135.勇者パーティ、遊びに来る1
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悪徳ギルドマスター、第二巻が発売されます!
10月15日発売です!
この本は、僕の小説家として、どう生きるかを込めて作った覚悟のこもった一冊となってます!
気合い入れまくりで作りました!
ぜひお手に取っていただけたら幸いです!
ある日、俺のギルド、天与の原石にて。
俺が部屋で仕事をしていると、眼前に空間の裂け目が発生した。
あいつらか、やれやれ、仕事中だというのにな。
「アクトさん! 遊びに来たぞ!」
空間の裂け目から、ひょっこりと顔を出したのは、大剣を背負った大男。
勇者ローレンス。
「やぁやぁギルマスぅ~。このウルガーが、寂しがってるだろう君に会いに来てあげたよ? 感謝するのだねっ」
「みんな、久しぶりだな。おい、フレデリカ。人数分の茶を出せ」
銀髪メイド・フレデリカが、うなずいて部屋を出ていく。
「おひさしぶりです、アクトさん!」
魔法使いイーライ、弓使いミード、回復術士ルーナ。
この5人が、ローレンス・パーティである。
「ちょっとちょっとちょっと待ちなさいよぉおおおお!」
ばん! と部屋の扉が開く。
そこにいたのは、極東の勇者・火賀美と、その仲間たちだった。
「おお、火賀美! どうした!」
「どうしたじゃないわよ規格外野郎! なにしれっと空間転移してるのよ!」
火賀美が声を荒らげると、はて、とローレンスが首をかしげる。
「おれ、なにかしたか!」
「いやね、転移魔法ならわかるわよ? でもあんたがやったの、空間に手刀でさけめをつくって、空間同士をくっつけて、転移したのよ!」
「む? それがどうした? なにかおかしいか、なあみんな!」
ローレンスが仲間たち問う。
「おかしくないです!」「別に普通じゃね?」「ローレンスなら普通にできるわよ」
「そうだよ、火賀美、君は何おかしなこと言ってるのかね?」
すると……。
「いやおかしぃっすよぉおおおおおおおお!」
窓を割って入ってた来たのは、長い髪の魔族。
邪神竜ヴィーヴルだ。
「おお! ヴィーヴル、おそかったな!」
「遅かったなじゃないっすよぉもぉ! 手刀でワープって! それもう自分の存在意義ねーじゃないっすかぁ!」
ぎゃんぎゃん、とヴィーヴルがやかましく叫ぶ。
俺は彼女に近づいて、頭にチョップを入れる。
「いってー!」
「窓を割るな、失礼だろうが」
「うう、すんません……」
するとひとりでに窓ガラスの破片が浮いて、元に戻る。
「ちょっと!? なにしたのよ! イーライ!」
「え、時を、破片が壊れる前まで戻しただけですよ?」
絶句するヴィーヴルと火賀美。
「「おれ(ぼく)、なにかしちゃった?」」
「「ヤバさに磨きかかりすぎなのよぉおおおおおおお!」」
火賀美とヴィーヴルが叫ぶ。
やれやれ、相変わらず口やかましい連中だ。
「落ち着きたまえ君たち。レディーが叫ぶなんてはしたない」
「ちょっとウルガー! あんたが唯一の常識ポジションだったでしょ! なに、空間切り裂いていても、時間巻き戻してても、驚きもツッコミもしないのよ!」
「完全に化け物集団になじんじゃってますっすね」
衝撃を受けたように、ウルガーがその場に崩れ落ちる。
「そんな……僕は、僕はまともだ! 僕は正常なんだ!」
ウルガーは叫びながら、右手に槍を出現させ、明後日の方向へ投げ飛ばす。
投げた槍はすぐに戻ってきて、ウルガーの手に収まる。
「ちなみに、何してたんすかウルガーさん、今の?」
「ん? 近くに魔族の反応があったからね、つぶしておいただけだが……なにか?」
はぁ……とヴィーヴルと火賀美が疲れ切ったようにため息をつく。
「な、なにかね?」
「手遅れっすね」「残念だけど、あんたはもう化け物よ」
ウルガーが衝撃を受けたあと、その場にがくりと手をつく。
「ぎ、ギルマス……僕は、化け物かい?」
そんな当たり前のことを聞いてきたので、俺は当然のように答える。
「ああ、貴様は立派な、化け物集団の仲間だ」
「がーーーん!」
「よくぞここまで成長したな」
「うう……うれしいようなぁ、かなしいようなぁ、うわぁあああああああああん!」
だー! とウルガーが窓から飛び出ていく。
「なんだ! うれし涙か! わかるぞ!」
「たぶん違うと思うっすよ……」
ちょうど、フレデリカが、お茶のポットをもって戻ってきた。
「座れ、茶でも出す」
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