表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

147/229

147.悪徳ギルドマスター、暗躍す



 俺は勇者ローレンス達を送り出し、部下のフレデリカに指示を出した。


 深夜。

 ギルド会館の前にて。


「そろそろだな」


 俺は懐から捕りだした懐中時計をしまう。

 と、そのときだ。


 フォン……! という音とともに、俺の視界に、魔族の女が現れる。


「は……? え、ここどこっすか!?」


 紫色の髪をした女……。

 魔族ヴィーヴルだ。


「おい」

「んなっ!? あ、アクトさんぅうううううううううう!?」


 仰天するヴィーヴルのケツを蹴る。


「あうんっ」

「近所迷惑だ」

「はいぃ……」

「ついてこい」


 俺はヴィーヴルを連れて街の外へ向かう。


「あ、あのぉ~……アクトさん?」

「なんだ?」


「どうして自分がここに……? ついさっきまで、ローレンスさんと一緒に、魔王退治にいってたようなぁ……」


 やれやれ、説明せねばいけないか。


「貴様にはもう一つやってもらうことがある」


「は、はぁ……」


「ローレンス達を送り届けて暇を持て余してただろう?」


「うぇ!? そ、そんなこと……ないっすけどぉ~……?」


「俺の眼の前で、そんな嘘が通じると思うのか?」


 俺の黄金の瞳は、【時王の眼】という。


 過去から未来、すべてを見通すことが出来、さらに時空間を操作する力を持つ……S級鑑定眼だ。


「ま、そ、そーっすね……」

「こちらの用事が済んだらすぐに向こうへ送り届けてやる」


「て、転移魔法っすか……?」

「違う。【時空間召喚】だ」


「じくーかん、しょーかん?」


 はて、とヴィーヴルが首をかしげる。


「時王の眼の奥義のひとつだ。俺の視界に入った人物を、特定の時間、視界の前に召喚する」


「はえ~……すっげえすなぁ相変わらず……って、あれ?」


「なんだ?」


「時王の眼って……奥義が2つしかないのでは?」


 視界に入れた相手の時間を止め即死させる【固有時間完全停止イヴィル・アイ】。

 

 そして世界の時間を巻き戻す、【時空間超転移ワールド・ディストラクション】。


「いつの話をしているのだ貴様」


 するとヴィーヴルが納得したようにうなずく。


「ああ、なるほど。ローレンスさん達のために、自分も強くなろうと鍛えたんすね。彼らが失敗したときのための保険として」


「ふん……勘違いするな。俺は部下達が調子に乗らないために自己鍛錬したまでだ。弱いままでは部下が着いてこないからな」


「そーすか、そーゆーことにしとくっす」


 ヴィーヴルのやつが優しい声音で言う。


 ローレンスを含め、こいつもフレデリカに似てきたな。


 妙にわかった感を出してくる。

 やれやれだ。


「んじゃアクトさんは独自に鍛えて、新たなる奥義を身につけたってことっすね」


「そうなるな。もっとも、【時空間召喚】はマーキングした相手を時間と空間の垣根を越えてこちらに飛ばすから、失敗したら死ぬし、呼び出せるものは空間移動に耐えられず死ぬ可能性もあったが」


「ちょっと待てやぁあああああああ!」


 ヴィーヴルが俺の前で通せんぼする。


「え、なに!? こんな危ない技だったの!?」


「ああ。だから奥義なんだ」


「使うならそう言って! 心の準備いるでしょ!?」


「案ずるな。俺は未来を見通せる。失敗する可能性は低い」


「ゼロじゃないんでしょ!? 何回も使わないでくださいねこの奥義!」


「善処してやろう」


「くぬぅ……! えらそうに……」


 ほどなくして、俺たちは森の中へとやってきた。


「で、自分を呼んだのはなんでっすか……って言いたいけど、なんかあるんすよね」


 ヴィーヴルが赤いまなざしを俺に向けてくる。


「あなたが無駄を嫌う。ローレンスさん達を任せてるあなたが動いてるってことは、アクトさんが出張らないといけないくらい、やばい事態が同時進行してると」


 やれやれ、こいつもフレデリカやローレンス同様に、勝手にものを言うようになったな。


「ふん……わかってるなら、黙って従え。変身しろ」


「うっす」


 ヴィーヴルのからだが光り輝く。


 邪神竜ヴィーヴルへと変化。


 俺はやつの上に乗る。


『どこいくんすか? 地上? 地下?』

「いや……上だ」


 俺は天を指さす。


 そこには1つの満月が浮かんでいる。


「宇宙へゆくのだ」


『了解っす! って、えええええええ!? 宇宙ぅうううううううううう!?』


 俺はヴィーヴルの頭を踏んづける。


「とっと行け」

『いやでも……自分宇宙空間なんて……』


「俺が行けと行ったらいけ。問題ない」


『わ、わかったよぉ~……』


 ヴィーヴルが翼を広げて宙へと飛びたつ。


 ……俺がこれから行うのは、師を殺すこと。

 今回の黒幕は、俺にこの目の使い方を教えててくれた超越者、天羽あもう


 やつはもう地上には居ない。

 月にて、ローレンスの邪魔をしてくる。


 だから……俺はやつの元へ行って、潰す。

【★大切なお知らせがあります】



別サイトですが、ラブコメの新連載、はじめました!


広告下↓にリンク貼ってます、タイトル押せば飛べますのでぜひ!


【タイトル】


俺に甘えてくるヤンデレ義妹が、元カノの妹だった~潔癖症の恋人に振られた日、瓜2つのギャルが妹になった。今更もうやり直せない、君がさせてくれなかったこと全部してくれる小悪魔な彼女に身も心も奪われてるから


【URL】


https://kakuyomu.jp/works/16816927860130559865

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