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第9章 俺が日本でやりたいこと

最近普段の乾燥にプラスして手洗いやアルコ―ル消毒で手荒れしている人が多いとのことで…保湿は大切です(河童手なので全くそういった経験がない)

「私たちは4人姉弟で、上のお姉さまたちは地方の領主と結婚していてこのお城にはいませんが、弟のランスだけはお城で次期王として教育を受けているんです」

「なるほど…」

「でもランスもまだ12歳で遊びたい盛りなので…よく私が一緒に遊んでいます」

俺に家族のことを楽しそうに話してくれるリセス様。

その楽しそうな表情からも家族仲はとても良いようだ。

「うらやましいな。俺の父さん母さんは俺が幼い時に死んじゃったから…」

しまった、つい暗い話題を自分から言ってしまった。

「そうなのですね…ちなみにどんなお父様とお母様だったのですか?」

結構ぐいぐい来るな…

「そうだな…父さんも母さんもいつもニコニコしている人だった。俺が何か悪いことをしても叱った後はすぐにまた笑って俺の相手をしてくれる…そんな両親だった」

「ちなみに亡くなった原因は何か事故だったりするのでしょうか?」

「…」

リセス様のそんな何気ない一言でも俺の心は激しく燃え上がった。

「俺の父さんと母さんは…殺されたんだ」

「っ!?」

「あの雨の日…忘れることなんてできない。俺の父さんと母さんはあの男に…ジェイドという男に殺されたんだ」

俺の家族との幸せな時間はそんなに長く続かなかった。

俺が6歳の時、突然俺たちの家に入ってきた男…ジェイドと名乗った男によって母さんは心臓を一突き、父さんは首の骨を折られて死んだ。

電気が消えた部屋で、床にはすでに冷たくなった母さんがいて、雷鳴に照らされて父さんの骨が折れる瞬間を俺は見た。

「そのあと、身寄りがいない俺は父さんと親しかったカイルという男性によって引き取られ一緒に生活することになったんだ」

「そうだったのですね…」

リセス様は沈痛な面持ちで俺の話しを聞いてくれた。

俺のことを優しいといったリセス様だったが、俺のこんな話を聞いてそんな表情をしてくれるリセス様のほうが俺には優しいように感じる。

「スパーダ王国に召喚されて、最初は怒りの感情しかなかった。だけど、ある意味でチャンスなんじゃないかとも思った。この世界で魔法の使い方を覚えて、元の世界に帰った後この力を使えば、よりジェイドを殺しやすくなるかもしれない」

まず、現代日本で一度会っただけの男を探すことは困難だ。

しかし、魔法の力を使えば、ジェイドのことを探し出すことができるかもしれない。

「殺すだなんて…優しかったあなたのお父様やお母様はそんなこと…」

「確かに俺の父さんや母さんはこんなことを望んでいないのかもしれない。でもどうするかを決めるのは結局俺の意思だ。俺はジェイドを殺す」

『復讐なんて望んでいない』…よくサスペンスで聞く言葉だ。

しかし、それはあくまで第3者の意見だ。

本当に父さんや母さんが復讐を望んでいるかなんて未来永劫わからないことだし、やると決めたことに余計な指図は不要だと俺は思う。

もし、その復讐によって何らかの罰が下るのだとしたら、それを受け入れるまでが復讐を行う者の責任だ。

「そうですか…私たち異世界の者がとやかく言うことでもないですし、いきなり召喚したのはこちら側の都合です。勇者様がこの世界を…魔王を倒すことをサポートするのが私たちの務めです」

「勇者様なんて、そんなたいそうなことしてるわけでもないし、俺のことは『慧』でいいよ」

さっきから勇者様と俺のことを呼ぶがまだ何の功績も残していないし、何より恥ずかしいので変えてもらうことにしよう。

「それでは慧様と呼ばさせていただきます」

リセス様にも了承を得られたしこれでいいだろう。

「そろそろ夜も遅いし、部屋に帰ったほうがいいんじゃないか?」

「そうですね…夜分遅くに大変失礼しました。今後ともよろしくお願いしますね」

そういってリセス様は部屋を出た。

「ふぅ…これでやっと休め」

「おい貴様」

突然俺ののど元にナイフが当てられている。

どうやら俺のイベントはまだ終わってないようだ…


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