1-7: ドキドキ&初戦
サンドを食べながら話して、着々とお互いのことをより知ることができた。
「ちょっと早いけど、そろそろ寝よっか」
「分かりました、では少々お待ちください、すぐ準備しますので」
「準備?なんの?」
「大丈夫です、満人様はそのまま座って待っててください」
「そ、そうか」
リリーは一体なにをするつもりなんだ?まあ、とりあえず言われたまま待つしかないか 。
「《土生成》《モディファイ》《重力制御》」
眼の前に作り上げたこの小屋、信じられないほどに綺麗な小屋だ、まじで魔法って便利すぎん!?
「お待たせしました、こちらの小屋で休憩してください」
「いや、大した時間はかからなかったけど、なんなんだこの完成度!すげぇな、リリー」
「とんでもない、これくれい基本です、えへへ」
「中に入っていい?」
「ご自由にどうぞ。と言っても簡易的な小屋だから、お見苦しいなところがもしございましたら申し訳ないです」
「そんな、お見苦しいだなんて全然、むしろ感動したわ。てかベッドまで用意したのか。ありがとう、リリー」
「いえいえ、ではごゆっくり休んでください。私は外で見張りしますので、何があったらすぐ呼んでください」
「え、リリー一緒に寝ないの?」
!!!ななな何バカげたことを言ってるんだ俺は!!!!一緒に寝ない?はあー?当然だろうが、なにを考えてるんだ貴様は!!!あーあ、やっちまったな、これで俺の新しい生活もおしまいだ、ガーン。
「満人様は、わ…私と一緒に寝たいんですか?」
「できるならもちっ、いやいや、今のなし、うん、今のなし」
俺のバカ!!!嫌われたらどうすんだよ!!!今から謝っても許してくれるかな?
「いいですよ、満人様がそうしたいんなら、私は満人様の忠実な使い魔ですから」
ん??今リリーなんて言った?オッケーをもらったのか?夢でも見てるんじゃなくて?
「いや、ほら、一人で外を見張ってると寒くて、可哀そうじゃん?だから一緒に寝た方がいいのかなって、あは、あはは」
「分かりました、でしたらしょうがないですもんね。ではご一緒に寝させていただきます」
「う、うん」
結果的に一緒に寝ることにしたけど、これって完全にアウトだよね!!!ね!!
しばらく経つと。
「リリー、もう寝た?」
「……」
返事がないから見てみると完全に爆睡してるやないかい!!!!
まあ、さすがにか。理性を取り戻した俺は結局そのあとすやすやと、眠りに落ちた。
。。。。。。
「起き…起きて…」
「んー、あと15分寝かせて…」
「起きてください!満人様、朝ですよ」
「俺の部屋、じゃない…」
「朝に弱いですね満人様、もう朝食の準備は出来ていますから」
そっか、やっぱり夢じゃなかったか、俺は転生したんだ。
「はぁー、おはようリリー」
「おはようございます満人様、食材が足りないため、申し訳ながら今日の朝食もサンドイッチです」
「いいよ、別に謝らなくて。それにリリーが作るサンドおいしいし」
「今日もガルア様が言ってたあの座標に駆けつけるんですね?」
「うん、だからぱぱっと食べて、ぱぱっと出発するぞ」
「分かりました」
楽しい朝食タイムの後、リリーは土の小屋を崩した。まだ朝だけど、距離は距離なんて、先に急こう。
。。。。。。
目的地に向かう途中、ついでに魔法も練習しつつ、なんだかんだ何日か経った。そしてガルア様がくれた座標まであと少しだ、このまま無事に辿りつけると思ったけど、やっぱりまだちょっと不幸が残ってたじゃねか!あのくそじじぃ!
しばしの休憩後、目的地に進みたいんが、なんか奥から声が聞こえてきて、俺らはすぐ隠れた。
「満人様、前方に敵意反応感知しました」
「こんな森の奥に敵意?魔獣なのか?」
「いえ、人間らしい反応で、しかも相手は数人です。とりあえず気を付けながらゆっくり前に進みましょう」
「うん、危険だと思ったら速やかに撤退するんだ」
「了解です」
俺ら以外の人?しかもこんな森の奥に何をしてるんだろう、敵意反応と言っても必ず危ない人じゃないかも?とりあえず気を引き締めよ。
段々と近づいて、ぎりぎり顔が見える距離まで詰めた、相手は3人だ。どうしよう、このまま隠れるか、それとも一旦話す相手になれるか試す?検討してる中、誰かが喋った。
「へへ!兄貴!今回も儲かってたぜ!」
「そうでっけえ声出すなっていつも言ってるだろうか!このたわけ!」
「まあ、許してあげてよ兄貴。この宝たちを見ろよ、久々の上出来だぜ」
「そりゃそうだろ、何せ貴族の宝からな、ハハハ!」
「さっすが兄貴!すごいや!最高だぜ!」
「そうだろ?もっと褒めていいぜ!あーハハハ!」
俺とリリーは警戒しながらその3人の周りを観察してた、豪華な馬車とその周辺に倒れてる人たち、その中に貴族らしき者、あと多分その人の娘かな。およそ15人、全員すでに死んでいる。間違いなくあの3人がやったんだ、危険すぎる。
「リリー、今すぐ撤退するんだ」
「はい、分かりました」
しかしそれでも遅かった、俺らはずっと相手が3人しかいないってことを勝手に思い込んた、4人目のメンバーはいつの間に俺らの退路を断った。
「どうやらネズミたちがこっそり入り込んだらしいな」
「気配をサーチ出来ないだと!」
「甘いなお嬢ちゃん、このネックレスの効果で気配を感知するような魔法を無効化出来るんだよ」
俺は咄嗟に魔法を使おうとするが、それも読まれたかのように。
「おっと、抵抗するような真似はよせ、大人しくすれば殺されないで済む」
その瞬間、あいつは俺の後ろを回って、首にナイフを当てられた。
俺は確信した、抵抗したら死だ。今はあいつの言う通りに大人しく捕まえた方がいいと判断した。リリーも察したみたいで、落ち着いている。そのあと俺とリリーはロープで木に縛り付けられた。
「だーめじゃない、こんな小さなネズミたちを見逃すのは」