1 俺がハーレムでウェーイなわけねえ
「そこの貴方、37日後に死にますよ?」
俺はトウセイ・ミナニシ。惑星レギアスの一般市民だ。
目的なくフラフラと道を歩いていたら占い師の女に突如余命宣告された。
「ははは、占い師のねーさん。冗談きついっすよ~」
「うふふ。私はウラナイナ星から来たウラナイナ星人よ~?」
ウラナイナ星――――占い師ばかりいる星だ。
占いの的中率は99パーセンティオンらしい。
レギアス星人の平均寿命は1000年。俺はまだ400才、あと600年も生きられるってのになんで死ぬんだよ!?
「俺はなんで死ぬ、病気か? 他星と衝突でか?」
「病気よ」
病気、今すぐ医者にいかないとな。
「……その病名はなんだ?」
「モテスギチャッテェコマルヨン病よ」
「……は?」
聞いたことねー病名〈ビョウキネィム〉だ。
「とにかく、医者にいっても無駄のムッダァヨーロレイッヒ。
腹をくくって余生を楽しんでチョンマァゲンゴローマルチメディア」
「そんな、嘘だろ……」
俺は部屋にこもる。
「やっほ、遊びに来てやったわよん」
「ヨウカ・ハギナス……」
幼馴染が窓からやってきた。
「あら、だれかしら」
ピンポンが鳴った。俺はすぐに出た。
「ひさしぶり~」
「レイカ・ファシアンさん?」
昔近所に住んでいたお姉さんだ。
「こんにちわ~なのだぁ」
「誰?」
見知らぬロリッ娘。まさかお姉さんの子じゃないよな?
「親戚の子をしばらく預かることになったんだけど、私仕事で帰りが遅くなるから、たまに様子見ててほしいの~」
「いいっすけど俺も学校あるんでずっとは無理なんだけどな……」
「たすかる~。あ、ちなみにこのこの名前はリュナちゃんよ」
お姉さんはリュナちゃんを連れて去った。
「じゃあたしもかえるわねー」
「ああ」
――――なにがモテスギチャッテコマルヨン病だ。
全然モテてねーよ。通常運転だよ。
――――
俺は魔法学校レギアースに通っているが、別にすごい魔法は使えない。
たんに学校がこの魔法学校しかないだけだ。
ちなみに学費は0コエマドゲルポ、つまりタダだ。
「今日は転校生がきましたよーアーハン?」
「ドゥーブル星のプリマジェール魔法学園から来ました。
リヤ・サイバラです。」
ミステリアスでかわいい子がきた。
「エーヘン。じゃー席はトウセイ・ミナニシくんの隣でございますー」
「よろしくな」
「ええ」
あー昼飯の後はだりー。
保健室〈イムシッツ〉いくか。
「あらどうしたのミナニシくん」
「ちょっとだるいんで、授業まで寝てていいっすか?」
「センセの膝で?」
「いや、そのベッドで……」
「……残念。先客がいる。どうしてもというなら。私とドゥキーンするか?」
クール系で男子人気のあるムュルィの誘いだが、保健のレレア先生もいるし……。
「いや、ありがたいけどいいや」
「じゃ、ボクが添い寝してあげよっか~?」
ボーイッシュなボクっ娘、クラスメイトのアミが腕を組んできた。
「いいって……」
いきなり3人からアプローチかけられたぜ。どうなってんだ……
「うふーんミナニシくーん」
「あ、ヴィサナス星の人気モデルのヴィヴィアン二世」
「おまちなさい。彼はわたくしが先に目をつけてましたのよ!」
「プルテノ星の超大金〈コエマドゲルポ〉持ちのセレブ、ディルーナ・ディーナ!?」
「あいやまたれぇ!彼の殿方は妾のものであるぞ!」
「グリテア星の姫リョクカ!?」
「あーんたたち、アタイのダーリンに近づくなんて5000年はえーのよ!」
「マージルクス星のアッゾマネス族の長ヤクシャニー!?」
「彼は博識ある私にこそふさわしいのです……」
「マキュス星の博士女史!?」
「なにを言うか貴様ら!この男はこの私にこそ相応しいのである!!」
「ウィラネス星の姫騎士アルマリデア?」
「うふふ。みなさん落ち着いてください」
「ジュプス星の貴族令嬢メティシアネ?」
「あははは~くらえ水てっぽー」
「ネプテュス星のマーメイドマュルミィ……」
「我は汝を許さんぞ!」
「グラヴィティ星のイッパンピープルのヴィルグアか」
「お前を殺す……」
「惑星サタナスの指名手配犯、賞金6000000コエマドゲルポの希代の女暗殺者ダルマリ」
「愛と言う名の毒にひたしてあげる……」
「ポイゼェン星の女帝オルシェクシス!?」
「お姉サンといい夢みない?」
「ドリムグル星のサッキュバッス!?」
「ぐー」
「スリープス星の筆頭居眠り隊長ネルネーナ!?」
「ハァイ。愛なんてイツワリ、まやかしはショウメツよ」
「ラブラクア星のポリスガール、ラブノン!?」
「さんさんギラギラ~」
「惑星サニュの司教アガメイヤ!?」
「私に逆らったら打ち首よ」
「ダークブルーム星の皇女プリジデンシア……!」
「きのきの~」
「フッハイ星のキノコ大使キノノア!?」
「私たちも」「仲間にいれてー」
「テラネス星のレーナにアテラス星のルデラまで」
「がおー」
「ジュラス星のプリンセス、ジュラコ!?」
「わたしたちも」
「いるわよ」
「えへっ」
「フィエール星の武器商人兼軍団長モーエ、アクアルド星のアイドルナース・ナオルン、マージン星のメカニックガール・スチパ……」
「あっあの……」
「ガイウス星の生き残り漂流者のシエさん」
「ユーコ、なんか面白いことになってるじゃない……別に私には関係ないけどね!」
「レルダさんも、彼が気になるの?」
「はわわ……なんだかすごいねキーナちゃん」
「はっ。アプニィったら、彼をおとしても、おコエマドゲルポにはならないわよ」
「ドゥーブルフロマージェ星の魔女ミルノミィヤ!?」
「私も彼を奪う争いに参加したいのですが、よろしいかしら」
「ノングエイン星の大女王グニーナ様!?」
いったいなにがどうな―――――ふと頭をよぎる。
これが“モテスギチャッテコマルヨン病”か?
つまり俺は、このこたちにモテスギチャッテコマルヨン病なのか!?
死にたくねえ!!どうすりゃいいんだああああ。