第1章 こんにちは異世界。とりあえず帰りたいのですが…
はじめまして、シェロスと申します
執筆経験がない私の拙い物語ですが、楽しんでいただければと思います。
「召喚されし勇者よ、このスパーダ王国を救ってほしい」
目の前に広がる風景は先ほどまで一人で過ごしていた自室ではなく、30人くらいがいる大きな広間となっていた。
「は?」
「スパーダ王国は現在、魔王の侵略により国土を減らし続けている状態にある。己の力と勇者として備わった力により魔王を討伐し、この国を…民を救ってほしい」
目の前の王冠を付けた60歳くらいの男は他にいる人よりも高い位置から俺に対し言う。
「…ここはどこだ?スパーダ王国なんて聞いたことがないぞ」
俺は生粋の日本生まれの日本育ちだ。
こんな欧米の城みたいな場所なんて見たこともない。
「王に向かって何たる口の…」
「よせジャッカル、彼はこの世界の人間ではないのだ。突然のことで混乱しているのだろう」
王…らしき人物は側仕えの剣を持った男を制止したが、そんなことはどうでもいい。
「ここは日本じゃないのか?どうしたら日本に帰ることができるんだ?」
「二ホンという国は聞いたことがない。そして…」
王は申し訳なさそうに俺を見ながら
「こちらからの召喚方法はわかっているが、帰る方法は…わかっていない」
残酷な現実を告げた。
「……けるな」
「…ざけるな!」
「ふざけるな!!!」
そうして、俺…蓮城慧のスパーダ王国での生活が始まった。