167.信じる心
【★☆★読者の皆様へのお知らせ★☆★】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
魔王となったドストエフスキー。
かつて存在した魔神。それが彼の正体である。
魔神。それは人間やモンスター、魔族を遥かに超越した力を持つ、上位の存在体をさす。
ドストエフスキーにとって地上にあるすべては、自分より下だと見下していた。
だが……。
(なんだ……この男は……!)
ドストエフスキーは驚愕する。目の前で剣を振るう、化け物の勇者の姿を。
勇者ローレンス。超勇者と呼ばれることもある。
パワー・タフネスなど、すべてのステータスが人間を凌駕する、まさに化け物だ。
こんなのが地上にて、人間を名乗っていいわけがない。
魔神であることをすて、さらなる上位の存在である天羽にかしずき、手に入れたこの異形なる力と体。
それをもってしても、ローレンスを殺しきれないのだ。
「ふざけるなふざけるなふざけるな……! なぜ死なぬ! どうして生きてる!?」
天羽から与えられた凄まじい魔のエネルギーを、圧縮して体を動かしている。
無限に近い数の触手が目で追えないほどのスピードで襲い来る中……。
「ぬぅ! ぬぅん! ぬぅううん!」
ローレンスは時に触手をかわし、ときに切り払いながら、平然と接近してくるのだ。
相手が間合いに入った瞬間に強烈な一撃が襲ってくる。
体を触手にすることで斬撃は無効化できる。だがそうすると……。
「絶空無尽剣!」
ローレンスもまた、無限に等しい回数の斬撃を放ってきた。
この奥義は【回数】という概念を斬ることで、無限の斬撃を相手に与えるという技、らしい。
もはやあやつの攻撃は人間の所業を遥かに超えていた。
たかが人間が、魔神を超越した自分を、超えようとしてる……。
「いい気になるなよぉ! にんげぇえええええええええええええええええん!」
このまま粉みじんにされてたまるものかと、ドストエフスキーは体をさらに微粒子レベルまで分解。
それは敵の体の中に入り込んで、体内から細胞を破壊する。
「がハッ……!」
ようやく、ダメージらしいダメージが入った。いかに鍛えようとも、内臓までは鍛えられない。
それが人間だからだ。
「さっさと消えろ! 折れろ! 這いつくばれ!」
だがいかに体内であばれようと、ローレンスが倒れることはない。
すぅ……はぁ……と深く呼吸をすると、一瞬で体の代謝を極限まで高める。
汗の中の老廃物として外に無理矢理だされる。なんて化け物なんだろうか……。
「げほっ! ごほっ!」
だが体には深刻なダメージを与えられた。
しかも味方の回復術師は、ようやっと力尽きて倒れている。
立っているのはローレンスだけ。その彼もまた、ふらふらで、もう少しで倒せるところまできた。
……だというのに。
「なぜ……そんな目をしてるんだ……!」
全くもって絶望に沈んでいない。彼は最初から最後まで、未来を……見据えている。
「アクトさんが、助けてくれるからな」
「あくと……あくと、えいじいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
思えば自分の計画を、いつもアクトに狂わされていた。
やつもただの人間のはず。だというのに、だというのに……!
「アクトさんは、必ず希望の道を作ってくれる。おれは……待つ! 必ず来ると! 信じて待つ……!」
仲間が皆倒れ、自身もボロボロで、今にも死にそうになってもなお……。
ローレンスは恩師であるアクトが、助けてくれると信じていた。
恐ろしい、精神力である。
「もういい……くたばれ……!」
ドストエフスキーは体を変形させる。
体は人型を保っている。右腕が、おぞましい魔剣へと変形していた。
「【直死の魔剣】。これに斬られたものは、いかなる方法を持っても蘇生不可能のダメージを負う。わかるか? 斬られたら死ぬんだ!」
「知らん! おれは……死なぬ!」
「ほざけ! 死ねぇえええええええええええ!」
ドストエフスキーが直死の魔剣の振るう。
ローレンスもまた大剣を振るった。
だが溶けたバターのように容易く、ローレンスの剣はきられる。
「ひゃはっはあ! 死ねぇえええええええええええええ!」
【★☆★とても大切なお知らせ★☆★】
新作投稿しました!
タイトルは、
『【連載版】神眼持ちの【獣医令嬢】は破滅を回避し静かに暮らしたい〜バッドエンドな未来を回避するため、辺境で動物のお医者さんはじめたら、何故か獣の国の王子様と神獣モフモフ達から溺愛・感謝されてます』
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