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第3話

主人公は天才、と言う設定です。作者がアホの子なのでバカっぽく見えるかもしれませんが、天才っていう設定です。誰がなんと言おうと天才なのです。


※2018/2/28 《総合魔法適正》のルビを修正しました。

 父さんの親バカは置いておいて、魔法を使ってみたい!やっぱりファンタジーといえば、魔法・美少女・中世の三拍子だよね!どうやって魔法使うのかな?こういうのは自分で見つけてこそ面白いよね!だから《攻略本(ストラテジーブック)》は使わない。さ〜て、ファンタジー物の定番は、イメージ力による発現ってやつだよね。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 3日後


 だめだ。幾らやっても手がかりさえ掴めない。《魔法総合適正(オールマイティ)》有るのにこれということはやり方が違うのか?え〜っとイメージ力じゃなければ…………

 精霊やら妖精やらに話しかけてMPと引き換えに魔法を発動してもらうとか?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 3日後


 これも進展がなかった。他に魔法を発動させる定石っていうと……


 体に巡る魔力を放出かな…………

おっ!今なんか光った!


「ん?何か光った気が…」


 やばっ、父さん居るの忘れてた。どうやってごまかそう……そうだ!父さんは親バカだ!


「ぶぁー!ぶぁー!ぶぁー!』


 泣いてみることにした。


「ど、どうした?おしめ…じゃないみたいだな。じゃあお腹空いたのか?それなら、おい!乳母(うば)を呼んできてくれ!」


「かしこまりました」


 どうだ見てみろ、効果覿面(こうかてきめん)だ!ふぅ、取り敢えず誤魔化せた。まじ焦ったよ。これからは今回の反省を踏まえて、人のいない時にやらねば。おっぱいを飲むのは元とはいえ成人男性には少々キツい。回数は減らせるだけは減らさなければ。乳母の方も美人さんだが、役得なんて決して思ってない。女の子になったのだから。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 約3ヶ月後


 ようやく首がすわってきた。前に看護師研修で『3〜4ヶ月程で首はすわります』って言ってたからまぁ順当だろう。次は這いずりからのはいはいである。頑張らねば。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 約2ヶ月後


 僕は擦り這いできるようになっていた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 約1ヶ月後


 僕ははいはいできるようになった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 約2ヶ月後


 壁に手をかけながらだが(ようや)く立てるようになった。これからは少しずつだがスクワットも始めて筋トレをしよう。スクワットも、まだ親に見られては困るから魔法と同じく誰もいない時にしなくては。


 それと喋れるようにもなった。とはいってもまだ呂律が回らず、発音は要練習だが。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 約2ヶ月後


 今では魔力を放出しながら型の練習をできるようになった。魔力を枯渇させないようにするのが難しい。で、今やっている型は赤崎家剣術・柔の型である。剛の型も使おうと思えば使えるが、女性の華奢で軽い体では一撃一撃に重きを置く剛の型より受け流しや手数に重きを置く柔の型の方が扱いが容易いだろう。え?木刀や竹刀もないのにどうやって練習してるかって?そんなの簡単。ファンタジー小説でよくある『魔力を剣の形に』ってやつ。これなら魔力の放出と魔力制御、剣術を同時にできる。さらに同時に、人が来ないかを探っている。四つを同時並行で行なっているのだ。因みに柔道や空手の時は拳や脚に魔力を纏わらせている。ベビーベッドを破壊しない様に気を使っている。



 取り敢えず体を動かすという目標は達せられたわけだが、次は何を目標に据えようか……


 約10分後


……そうだ!レベル上げだ!とは言ったものの、レベルってどうやってあげればいいんだ?ファンタジーの定番を持ち出し考察するならば、この世界にはモンスターやら魔物やら魔獣やら、もしくはそれらに付随する何かがいて、それを倒せば経験値が入り、一定値を超えるとレベルアップする。ってな具合だろうか。他にも修練で経験値が入る作品と入らないがあるからそこ辺りはスルー。修練で入れば御の字だが、期待はしないでおこう。それに、今のこの赤ん坊の体ではとても勝てるとは思えない。なので当分はスルー。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 約2ヶ月後


 今日は僕の1歳の誕生日だ。まぁ、特に何があるというわけでもないが。


 最近はムキムキの女性にならないように筋トレをやりすぎない様にしていて余計に退屈だ。端的に言えば暇なのである。暇なので《攻略本》でこの世界の情報を集めてみることにする。すーぱー質問たいむだ。


・僕たちの様な転生者や転移して来た人の扱いはどんな感じ?


