1-3: 第二の人生の旅立ち
どうでもいい話ですが、最近ちょっと寝すぎたかもしれない。
ん?風?って感じたら。
「あ、痛っ」
あれ?痛みも感じる?目を開けると巨木の陰の下だった、あとさっき頭に落ちたりんごも俺の横に、ニュートンかよ、そしてそのりんごをかじった。
「甘い」
どうやら俺は今、丘の上にいる、優しい日差しを浴びながら目の前の景色で言葉何一つも出なかった。樹海、としか思い浮かばない、この丘は森に囲まれてる、それにしてもでっけぇ森だな、まるで海外の映画みたいだ。
いやいや!感心する場合か!うまく転生したのはいいんだが、俺は今どこにいるんだ!!!どこに向かえばいいんだ!!!って思ったら急に目の前に画面が出た【創世神ガルアからの通話リクエスト】と書いてる、その下に【応答】と【応答】という選択肢がある…
一応【応答】を押してみた。
「出るしか選択肢ないじゃねぇか!!!」
「ほーほほ、まぁまぁ、そう怒んな。これからの話しよーく聞くんじゃぞ?」
「あっ、はい」
「実はのう、お主を転生する時の座標がちょっとずれってな、それで急いで電話をかけたのじゃ」
「え?ずれた!?」
「多分お主の不幸の残留物みたいなもんじゃ」
「大丈夫なの?その残留物って」
「安心せぇ、今のお主にもう不幸というスキルはないから。そこでじゃ、お主に本当の座標を教えるから、まずはそこに向かいな」
「わかった、ガルア様がそう言うなら。でも座標ってどうやって見るんだ?」
「アイテムボックスに地図があるのじゃ、それを見えればよい、ちなみに食料と水も用意した」
「アイテムボックス?」
「お主の腰に着けてるそれじゃ」
「あっ本当だ、気づかなかったわ、このバッグがアイテムボックスなんだ」
手を入れた瞬間視界の右下にゲームみたいなインベントリが出た
「本当だ、地図がある」
どれどれ、地図の他に水筒みたいなアイテムといくつな食料はある。ん?これは、本?あとその隣に、謎のたまご?説明欄を見ると食料ではありませんって書いてあるが…
なにこれ!?あーもう何もかもがわからん!!
「あの~ガルア様、なんかいろんなアイテムがあるけど、ちょっと説明してもらっていい?」
「なーに、簡単じゃ、あの本を見ればすべてがわかる、いわゆるこの世界のマニュアルだ。それじゃ本当の座標はえっと、ここじゃ、X軸の650とY軸の350、お主今の座標は?」
「俺の座標は、Xの153とYの270です、見た感じそう遠くないらしいね」
「……」
「ガルア様?」
「その、言い忘れたってのー、ここの1マスは1キロ計算じゃ、つまり少なくとも目的地まで500キロ離れてる…」
「ずれてもほどがあるでしょうか、はぁー、でも行くしかないだろう?行きますよ。じゃあとりあえず座標に向かって、この本も読みながら進みます」
「うむ、何があったらメッセージしてもいいぞい、ほな、フレンド機能を使ってな、想像したら出てくるよ」
「フレンド機能?」
MMOみたいな感じで想像したら画面が出てきた、フレンドリストに……あっ、いた、『ガルア(神様)☆』で登録されてる、おまけに星のマークも付いてやがるし…
「どうじゃい?わしの名前ちゃんと表示されてるかい?これでメッセージも通話もできるようになったのじゃ」
「はい、『ガルア(神様)☆』って登録されてます」
「うむ、何かあったらすぐにでも連絡してよいんだぞ」
「わかった、では早速あの座標に向かう」
「まぁ、焦らずゆっくりこの世界を楽しもうな」
通話が終えて、俺はアイテムボックスからあのマニュアル的な本を取り出し、そして歩きながら読み始めた。
「先ずはあの謎のたまごについてかな、どれどれ、たまご…たまご…っと、あった。えーっと、この世界では大きく3種類のたまごがあって、食料、使い魔、そして魔獣...、魔獣!?危なくない?食料じゃないって書いてあるから、つまり使い魔と魔獣どっちかが…万が一魔獣のたまごだったらどうするんだよ!!!でもガルア様が用意してくれたアイテムだからさすがに魔獣のたまごなんてないだろう、あはは…ないよな?多分……あぁー!もういちかばちかだ!使うしかねぇ!!」
アイテムボックスであの謎のたまごをタップしたら、【『謎のたまご』使用しますか?】って画面が出て、【はい】をぽちっと押すと、ポンって地面にたまごが現れた。
そしてしばらく経った、1分くらいかな。
「ん?何も起きないじゃん、なんだぁ、やっぱだいじょっ!?」
まだ言ってる最中でたまごが動いた、いや動いたっていうか、浮いた!!おおお落ち着け、異世界だからたまごがう浮くくらいはもはや日常なんだ!よし、さあぁ来い!
……てかたまご相手になにやってんだ俺、たかがたまごじゃねか、少しずつ近付いたら、浮いてるたまごを手で取った。取ったというか、両手を下に置いたらまるで意識があるように自然と降りてきた、おかげでじっくり見ることができた。横にウェーブの模様があって、そして上げて見たらボトムにコウモリのマークが発見しだが。
「エッチ」
「誰だ!」
思わず叫んだ、急に誰かの声が聞こえたから、周りを警戒し始めた、って言ってもまだ装備と防具ない状態だから、ここで襲われたら確実に死ぬ、運が良ければ重傷だけで済むかもしれないけど。
しばらく経ってまた静かになった。人、動物の声もなく、気のせいか?いや、さっきのは紛れもなく人の声だ。
まさか…
俺はもう一度さっきと同じ行動をして、たまごを上げてボトムを見る!
さあ、どうだ!
「エッチ」
やっぱりか、でもちょっと安心した、でも会話できるから魔獣じゃないのかな、これを会話と呼べるかは知らんけど。っと考え中だからまだたまご上げてる状態。
「だからエッチ、見すぎ」
どうやら女の子らしいね、さすがにこれ以上見たら失礼か、まずは下ろそう。
「えーっと、その、聞こえる?」
さっきのは嫌だったから喋ったけど、一応会話する気あるかどうか確認しないと、もしこれが本当に使い魔のたまごだったら、後々俺の使い魔になるかもしれないし、嫌われるのはちょっとあれだな、気まずいしね。
「はい。問います、君が、私のマスター?」