【番外編】
フレデリカの元を去った後、俺は辺境へと向かう、乗合馬車の待合所へとやってきた。
砂埃と馬の臭いが混じる、薄汚れた場所だ。
そこには、ローレンスが長椅子に深く腰掛け、うなだれるように座っていた。
「ぎ、ギルマス……?」
「ああ」
ローレンスは一瞬、幽霊でも見たかのように大きく目を剥いたが、すぐに口元を緩めた。
ガシガシ、と音が出るほど乱暴に頭をかく。
「やはり……お見通しだったか……」
「ああ。お前はわかりやすすぎだ」
俺はローレンスの隣にどかりと座る。
古びた木のベンチが、ギシ、と嫌な音を立てた。
行き先はデッドエンド村。こいつの故郷だ。
単に実家に帰る、というわけではないのだろう。
「実は……村が大変なのだ。それで……力を貸して欲しいと思って……」
ローレンスが膝の上で拳を強く握りしめる。
街に出てきたわけか。だが、フレデリカが身重なのを知って、救援を頼むのを辞めたというわけだ。
「馬鹿者が。それで被害が拡大したらどうするつもりだったのだ?」
「……めんぼくない!」
ローレンスがガクリと項垂れ、肩を落とす。
「ふん……。余計な気を回すな。時間の無駄だ」
「しかし……フレデリカさんに申し訳なくて」
なるほど。俺が彼女のそばを離れたら、フレデリカが悲しむだろう。そう思って、遠慮したのか、この男は。
「なめるなよ。アレは俺の女だ」
俺はニヤリと口角を上げた。
誰よりも俺のことをよくわかっている、女なのだ。
「……それもそうだな! いやぁ、アクトさんはいい人を手に入れた」
「ふん……」
俺はふん、と鼻を鳴らし、そっぽを向いた。
【おしらせ】
※12/24
新連載、スタートしました!
ぜひ応援していただけますとうれしいです!
URLを貼っておきます!
よろしくお願いいたします!
『スキル【リサイクルショップ】で捨てられた悪役令嬢(英雄)や神器を仕入れて修理したら、いつの間にか最強国家になってました 〜捨てられ貴族の楽しい領地改革〜』
https://ncode.syosetu.com/n6338ln/
広告下↓のリンクから飛べます。




