番外編 新米ギルマスの苦労
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
アクトと、超勇者ローレンスが世界を救った……。
それから幾ばくかの時間が流れた。
「うみゅ~……」
アクトの娘……ヘンリエッタ。
彼女は自分の部屋のベッドで横になっていた。
そこへ、アクトの伴侶である、元メイドのフレデリカが現れる。
「ほら、エッタ。起きなさい」
「いやぁ~……ままぁ~……起きたくない~……」
普段、ギルドで見せている凜然とした振る舞いとは別の、駄々っ子のような姿。
これをギルメン達が見たらさぞ驚くだろう。
そう、ヘンリエッタはまだまだ、年若いのだ。
まだ十代の半ばである。
「もう、ほら起きなさい。ほら」
「うう~……いやぁ~……」
無理矢理起こされたヘンリエッタ。
母親にぎゅーっとだきつく。
「いや……まま……わたし働きたくないよぉ~」
「駄目です。あなたは、アクトからギルドを受け継ぐって、自分で言ったのではないですか」
「でもぉ~……無理~……やばいやつらばっかりだもん~……」
確かに、今の天与の原石には、リーフ・ケミストや、黒銀の召喚士といった、アクトがいた時と同じか、それ以上の化け物達が所属している。
ヘンリエッタは、まだ若輩者で、経験が少ない。
そんな彼女に、彼らをまとめるのは、一苦労と言えた。
「じゃあ、お父様にいって、別の人にギルマスやってもらいますか?」
「そ、それはやだー!」
ヘンリエッタが目を大きく剥いて、ぶんぶんとクビを振る。
「パパのギルドは、娘のわたしがつぐんだもん! 他の人には、絶対わたさない!」
フレデリカは苦笑すると、頭をなでる。
「じゃあほら、今日も頑張って仕事いってきなさい」
「うん……いや。うむ! わかったのじゃ、母上!」
フレデリカはよしよしと頭をなでた後に言う。
「しかし、なんでそんな変なしゃべり方にするのですか?」
「それは……なめられたくないからだよ。あ、じゃ!」
威厳を保つため、こんな変わったしゃべりかたをしているらしい。
別に威厳なんて保つ必要はないのに……と思いつつも、娘の方針には口を挟まないことにした。
それが、アクトの、エイジ一家の教育方針だからだ。
「今日も……がんばるのじゃー!」
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『沈黙の風使い、実は世界最強の無詠唱魔法の使い手〜「何してるか分からない」と追放されたコミュ障陰キャな僕、王立魔法学園の教師にスカウトされる。僕の価値を認めてくれる皆と働いてるので戻る気はない』
ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。
https://ncode.syosetu.com/n9022hz/