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137.勇者パーティ、遊びに来る3

【★お知らせ】


書籍版2巻でます!

10/15に発売予定!


挿絵(By みてみん)



 俺の部屋に集まっている、ローレンスおよび極東勇者パーティ。


「おれたちは、四天王を全て倒した! これより、魔王討伐に向かう!」


 大男、ローレンスが力強く言う。


 魔王。邪悪なる者共の王。


 やつは魔王の国の奥にいる。

 魔王を守るのは、4つの結界。


 それぞれ、四天王が持つ装置を基点にして、結界が張られており、ローレンス達は攻められていなかったのだ。


 だが、彼らは先日、最後の四天王を倒した。


 結界は解除され、魔王城へ乗り込めるようになったのだ。


「そうか。ご苦労だったな」


「おいおいギルマスぅ。君がのほほーんとしてる間に、ボクらは必死になって戦ってたんだぜぇ?」


 槍使い、銀髪のウルガーが、ため息交じりに言う。


「もっとねぎらいの言葉が、あってもいいんじゃあないかい?」


 それを聞いたルーナが、苦笑交じりに言う。


「要約すると、がんばったんだから、もっと褒めろってことね」


「んなっ!? ち、ちちち、違うよ君ぃいいいいいいい!」


「図星か」「ウルガーさんかわいいです!」


 弓使いミードがため息交じりに、、魔法使いイーライが笑顔で言う。


「ふん。馬鹿か貴様。まだ本丸の魔王が残っているだろうが」


 俺はウルガー、そしてローレンス達を見回す。


「魔王を倒さないうちから、褒めて欲しいだと? 報酬の要求は、きちんと使命を果たしてからにしろ」


「ぐ、ぐぬぬ……」


 ウルガーが悔しそうに歯がみする。


 と、そのときだった。


 コンコン……。


「失礼します」

「カトリーナか」


 受付嬢長、カトリーナが、俺たちのもとへやってくる。


「本日の宴会のご予約についての確認なのですが……」


「「「え、宴会……?」」」


 ……やれやれ。

 カトリーナめ。あとで説教だな。


「宴会ってなによ」


 火賀美と極東の勇者たちが、首をかしげる。


 だがローレンスパーティたちは、納得気にうなずく。


「「「ああ、なるほど……」」」


「ど、どーゆーことっすか?」


 困惑する元魔族ヴィーヴルに、ルーナが説明する。


「つまり、ギルマスは、わかってたのよ。四天王を倒して、その報告を今日、しにやってくるって」


「おれたちをねぎらうために! パーティの準備をしてくださったのだな!」


「さすがギルマス! 用意周到です!」


 ローレンス、そしてイーライが、笑顔でうなずく。


「ほらウルガー。良かったじゃん。ギルマス応援してくれてるって」


 ミードがニヤニヤしながら、ウルガーの背中をバシバシ叩く。


「ば、ばっか……ボクは別にぃ、喜んでなんて、ませんけどぉ~?」


 ちらちら、とウルガーはこちらを見ながら、頬を赤く染める。


「ま、まあ! ボクらのなした偉業を考えれば! 宴会の一つや二つくらい、用意して当然だろうからね! それを享受するのも、ボクらの当然の権利さっ!」


「「「素直じゃないな~」」」


 ローレンス達が、ウルガーをいじり倒す。

「お気楽なやつらね、ほんと」


 火賀美が呆れたように言う。


「ま、だからこそ、強いのかもね。馬鹿ほど飲み込みが早いって言うし」


「貴様らも十分に強くなってるようじゃないか」


 四天王を全て倒せたのは、ローレンス達が居たことももちろん、それを極東勇者達がサポートした面も大きい。


「ザコの掃除や、周辺住民の避難。貴様らの貢献も大きい」


「な、なによぉ~……もぉ~……そんな……照れるじゃないの」


 もじもじ、と火賀美が顔を赤らめてうつむく。


「「「「火賀美様も、素直じゃないな」」」」


「うっさい!」


 勇者とその仲間達に、暗い影はない。


 彼らの表情は明るく、モチベーションも高い。


 ふん……どうやら大丈夫のようだ。


「アクトさん!」


 ローレンスがみなを代表するように、俺の前に立ち、頭を下げる。


「ここまでこれたのは、アクトさんがいたからだ! ありがとう!」


「ふん。勘違いするなよ」


「「「で、でたー!」」」


 パーティメンバー達が、ガキのようにわくわくした様子で俺を見やる。


「ギルマスのツンデレだっ」

「どうせ大方、【貴様らはコマに過ぎん】とか、妙なことを言うんだろう?」


「すなおじゃねーよなぁ、ギルマスって」


 ヴィーヴルは目を丸くして言う。


「なんかローレンスパーティのみなさん、ギルマスへの対応に慣れてますっす」


「ま、これだけ長く付き合ってたら、わかるんじゃないの」


 やれやれ、と火賀美が首を振る。


「ふん。まあいい。今日はせいぜい、英気を養い、明日からの戦いに挑むのだな」


「アクトさんも、宴に参加するのだろう!」


「ふん。当然だ。金を出してるのは俺だぞ?」


「「「やったー! アクトさんと飲みだぁあああああああ!」」」


「ガキかっつーの……」「まったくっす」


 かくして、ローレンス達は、決戦前の宴会に、参加することになったのだった。

活動報告にて、挿絵、口絵公開されてます!


挿絵(By みてみん)


【※お知らせ】


先日投稿した短編が好評だったので、連載版を投稿しました!


【連載版】窓際編集とバカにされ、妻に浮気されたその日から、双子JKと同居することになった〜新しい職場と美少女達が家で待つ幸せな新生活を送ってるので、今更有能編集だったと気付いて謝られても相手にしません


【URL】


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