白秋
その時が来れば、すべては終わる。
どんなに喜んでも、どんなに悲しんでも。
どんなに憎んでも、どんなに愛しても。
青春が終われば、私は彼方の地に落ちる。
人生が潰えれば、全ては微か水泡に帰す。
その時が来れば、すべては終わる。
残暑を掻き消す涼風を浴びた。
遠くから響く祭囃子を聞いていた。
山々を飾る紅葉に、心を奪われた。
――けれど、そんな歴史もいつか消えて失くなるのだ。
いくつもの年月が過ぎて、目の前のことで頭の中がいっぱいになって、
いつしか稚い記憶は色濃い霞にかかって見えなくなってしまう。
私はもう、大人になる。
やがて何十度目かの秋が訪れて、私は終わってしまう。
そうなったとき、この世界に私という記憶を遺すには、なにが必要なのだろう。
功績か? 人望か? 栄華か?
故郷の景色が変わって、この国の色が変わって、この星が滅んでしまって、
そうなったときに、私が確かに人生の細い糸を手繰ったのだと世界に刻むのは、いったい何なんだろう。
その時が来れば、
それまでに私が得た知識も、体術も、記憶も、友人も、経験も、
恐怖も、躊躇いも、怒りも、遣る瀬無さも、痛みも、恋慕も、
すべては終わる。
これで、とりあえず次話投稿できる話のストックは終わりです。
現在サークルのほうに提出するために書き進めているほかの物語も、でき次第こちらで投稿させていただこうと思っています。
またしばらく期間が開いてしまうと思いますが、何度も言うとおり、どうぞ気長にお待ちください。
現在話が途中でストップしてしまっているHLuKiや綿天、そして「名もない主人公」たちがどうなるかも、できるだけ早くお伝えしようと思っています。
最後に、心待ちにしてくださっている稀有な皆様に、限りない感謝を。
それではまたいつの日にか。




