番外編 終わった物語の主役
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
俺はフレデリカとともに、獣人国へと向かうことにした。
馬車に乗る俺たち。
やつは上機嫌であった。
「ますったぁ~♡ どうですか、妻の新衣装は~ん♡」
普段の10割増しでウザい。
フレデリカはこじゃれたカーディガンにロングスカートといった出で立ちだ。
どうですかとこれもう何十、何百回ときいてくる。
やれやれ。
「似合ってるぞ」
まあだがいちおう素直に応えてやってる。
今まで苦労をかけてきた分、この駄犬を甘やかせてることにしてるのだ。
こいつの創造主から任されてるからな。駄犬をよろしくと。
「ふぉおお……♡ しふきゅ~……♡」
くったりと脱力し、俺に寄りかかるバカ犬ことフレデリカ。
「ところで……エッタはわたしたちの外出を許可したのですか」
「そうだな」
「今、世界に異変が徐々に起き始めてるのに……?」
「貴様も気づいていたか」
「ええ、薄々」
俺には時王の神眼があるから、なんとなくわかるのだ。
今この世界には、各地でヤバいものがうごめいていると。
だが……娘は俺の力を借りない、とハッキリ言ったのだ。
「さみしいですか? 世界にかかわる脅威を、最前線にて払えなくて」
「いや……むしろ嬉しいな」
「嬉しい?」
「ああ、俺の磨いた原石達が、頑張ってるからな」
俺は自分が頑張る姿より、俺より才能ある奴らが、頑張って輝いてる姿の方が尊いと思う。
「俺はもう、戦えぬ体だしな」
最終決戦での無理がたたったのか、時王の神眼を使ってでの戦闘はほぼできなくなった。
固有時間完全停止なんて次やったら死ぬとさえ言われたからな。
時間を加速させること、止めることも、俺にはできない。
そうなると俺は、並の冒険者と大差ない……いや、それ以下のパフォーマンスしか発揮しない。
ハッキリ言えば、今の俺はただの足手まといなのだ。
今この世界での主役は、俺の残した宝石たち。
「俺の物語は役割を終えたんだ。だから……今は世界の異変に、関わらない」
「なるほど……わかりました。じゃ、わたしも、モブBの妻として、側にいましょう♡」
何があっても、俺に着いてくるこの犬に……。
いつしか俺は、愛着のようなものを覚えていた。
だから、まあ人が居ないのを確認してから、キスしてやったのだ。
【☆★新連載はじめました!★☆】
タイトルは――
『追放された最強の結界師は嫁とのんびり旅したい~弱すぎる味方に結界を張ってたのに、自分が強くなったと勘違いした勇者に追放された。結界が永続じゃないと気づいて土下座しても遅い、俺を溺愛する幼馴染と旅してる』
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