緑の章 第三話 おせっかい発動!
「気になりませんか?」
美珠は魔央からお茶を受け取ると、団長達がいつも集うソファに身をゆだねた。
「聖斗のことですか?」
魔央は自分のお茶を入れると、美珠の迎えに腰を降ろす。
「確かに聖斗は今まで教皇様から離れたことはありませんりませんでしたね。教皇様の特別な小姓でしたから。騎士になってからも教皇様に謁見する特権は持っていましたし。必ず教皇様にはついていましたから」
美珠は入れてもらったお茶に一度口をつけて熱さに驚くと、吹いて少し冷ましてもう一度口をつけた。
(だったら、どうして突然)
聖斗が母をどんな気持ちで守ってきたか美珠は知っている。
そしてそれがどれだけ母の心を救ってきたか知っている。
なのに、どうして聖斗は今になって母と距離を置いたのか。
どうしても、気にせずにはいられなかった。
(聖斗さんの、性分でしたら、きっと心に溜めておられるのかもしれません)
「あの、何かお体を悪くされたとか、ご相談はありませんでしたか?」
「いいえ。何も」
「それほど、詮索されることもないのではないのですか?」
光東だった。
彼はカップにコーヒーを淹れると美珠の隣に腰掛けて、別にとがめるわけでもなく、ただ穏やかに微笑んだ。
「我々には一年に一度まとまった休みを取る権利がありますし。聖斗もその間にしておきたいことがあるのでしょう」
(じゃあ『その間にしておきたいこと』って何かしら)
美珠は熱いお茶を一気に飲み干すと立ち上がった。
「聖斗さんの手が空いてらっしゃるのなら、少しお話をしてきます。もし何かお困りだったら、お手伝いできるかもしれませんし」
「ほんと、忙しく働くなあ。俺ここでちょっと休憩してるから、頑張ってきて~」
美珠は椅子の上でくつろぎながら、呆れたように声をかける相馬を睨みつけて聖斗の部屋へと向かった。
聖斗の部屋に足を向けるのは初めてだった。
誰よりも心を見せないこの国最強の称号を得た騎士。
彼は最近、美珠の剣術の師ではある。
けれど剣術以外の彼の生態など何も知らない。
「あれ? 美珠様、どこに行くの?」
「あ、珠利。ちょっと聖斗さんとお話しようと思って」
「へえ、私も行こうかな。どんな部屋か興味あるし」
もういつもの珠利だった。
(お花、誰に貰ったのかしら?)
聞きたいことだったが、聞けなかった。
珠利の性格からすれば、話そうと思ったら絶対話してくれるし、話したくないと思ったら決して話さないのだ。
(いつか、話してくれるかしら)
それが幸せな知らせだったら、自分も最高に幸せになれる。
珠利にとって嬉しいことであるように美珠は願いつつ、珠利とどうでもいいことを会話しながら、廊下を進んだ。
こんばんは~ww
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ラテンダンス部屋で踊る勢いで喜んでおります。
さてと、サブタイトル通り、おせっかい馬鹿姫発動です。
ってか、おせっかいにならないと話が進まない!
しかし、程ほどにしなければ、ただのウザキャラに成り下がってしまう予感ヾ(- -;)
皆さん、どのキャラがお好みですか?
よろしければお聞かせ下さい(=´ー`)ノ