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1-15: 命がけの修行

転生してからまだ一か月ぐらい、でもなんだかこんなに賑やかのって久しぶりな気がする。リリーも友達出来たし、よかったな。それより大事なのは修行だ、この世界で生き抜くためには別に戦うことがすべてではないけど、この前の盗賊たちのこともあって、自分とリリー、みんなを守れるくらい強くならないと、いざ何かあってからは遅い、そんな気がする。


「セフィーナさん、昨日も話してたけど、修行の相手にしてください、いや、修行させてください、強くなりたいです」

「分かりました、では食事のあと庭に来てください、準備ありますのでお先に失礼します」

「あっ!セフィーナさん、私も一緒に修行してもいいですか?満人様は私が守ります!」

「もちろんですお嬢様、元々そういったつもりでした。」


……


「セフィーナさんなにを用意したんだろう」

「どうでしょうね、早く行こう満人様」

「うん、そうだね」


庭に着いたものの、周りの見渡す限りセフィーナさんしかいないけど、あと何故かマーヤもついてきた。


「えーっと、セフィーナさん、準備するって言ってたけど、パッと見なにもないように見えるですが」

「はい、なにもないです、でも安心してください、ちゃんと”用意”はしました。さあ、これを着てください」

「これは?」

「勇者様が作ってきた戦闘服です、防御力は市販の防具と比べ物にならないぐらい高いですが、無敵な防具ではないので、修行の最中にくれぐれもお注意してください、ちなみにこのメイド服も同じの防御力は持っています」

「どうりでどっかの戦闘民族の戦闘服と似たようなデザインしてるわけか」

「お着換えはあちらで」


試着室みたいなとこまたいつの間にか建てられて、本当なんでもありだな魔法って、とりあえず着替えるか。


「待ちなリリー、お前はそっちだろう普通に、ちゃんと男女分けられてるから」


なんかこっちに来てからやたら一緒にいたいと言うか、離れたくないか?新しい環境で不安に感じたかなぁ、後で聞いてみよう。


「着替えましたセフィーナさん」

「俺も」

「よし、さっそく始めるか、ここからはメイドとしてじゃなく、教官として厳しく君たちを鍛えるから、返事は?」

「は…はい」

「聞こえないなあ!返事は!」

「はいぃぃ!」

「はひぃぃぃ!」


やべええぇぇ!!セフィーナさんのスイッチが入ったら性格まで変わったよ!


「スタートを言ったら一分間カウントする、カウント終わるまで生きろ、それだけだ。風見、準備しろ」

「はあ?ちょっと待って!生きろ?」

「言い忘れたな、相手は私じゃない、マーヤ、スタンバイ」

「了解」

「え!?マーヤちゃんが相手!?」

「スタート!!」


シューッ。


マーヤの姿が消えた、ほんの一瞬だった。頬からなんか熱い感じがした、どんどん流れてる、液体?あー、嗅いだことある匂いだ、錆びた鉄みたいな味、血だ!!何が起きた?瞬きしたら目の前からもう何も残らなかった、ただただ庭の景色と叫んでるリリーが視界の中に。


「満人様!!!」

「どこを見てる!言ったろ、生きろって、死ぬぞ風見」


背中からすっげぇ寒気を感じる、違う、あれは殺気だ!ヤバいな、冷や汗止まんねぇや。振り向いて、マーヤの目見たら分かる、瞳が色褪せたように、まじで殺す気だ、集中しろ。


「今度は外さない」


速い!マーヤの武器は両手にダガー、リーチが短いのに速度で補ってるから避けられない、初動が速すぎるだろうくそが!目で追うのに精一杯だ、いや、ギリ残影が見えるだけだ。左って分かっても体が追いつかない。


ズバッ、ズバッズバッ。


腕、足、顔、背中。血がもう吹き出ないじゃないかって疑うほど切られすぎて、グラグラする。


「残り30秒、目に頼るんじゃねぇ!」


こんだけやってまだ30秒かよ……目に頼らないってどうやって姿を追うんだ?思考ができない、言われた通りにやるしかない。目を閉じることにした、どうせ変わらない。


左斜め後ろ!


「なっ!?」


避けた?なぜだ?今度は前、3、2、1、今!体の軸を外しただけで避けれた、やっと体が追いついたって感じ、目を閉じたけど、見える、軌道が。たった2回避けただけで、出血すぎたってことをまるで忘れたかのように、次の攻撃も避られるって調子に乗った。マーヤは左手で逆袈裟斬り、体の右下から左上に切り上げようとするが、軌道を察知した俺はステップバックした、でもそれは罠にすぎん。人は一つの動作をする最中に別の動きに即時に変更できない、なぜなら脳の処理が追いつかないだから、同時に2つの動きができる人は脳の処理スピードが速いから同時に動いてるかのように見えるだけで、所詮別々に動いている。俺がステップバックする隙に狙って、マーヤは右手のダガーを心臓に突いてきた、最初から俺が後ろに避けることが予測出来たんだろうな、ダガーが皮膚を刺す、肋骨まで到達したの感じた、あと一歩、ギリギリ心臓目前にの時に。


「それまで!!」

「満人様!!満人様!しっかりして!」


勢いのまま倒れた俺は血だらけで、全身が言うこと聞かない、終わったと知ったなのか、ほっとした途端意識が遠くに行きそうだ、てか戦闘服着てもこれかよ、嘘だろう。


「光の精霊アルンケール、かの者に慈悲なる光を《フルリカバリー》」


セフィーナさんに回復魔法をかけられた瞬時に出血は止まった、傷口も少しづつ閉じていた。


「いたたたた、傷や出血は治るンけど、痛みは残るのか、なんてリアルな回復魔法なんだ」

「よかった〜!満人様、痛かった?もう大丈夫?しくしく」

「さすがにやばかったな、正直ここまでやるとは思わなかった。もう大丈夫だから、泣かないで、ね?よしよし」

「うん…」

「申し訳ございませんご主人様、お嬢様。驚かしちまって本当にすみませんでした、事前に説明した方がよかったかと今思いました」

「もう終わったし、気にしないで、それに修行だし、そっちの方がいいかもしれませんね。でもマーヤちゃんめちゃくちゃ強かったな、一応マーヤちゃんのことは説明してもらってもいいかな?」

「分かりました、でもまずはこちらへしばらく休憩しましょう」

「マーヤ、お茶の準備しなさい」

「……は、はい」


屋敷に急いで戻る途中に「あ痛っ」って転んだ、でもすぐ立って「大丈夫です」ってこっちに言った後、また屋敷へと走ってた。さっきまでのマーヤちゃんはまるで別人みたいだった、まぁそれはセフィーナさんもそうだけどね。


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