赤ずきんに転生したらしい。
気が付いたらやり過ぎた……
どうやら赤ずきんに転生したらしい。
気が付いたらこの世界にいた。詳しい死因や経緯は割愛する。と言うかさせて。
赤ずきんの話は大筋では知っている。狼に一口で食われた後に狩人に助けられてハッピーエンド。へへ、その後はその狩人と宜しくやればよかろうなのだ!!
合コンで私だけのけ者扱いにされた腹いせに、不慣れな酒を飲みまくって急性アルコール中毒で死んだ汚名をそそぐ又と無い千載一遇のビッグチャンスよ!!
「赤ずきんや……ちょいとおばあさんの所へお使いを頼まれてはくれないかい?」
(キタァァァァァ!!!!)
苦節3〇年!ついに殿方と結ばれそうな予感……!!
それじゃ、軽く食われてきますか……っと。
「はーい♪ 行ってきまーす!」
「狼には気を付けるのよー?」
「はーい!」
へへ、おばあさんの家までがまるでヴァージンロードみたいだわ! 人生薔薇色とは正にこの事よ!!
―――チラッ
(居た居た……!)
狼が物陰からコッチを見ながらヨダレを垂らしてる!
―――タタタタタ
慌てておばあさんの家まで駆けていった狼。これで後はおばあさん家に行くだけよ!!
―――カチャ……
「おばあさん居るー?」
ベッドの上に横たわる毛むくじゃらの人物。どう見ても狼なのだが、これでも本人は上手く変装したつもりなのだろう。絶対コイツ【変装】技能初期値(1%)のまんまだわ……。
「あら赤ずきんや、よく来たね。私腹ペコで死にそうだわ(切実)」
今し方ババァを食ったばかりなのに、とんだ底無し腹の様で……。私は焦る気持ちを抑えつつ、定番の台詞を言い放った……。
「おばあさん、何だかお耳が大きいわね?」
「貴女の声をよく聞くためよ(愉悦)」
「おばあさん、やけにお目々が大きいわね」
「貴女のをよく見るためよ(凝視)」
「おばあさん、お手々がとっても大きいわ!」
「貴女を抱きしめる為よ(意味深)」
「おばあさん……お口がとても恐ろしいわね!!」
「お前を食べる為よ!!(性的な意味で)」
「キャアアアア!!!!」
―――パクッ!!
本当に一口で食べられてしまうとは……。うわぁ…………狼さんの中……温かいナリィ…………。
先客もギリギリ生きているみたいなので、後は狩人の登場待ちである。イケメンじゃなくても良いので私を好きになってくれるなら割と誰でも良いですよ(切実)
―――チョキチョキ
(……ドキドキ♡)
まるで卵から孵る雛の様な気持ちで狼のお腹が開くのを眺める私。光が差し込み、私はババァをはね除け勢い良く狼のお腹から飛び出した!!
―――!?
しかし私の目に飛び込んできたのは予想もしない光景だった!!
おばあさんの家で私を助けたのは、上半身裸にサスペンダーを着けた筋肉モリモリマッチョマンのオジサンだったのだ!!
その出で立ちはまるでメ〇ロシティの市長!!
「―――どう言う事!?」
「……どうも、狩人です」
―――ガシッ!!
「えっ?」
「ふんっ!!」
私は狩人の両手で軽々と持ち上げられると、そのまま逆さにされ座り込む様に頭から地面へと叩きつけられた!!
―――ドガッッ!!!!
(ここでパイルドライバーとかこの狩人マジ市長…………!!)
おばあさんは命辛々逃げ延び家の外へと飛び出した。そして寝ている狼をパンチハメで殴り続け、トドメにパイルドライバーをお見舞いして狩人?は満足げにおばあさんの家から去って行った…………
読んで頂きましてありがとうございました!(*'ω'*)
どうして私は真面な話が書けないんだ…………。