第13章 最後に技の実験です
何度読み返しても違和感があるのに、何度確認してもその違和感に気づけない…
「ふぅ…」
魔法の連続使用をする戦闘は初めてであり、なかなかの疲労感がある。
「最初はこんなもんかな?どうする?」
ライヤーさんは涼しげな顔で俺に問いかける。
「最後に一つやってみたいことがあるから、もう少しだけ付き合ってもらいたい」
「ほう?いいぜ、付き合ってやるよ」
「ありがとうございます」
どうやら攻めずに受け止めてくれるようなので、意識を集中する。
今ある魔力のうち9割9分を模擬剣に込める。
魔力のすべてを込めないのは昨日の反省点を含めてだ。
どうやらこの世界の魔力とは生命力のようなもので、ゲームのように『使い切っても戦闘などに支障が出ない』わけではなく、『意識を失ってしまう』ということにつながる。
せめて模擬戦が終わった後に部屋に帰る程度の魔力は残しておきたい。
「いくぞ!『ライトニングスラッシュ』!!」
そうして模擬剣を振りかぶり、振り下ろすと同時に模擬剣に込めていた魔力を切り離す。
すると、その魔力は雷を帯びた半月状の斬撃になってライヤーさんを襲う。
「っ!この攻撃は!!」
その斬撃を見たライヤーさんは模擬剣を投げ捨て自身の背中に背負っていた大剣を振りぬく。
「『ファイヤースラッシュ』!」
そしてその大剣に炎をまとい、斬撃として放つ。
激しい音を響かせて俺の雷とライヤーさんの炎がぶつかる。
そして…
「ぐあぁぁ!」
「く…」
俺はその衝撃で吹き飛ばされ、ライヤーさんはわずかに後退した。
「おいおい、昨日魔法を使えるようになったっていうのはうそなんじゃないのか?」
「強化されている訓練場の地面にこれほどのクレーターを作るとは…これが勇者の力なのか?」
「素晴らしい才能だ…」
「これは鍛えがいのある子が入ってきたわねぇ」
そんな周りの声が聞こえる中、俺の意識は徐々に遠くなっていく。
9割9分でも使いすぎだったということが分かっただけでもよかったか…
にしても俺はこの世界に来てから気絶してばっかりだな……がく




