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第1話

処女作です。

誤字脱字や設定の矛盾などご報告下さい。

あと、幼少編はほとんど何もないです。王都に着くまで事件らしい事件は起きません(確定)

 気がつけば僕はなんだかわからない

白い部屋にいた。テンプレ的に呟いておこう。


「知らない天井ですね」


 ここはどこだろう、と思案する。

取り敢えず思い出せる範囲で思い出してみることにする。


 僕は赤崎萩眞(あかさきしゅうま)。文武に優れた家系の本家の次男に生まれ、家系の方針で剣術や体術や弓道や茶道、メカニカルな事など、果ては料理や従者(執事やメイドなどの事)、更に医術や政治などの学習をし、20歳にして習ったものの総数100をゆうに超える。更に単なる自慢ではあるが、その全てをそつなくこなし武術で言えば剣道8段、柔道9段、空手10段である。実際には剣術は剣道換算でそのくらいの強さだと証明するために取った…いや、取らされたわけだが。そして学力も高校で全国2位。社会を1点逃して2位になってしまったわけだがそれでも良くやったと自負している。そんな僕のことを家内では赤崎家始まって以来の神童などと呼ばれていたりした。そしてそれをよく思わない人がいた。兄である。僕に赤崎家の家督を継がせるなんて話が出始めた頃から兄は変わっていった。僕の21歳の誕生日が明日に迫っていた4月17日。僕は兄に呼び出された。行ってみると、兄が僕の為に料理を用意してくれていた。どれも好物だった。


「どうしたの?兄さん。誕生日は明日だよ?」


「なぁに、家族で祝うのは明日で、今日は俺がお前を祝ってやる為に準備したんだ」


 兄がそう言って席に着く。僕も席に着き兄に感謝を述べて料理を食べた。そして、意識を失った。


『思い出しましたか〜?』


 うぉっ!?びっくりした。なんだかこう、声ならざる声が聞こえた。僕が辺りを見回すと先程までなかった火の玉が浮いている。


『どうも、私地球の管理なんぞをやっております。貴方の知識の中で一番近いのは神だと思います』


……神とか言っちゃってるよ。頭が可哀想なのかな。


『か、可哀想って、それどういう意味ですか!?』


バレてる。心でも読まれたか?


『えぇ、まぁ。読む事もできますよ』


 出来るようだ。まぁいい、それはひとまず置いておいて、さっきこの火の玉は僕が死んだと言った。なら、なぜ話せているのかという疑問は残るが。


『ここは管理室です。ここは肉体がなくても存在は維持できます。』


 なるほど。理解はできないが取り敢えず了解はした。すぐに信じることはできないが、現状僕は目の前の火の玉が喋ってるという不思議な事柄を説明できる知識や証拠を持っていない。壁や死角が生まれるような障害物もスピーカーも見当たらない。それなら死んだと仮定して話を進めてみれば何かわかるかもしれない。


「あなたは先程僕が死んだと言いましたが、あなたは何故その死者と話しているのでしょうか?」


『その件につきましては、あなたの身にこれから起こることと合わせて説明させていただきます』


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 どうやらこの自称神様は別の世界の神様と定期的に魂の入れ替えをしておりその時にこの神様が誤って僕の魂を抜いてしまったらしい。


「僕の魂が抜かれた肉体はどうなったのですか?」


『そちらは肉体的に死んでいます。魂とは謂わば自家発電装置。魂からのエネルギーの供給が断たれた肉体はライフラインを完全遮断された家も同じです』


「元の体に戻ることは?」


『元の肉体には戻れません。肉体という魂の依り代がすでに死んでしまって、戻す事が不可能です。さっきの論理で行けば、電気設備のない廃屋に自家発電装置だけを置き、配線を繋げられない様な感じです』


「そう、ですか」


『まぁ、そう落ち込まないでください!こちらの不手際ということもあり、特別な処置として望み通りの条件・望み通りの能力・そして記憶の引き継ぎをして転生していただきます』


 まじか!!いやぁ〜異世界転生とか本当にあるんだな。正直、事情説明だけして他の魂同様初期化されても文句はいえ…るだろうけど、それでは記憶がないためその文句すら忘れる事に、なんてのが待ってるかと思ってた。


『……取り敢えずこの紙に収まる範囲ならなんとかできますので、あなたの思いつく限りの願いを書いてください』


 さっきの間はきっと『そんなこと考えたこともなかった』って感じだろうか。


『は、早く描いてください!』


 どうやら図星の様だ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 こうしてなんやかやあった後、思いつく限りの願いを書いた紙を提出し、異世界へ行く事になった。


『それでは準備完了です……ちょっとお聞きしてもよろしいですか?』


「なんでしょう?」


『この《性別:女性》とは何故です?あなたは死ぬ前は男性だったはずですが…』


 なんだそんな事か。


「それは、童貞はすでに捨てて、女性としての肉欲を体験してみたいという考えが少なからずあったからですね」


 それは本心だった。だが……


『そ、そうですか。ではその扉に入ってください。あなたの魂に先程の紙に書いていただいた条件を全て組み込みました。それではいってらっしゃい』


 こうして僕は異世界へ望みの限りの条件、望み通りの能力、前世の記憶を持ち転生した。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


『女性としてのえっちな体験をしてみたいから性別変えるって…』


1人?になった空間で神と名乗った火の玉(実際に最高神として崇めている世界あり)は引きつった様な、色っぽい声でブツブツとつぶやいていた。そして神と名乗った火の玉は知っていた。彼が俗に言う神童と呼ばれる程の才能を持ち、たゆまぬ努力をしてきた事を。だがしかし、知らなかった。転生した彼、いや彼女は『ぐうたら生きる為に美少女の方が養ってもらえる確率高そう』というとても自堕落な性格の持ち主であることを。彼女が前世でいろいろなことができたのは養ってもらう為にたくさんのことを身につけて魅力的になろうという打算であったことを。


更新は不定期となります。

次話も読んでいただけると幸いです。

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