も笑う事も出来ない。


通知が鳴る


────21:05

       通知1件



恋愛モノが書きたく、書いていたが途中で飽きてしまって支離滅裂になっていた本作を掘り出してきました。ほぼ修正入っておりますが最後の方は慰めとしてそのままにさせて頂いております。


掘り出し物が増えつつありますがご了承ください。

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