184.エピローグ1
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
それからの話をしよう。
ローレンスたちが王都へと帰還。魔王ドストエフスキーが討伐されたことを大々的に発表した。
ローレンスは国王主催の凱旋パレードにて、天与の原石に所属する、俺のおかげだと公言した。
その後、新聞社がローレンスの取材を敢行。
元々はひょろがりだった過去から、俺によって鍛えられて、そして一流の勇者に成長したことが、大陸中に知らされた。
その結果……。
どんな弱い者でも、長い目で見れば、成功する可能性を秘めている。
そのことが大きく世間に広がることになった。
世の中を席巻していた【追放ブーム】は、ローレンスの大成功により、これにて収束を迎えたのである。
そうなると、天与の原石のありようもかえる必要があった。
弱者救済。それはもう、俺が大手振ってやらずとも、どこのギルドや、組織でも当たり前に見られるようになったからだ。
大規模な組織改革とともに、俺は、ギルドを引退することにした。
もう、俺の理想は叶ったのだ。
弱者を許さないという、追放ブームの終焉とともに。
だがギルドをやめたからと言って、引退させてはくれないようだった。
かねてから打診のあった、ギルド協会の本部長に就任することになったのだ。
俺はただ目標のために頑張っていただけなのだが、いつの間にかえらく出世したものだ。
ローレンスたち勇者パーティは、解散後、彼らは自分たちの道を歩むことになった。
学園の長になった者、新しいギルドを立ち上げた者。
何を思ってか、天与の原石にとどまる者。色々いた。だが俺はもう口を挟まなかった。
もう彼らは原石じゃない。俺が磨いてやる必要は無くなったのだ。
極東の勇者パーティたちは元いた故郷へと戻った。
他のメンツも、収まるべき場所に収まった。
俺は協会本部長に就任したと同時に、フレデリカと結婚した。
王都に一戸建てを作りそこで二人暮らしを始めている。
来年には赤ん坊が産まれる予定だ。
名前は二人で決めることした。女の子の名前だ。
「どうして女の子の名前しか決めないのですか?」
「愚問だな」
……最後に、時王の目について。
俺の目は超越者、天羽によって強制的に与えられた者だ。
やつとの戦いの時に失ったはずの目だが、知らぬ間に復活していた。
もっとも、前のように自在に、時を操る力はないようだった。
即死させる力や、世界の時間を止めたり、巻き戻したりすることはできなくなった。
俺に出来るのはは、ちょっと先の未来を見られるくらい。それでも十分に反則的だ。
そいつの才能を見いだす力が無くなったのは残念だが……今の俺には必要ない。
世界は、弱者に優しくなった。
弱いことを悪だと思わなくなった。
だから……もう、悪徳ギルドマスターは、お役目ごめんとなったのだ。
あの目があってこその、悪徳ギルマスだからな。
それがない俺は……もうただのアクト・エイジだ。
でも俺はそれをさみしいと思わない。俺にはもう、未来が見えている。
……いや。
ともに未来を向いてくれる、仲間や友達、何より愛する女を、得たのだから。
★
……そして。
時は流れて、世代は交代する……。
次回、最終回です。
【★☆★新作、投稿しました!】
先日の短編が好評だったので、連載版はじめました!
タイトルは――
『転生魔女の気ままなグルメ旅~婚約破棄された落ちこぼれ令嬢、実は世界唯一の魔法使いだった「魔物討伐?人助け?いや食材採取です」』
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