【番外編】
ローレンスは俺と雑談した後……。
「ではな!」
屋敷の前にて、ローレンスが俺に向かって、手を振る。
「二人目が生まれてくる頃に、また会いに来るぞ……!」
「……そうか。待ってるぞ」
「おう!」
ローレンスは大きく手を振ると、消える。多分超スピードで走って帰ったんだろう。
あまりに速くて、彼の動きが目で追えなかったのだ。
「…………」
俺も衰えた物だ。老いというやつにはかなわん。
しかし、二人目が来るまでにはまた来る……か。
「マスター」
「……なんだ?」
フレデリカが、いつの間にかそばに立っていた。
「身重なのに、動くな。馬鹿者が」
「少しくらい、運動は必要ですわ。それより……彼はどうしてきたんでしょうか?」
「遊びにきた、それだけだ」
……おそらくは、それだけではない。
やつは、何らかのトラブルに直面し、その解決策について相談にきたんだろう。
だが、フレデリカに二人目ができ、俺がそばを離れられなくなったと知った。だから、何も言わず、帰っていったのだ。
まったく、余計な気を遣いよって。
「変な気を遣ってるのは、あなたでしょう?」
はぁ……とフレデリカがため息をつく。
「今は医療も発達しております。貴方様がそばにいなくても大丈夫です。というか、出産に男は必要ありません。役立たずです」
「…………」
「なので、どうか思いのままに、行動なさってくださいまし」
……この女、ローレンスのこと、そして……俺が気を遣ったことも、見抜いてるようだ。
「すまんな」
「なれております」




