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第11章 新しい訓練担当が決まりました

書くたびにこれでいいのかという不安がよぎる…

朝日がまだ登り切っていない中、俺は城の外周を走っていた。

「…ふぅ。毎日やっていたから苦ではないけど、魔法を覚えてからはより長い時間走れるようになった気がする」

日本にいたころから毎日朝にランニングはしていたが、その時よりもハイペースかつ長時間走り続けることができるようになった。

魔法が使える世界だが、体を鍛えておいて損はないと思う。

逆に戦闘以外にも遠征や連戦など日本にいた時以上に体力を使うイベントが多くなるだろう。

「次は模擬剣の素振りかな…」

2時間ほど走り終わった後は素振りを行った。

ただ素振りするのではなく、あの日戦ったジャッカルさんとのイメージトレーニングも行っている。

また、魔法による身体強化や加速、武器に雷をまとわせた状態でも素振りを行う。

『本番の時にできるのは練習の時にやったことだけ』とはスポーツでよく使われる言葉だが、それはこの世界でも同じだろう。

やりすぎる…なんてことはない。

この世界に来て間もない俺にはいくらでもやることはあるのだ。

「とりあえずこんなもんか…」

3時間ほど汗を流した後に俺は自室に戻った。


「いただきます…と」

この世界に来てからの食事はすべて自室で食べている。

勇者として周りの人に見られながら食事をするのが難しく、ジャッカルさんにお願いしてこのような形になっている。

「食事中にあちこちから視線を感じながら食べられるほど俺は図太くないしな…」

だがこうして食事を運んだり、片づけたりなどを城の人に行わせるのは忍びない。

俺が頑張るしかないか…

コンコン

ふいにドアをノックされる。

「慧殿、朝食は食べ終わっただろうか」

ドアの外にいるのはジャッカルさんのようだ。

しかし、もう一人外にいるような気配も感じるが…

「今食べ終わったところです」

「そうか、この後の慧殿の訓練を担当するものを紹介したいと思ってな…」

訓練を担当するのはジャッカルさんではないのか。

そう一瞬考えたが、ジャッカルさんは近衛騎士団長なのを思い出した。

ずっと俺にかかりきりになるのは難しいということだろう。

「入っていいですよ」

そうして俺はジャッカルさんと訓練担当者を部屋の中に招き入れる。

「失礼する」

そうしてジャッカルさんと一緒に入ってきたのは、年齢は20代後半くらいの男性だった。

銀色の髪をオールバックにしており、体格は大きい。

だがそれ以上に気になるのはその背中に背負う大剣であろう。

「今日から慧様の訓練を担当することになったライヤーというものだ。よろしく頼む」

「こちらこそよろしくお願いします」

そういって俺は立ち上がり頭を下げる。

「ほー…勇者なんてたいそうな肩書を持っているから偉そうにするものかと思ったけど謙虚なんだな」

「俺はこれからライヤーさんに訓練をつけてもらうんだし、明らかに年上だからな」

敬語は苦手だが敬意は払うようにしているつもりだ。

「ふむふむ…いい目だ、これはやりがいのある仕事かもな」

そういって俺に対し手を差し伸べてくる。

「改めて、勇者なんて肩書を持っている蓮城慧です。俺を強くしてください」

その手を握りながら改めて決意するのだった。

そうだ、俺は強くならなければならない。

そのためならどんな人にも頭を下げるし、地べたをなめてもみせる。

「…(やはり慧殿の決意は強いな。昨日シーラから報告があったが復讐が目的というのは本当だろう。こんな歳の少年が復讐を考えるとは…)」

そんな俺をジャッカルさんは少し悲しげな表情で見ていた。


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