《転移して来た者や召喚された者はいずれも何らかの強力なスキルを持っていた為、酷い仕打ちは受けていない模様です。正確には、その力を恐れて手出しをしてないだけですが。また、転生者は自らを転生者だと名乗り出る者がおらず、確認できませんでした。ですが、普通の村人のはずなのに召喚された者と同じ様な力を持っていて気味が悪いと人が離れていくと言う事案が平民階級に生まれた者のみですが確認できました。そして、異世界から来た者は元の世界に戻るすべがない為に世界に住み着きます。異世界から住み着いた者を略して異住者と呼ばれています。


 ほぉ〜、やっぱり召喚もあるのか。この調子でどんどん聞いていこう。


・この世界の名前は?


《この世界の名は【ファンタジー】です》


 おぉう。ツッコミどころきた。


・どういう由来があるの?


《いちばん最初にきた異住者の方が『ファンタジー世界を体現したような世界だな!』と言われ、もともと名前の無かったこの世界の者が聞き、【ファンタジー】をそのまま名前にしたそうです。その者は異住者の世界と区別する為に名前を付けようと思い立ったそうです。なお、その者は大国の王だった模様です》


 なるほど。大元は理解できた。だけど、それでいいのか?大国の王様……


・貴族や奴隷などの階級は?


《貴族も奴隷も存在します。貴族は上から侯爵、伯爵、子爵、男爵です。王家の血縁者のいる貴族を例外的に侯爵の上に公爵を作っています。また、一代貴族の名誉侯爵、名誉伯爵、名誉子爵、名誉男爵があります。階級は同じですが一代のみの貴族に名誉と付ける様です。他に騎士爵があります。こちらも名誉〜爵と同じ様に一代貴族です》


《奴隷にも種類があります。通常奴隷、借金奴隷、犯罪奴隷、重犯罪奴隷があります。奴隷は衣食住を与えなければ国から罰せられますが、それ以外は何をしても構いません。勉強させて奉公に出すのもまた自由ですし、性的にナニをするのも自由です。通常奴隷と借金奴隷は売りに出されますが、犯罪奴隷と重犯罪奴隷は国の管理下になります。犯罪奴隷は街道の整備などを強制的にさせます。重犯罪奴隷は鉱山などの危険な場所の作業をさせます。また、奴隷商は国家資格が必要になります。奴隷は奴隷紋、もしくは奴隷首輪を必ず持っています》


 ふむ、概ね定番通り。まぁ細かいところは作品によって違うから確認しておいて正解かな。


・文明レベルを僕の世界基準で表すと?


《測定不能です。基盤は中世なのですが、異住者達によって農業革命や衣服革命、食事革命、情報革命などなど、他にも革命と呼べるものが頻発しており滅茶苦茶で表現できません》


 何と、《攻略本》から表現できないなんて言われるとは思わなかった。流石、異住者。まぁ、魔法があるから僕の世界とは違う進化を遂げていてもおかしくない……かな?大半は異住者のせいって思わなくもないけど。


・僕の生まれた国と地域はどんな所?


《ヨウロッポ王国の南西に位置するキキカターサ領です。気候と土地に恵まれた自然と作物が豊かな国です。奴隷を禁止にしていない国です。この世界では三大国のひとつとして知られています》


 ヨウロッポ?なんかヨーロッパみたいな響きだな。何か由来があるの?


《ヨウロッポ王国とヨーロッパは関係ありません。単なる偶然です》


 ヘェ〜、そんな事もあるだね。


・一年はどれ位?


