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世界が蒼く染まるまで  作者: 神谷柚寿
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黎明 ーれいめいー

「世界はあなたを中心に回っていないのよ」


 誰しもが、この決め台詞のような言葉を聞いたことがあるのではないか。私はこんな傷つくようなことを自分の口から放ったとが無いし、放たれたことも無い。他人がその台詞を吐かれている場面を見ただけだった。よく聞く台詞だからか正論を言っているように感じるが、実際はどうか。地球は地軸を軸として回転してるからその通りだよ、だなんて当たり前な話はここではしていない。


 私には、私の感情しか分からない。

 私には、私に起きた出来事しか分からない。


 インターネットが普及している今の時代、感情も出来事も全てが言葉や映像、音声として世界に放たれて、その共有が可能になった。しかし、自分の思考は言葉にしなければ伝わらない。テレパシーが使える時代はまだ先のようだ。


 私の気持ちは、私が言葉にしなければ伝わらない。

 私の周囲は、私が行動しなければ変わらない。


 私という存在がいるから、世界が僅かにでも変化する。ならば、私を中心に世界は回っているのではないか。


 中心は一つでなくて良い。

 駒が散りばめられた世界で良い。

 駒が散りばめられた世界が良い。

 頑張って、頑張って、回り続けて、他の駒と踊りたい。

 他の駒とぶつかって、寄り添い合いながら止まるまで。

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