表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

148/229

148.月面の神殿


 魔王討伐へ勇者が向かう一方、俺は邪竜ヴィーヴルに乗って、すべての黒幕である男のもとへ向かう。


 場所は空の先にある、宇宙。


 黒々とした空間に銀の星々が浮かぶ特殊な空間だ。


『はえ……宇宙にこれたっす。すげえっす……自分……』


 この邪竜ヴィーヴルは対超勇者用に作られた特別な存在だ。


 あらゆる状況、環境に適用されるだけの頑強な体を持って生まれていたのである。


『なるほど、ここへ来ても大丈夫だと見抜いてたんすね。さすがアクトさん……』


 俺の両目は時王の眼というS級の鑑定眼となっている。


 あらゆるものの持つポテンシャルを見抜くことができるのだ。


 ヴィーヴルがここまでやる奴であることはあらかじめ分かっていた。


 だが生来の臆病な性格がたたって、今まで存分にその秘めたる力を振るえていなかった。

 ローレンス達勇者パーティのそばにいることで多少は自信がついたみたいだが、まだ自分の力には気づけてなかった様子だ。


「そろそろつくぞ」

『うぇ? でも何もないっすけど……』


 俺たちの前には黒々とした宇宙空間が広がっているだけで、そこには何もない。


 だが俺は鑑定眼を発動させる。

 すると何もなかったところに巨大な月が出現した。


「隠蔽の魔法だな。俺たちから見えなくするための」


『邪竜の目すらあざむく幻術を見抜くなんて、すげーっすわアクトさん』


「ふん。いくぞ」


 何もない月面に恐る恐るヴィーヴルが着陸する。


 彼女が降り立った瞬間、隠れていた月が表に出てくる。


『あらほんとだ。隠れてたんすね』

「貴様俺の言葉を疑っていたのか?」


『まさかでしょ。アクトさんを信頼してるっす。ただでもアクトさんを盲信してはいけねーって思ってるんで』


 そう、いざとなったとき、頼りになるのは自分だ。


 自分の頭で考えずについてくるだけの木偶は不要。

 

 ふん……成長したじゃないか。


「いつまでそんなでかい図体してるのだ」


「へいへい」


 ぱぁ……と体が輝くと、彼女は人間の姿へと変化する。


 長い紫の髪の美少女が俺の前に立つ。


「んで、あそこにいくんすね」

「ああ」


 俺たちのいた青い星を背景に、【それ】はあった。


 真っ黒い空間の中に、ただ一点、白い建物が佇立している。


「神殿……すかね」

「そうだな」


 白亜の神殿が少し離れた場所にたっていた。

 無論こんなものがあるなんて誰も思わないだろう。そもそもこの酸素のない空間で暮らせる人間など、通常は居ない。


「あれ? 自分は邪竜っすから平気ですけど、アクトさんってなんで普通に生きてられるんすか?」


「体内の時間を操作し、一時的な不死状態にしているのだ」


 呼吸を必要としない身体となることで、俺は宇宙でも普通に動けるというわけだ。


「いくぞ」

【★お知らせ】

別サイトですが、新作始めました。


『えっちなファンタジー小説で主人公から女を奪おうとする悪役ヤリチン貴族に転生した俺、まっとうに生きようとしてるのに、主人公から女をことごとく奪ってしまう。なんで!?』


【URL】


https://kakuyomu.jp/works/16816927861950491098



広告の下にもリンク貼ってます。

タイトル押せばサイトに飛べます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] >長い紫の髪のびしょうじょが俺の前に立つ。 "びしょうじよ"が"美少女"ではないのは なんらかの意図があるのでしょうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