《1年は355日+10日で、一月は30日で12ヶ月あり、12の月以外の偶数の月は1日少ないです。そして年越し前後の10日間はどの月にも当てはまらず、国民の祝日としてどの国や街でもお祭り騒ぎになります。また、1日は地球換算で24時間ですが、この惑星自体は地球より大きいです》


 つまり、地球より大きくて自転が早いのね。


・お金の単位は?


《この王国に限らず大凡(おおよそ)の国はエドという単位を使っています。価値は円とほとんど同じです。紙幣は存在せず、全て硬貨で、鉄貨と大鉄貨と銅貨と大銅貨と銀貨と大銀貨と金貨と大金貨と白金貨と大白金貨と聖金貨と大聖金貨があり、それぞれ鉄貨1エド、大鉄貨10エド、銅貨100エド、大銅貨1000エドと銀貨1万エド、大銀貨10万エド、金貨100万エド、大金貨1000万エド、白金貨1億エド、大白金貨10億エド、聖金貨100億エド、大聖金貨1000億エドとなります。白金貨から上は国同士の取引やそれに準ずる交易などでしか基本的には使われていません。だい聖金貨に至っては世界に3枚しかなく、使われた事は今まで一度もありません。


 かなりすごいな。円と同じ価値なんだよ?1000億エド。絶対に手に入れると心に決めた。もちろん、正当に稼いで。


・盗賊っているの?


《存在します。盗賊は基本的に弱く、その名の通りコソコソと盗むだけの輩です。殺人を犯すと国や領主邸からすぐに兵が出されるため、まず殺人はしません。例外はありますが》


 あぁこういう系の盗賊か。特に警戒する必要もなさそうだな。


《殺人はしなくても誘拐はしますよ》


 ダメじゃん!?警戒しておかねば。


・魔物やそれに類似するものは居る?


《存在します。他に魔獣と魔族、魔王も存在します。勇者も存在しますし、幻獣や聖獣、龍と精霊や妖精なども存在します》


 ほぉ〜魔王に勇者ね。大体検討つくから質問はいいや。


・宗教は?


《存在します。神はたくさん存在するのですが、創造神様と最高位神様方しかこの世界の者達は知らない様です》


・その中で僕の邪魔になりそうな宗教はある?


《存在します。魔神様を信仰している者達が主人様の魔法の才能を欲し、教会に拘束する確率が非常に高いです》


 ふむふむ、魔神と聞くと邪悪な感じを思い浮かべるが、多分この場合は魔法の神様と考えたほうがよさそうだね。で、そこにすごい魔法の才能を持ってる奴が現れたとなると、是非とも宗教に入信してほしいわけか。


《概ねその通りです。》


 その後も他愛ない質問や気になってはいるが重要でない質問などをした後に……


 さて、じゃあ最後に重要な質問。


《ゴクリ》


 あっ、そういうノリにも乗ってくれるのね。気を取り直して、重要な質問いくね。それは……





・この世界の下着ってどうなってるの?


 これでしょ!やっぱり気になる。よくある、『下着はドロワーズでした!』的なやつ。さすがに下着がさらしやらドロワーズやらでは落ち着かない。それに可愛い女の子や綺麗な女性には現代風の下着を着けていて欲しい。切に願う。


《……現代風の下着ですが、存在します。今から300年ほど前、『女性の履いている下着は芸術だッ!!』と言って、綿やシルク、ポリエステルやポリエチレンやポリウレタンなど様々な物を生地から作った方がいたそうです。ちなみにその方は魔法などには目もくれず、生涯の全てをブラジャーとパンツに捧げていらっしゃったそうです》


……なにその生涯かけて面白い人。バカなの?いや、生地から作ったそうだから衣類に関しては天才かもしれないが……あえてもう一度言う。バカなの?


《その方の作った生地が今では世界中で普及し、今では欠かせないものの様です。これが今で言う衣服革命です》


 はぁ、バカと天才は紙一重って言うけど本当だったんだね……

本話も見て頂き誠に感謝します。

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