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第28章 ダンジョン偵察

「次の遠征はダンジョンだ」

「ダンジョン?」

前のような防衛戦ではないのだろうか

「ダンジョンとは滅ぼされた街が魔物の跋扈する危険地帯になったものだ。ダンジョンには多くの魔物、そしてそれを治めるダンジョンマスターがいる」

「なるほど…」

つまり魔物を倒してダンジョンマスターを倒せばダンジョンを…領土を取り戻すことが出来るというわけだ。

「今回はフィーネと勇者殿の二人で先行調査をしてもらおうと思う。ダンジョンをクリアするというより地形や出現する魔物を把握してほしい」

「わかりました」

とりあえず今回はフィーネさんの指示に従おう。


「今回はよろしくねぇ勇者様」

「こちらこそよろしくお願いしますフィーネさん」

フィーネさんの馬に乗せてもらいながら移動する。

しかし、女性の後ろにしがみつく男性というのは些か情けないような気がしないでもない。

「ダンジョンには1時間程度いる予定よぉ。その間は私から離れないようにしてねぇ」

「わかりました」

そうして俺とフィーネさんが乗った馬は進んでいく。


「このものに水の加護を…『ウォーターバリア』」

乗ってきた馬に水の加護を施す。

「フィーネさんは雷魔法だけではなく水魔法も使えるんですね」

「そうねぇ、どちらかというと水の魔法のほうが得意だわぁ」

あの精度を誇る雷魔法よりも得意なのか…うっ、体がしびれるような…

「それじゃ行きましょうかぁ」

「はい!」

俺とフィーネさんは目の前にあるボロボロの城門…もとは『クエイス』と呼ばれていたらしい街に入った。


「ガァァァ!」

「!」

入った直後に犬型の魔物に襲われる。

もともと魔力で索敵をしていたため、来ることはわかっていた俺はデュランダルで迎撃する。

「キャン!?」

犬の魔物は真っ二つになり動かなくなる…前に一度大きな雄たけびを上げる。

「ワォォォォォン!!……」

「いったい何の…」

その答えは遠くから聞こえる足音でわかった。

見えるだけでも…30体くらいいると思われる。

「さっきのやつ、味方を呼んだのか!?」

「そうみたいねぇ…」

死ぬ間際に危険を知らせるのは勇敢なことだが、こちらとしては困る。

「広範囲攻撃なら任せなさいなぁ『ウォーターウォール』」

そう唱えると何もないところから水が大量に発生して犬の魔物を押し流す。

その威力は犬の進行を抑えるほどの勢いがあったが、倒すまでには至らない。

「ここからが本番よぉ…『サンダーボルト』」

フィーネさんは濡れた魔物たちに雷をぶつける。

「「「ギャン!?」」」

一瞬で増援の30体は黒焦げになり絶命した。

「すごい…」

「さっきみたいに仲間を呼ばれたら厄介だしねぇ…一瞬で倒すならこれが一番だわぁ」

やはりフィーネさんは強い。

「先に進みましょうねぇ」

「は、はい」

フィーネさんは先に進んでいった。

俺も離れないようについていかなければ…

『……ぁ…』

「ん?」

何か声が聞こえた気がするが…気のせいだろう。

ダンジョン化しているこの街に人なんているはずないのだから…

『…や…き……た』


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