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第23章 それでも前へ

昨日に引き続き連続投稿です

『うっ…うぅ…』

『慧、どうしたんだい?』

また夢を見る。

これは近くの公園にいた犬が車に轢かれて死んでしまった日の夜だったと思う。

飼っているわけではないが、一緒に遊んでいた犬が目の前で車に轢かれて徐々に弱っていく姿は幼い自分にはとてもショックな出来事だった。

『そうか…慧、よく聞きなさい』

『うっ…なに…?』

『慧、命とはいずれ亡くなるものなんだ。それは父さんや母さん、慧だって一緒だ。だから生きている間は精いっぱいできることを頑張らないといけないと父さんは思うんだ』

『うん…』

『死んでしまったことを悲しむことはいいんだ。それだけ大切な関係だったということだからね。でもそこで足を止めてしまってはいけないと思うんだ』

『なんで?』

『死んだ人たちが悲しんでしまうからだ。その人たちだって自分の死が原因でほかの人が立ち止まってしまうのは悲しいと思うんだ』

『…よくわかんないや』

『確かにまだ慧には難しい話だったね。ならせめて死んでしまった人たちにもう一度会ったときにいろんなお話ができるようにいろんな経験をする必要があると思うんだ』

『うん!!』

父さんと話しているうちに幼い俺の涙は止まっていた。

そうだ、立ち止まるわけにはいかない。

ライヤーさんが俺の目の前で死んだ。

戦闘だってほとんど役に立ってなかった。

もし俺がもっと強ければライヤーさんは死ななかったかもしれない。

ならせめてもっと強くなろう。

俺が死んでライヤーさんに会ったときにいい報告ができるように…


「…夢か」

俺は自分の部屋のベッドの中で目覚めた。

遠征が終わってから3日間、俺は自室にこもりきりだった。

そんな俺をみんなは無理に外に出そうとはせずに待っていてくれた。

なら俺も動き出そう、死んでしまったライヤーさんの分まで俺は頑張らなければならない。


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