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長らくお待たせしました。

アヴェルとルディアがもう少しで会えるまであと少し・・・・・と思いたい。

よお。おれおれ・・・・てか誰だって!?ふざけるなよ!?この前旅に出たアヴェルだ。お前俺が話しかけてんのに知らんぷりとはいい度胸だな?・・・・・なぁ、聞いてくれよ・・・てか誰に話してんだろうな・・・・言ってて空しくなったわ・・・・道なき道を歩いてやっと舗装されてんのか?ってところにでた。身なりだと?


俺は今まで箱入りならぬ檻入りだったんだぞ!?まともに歩けると思ってんのか!?答えは否だ。ちょっと歩けば雨が降っていたのか泥濘に足を取られるしもともとおざなりな服が泥まみれ・・・顔から泥濘に突っ込むし・・・・ッぺっぺ・・・口にはいった・・・・だが、救いなのは腹が空かないことだな・・・・この成りでは食事にも事欠くしな・・・


俺・・・・なんでここに居るんだっけ?・・・・・あぁ、そうか・・・【カーノルド】を目指してたんだったな・・・・そして、俺は火竜を導く紫炎竜だとつい最近知った。うん、知った。火竜王だ・・・・・でも、この前俺の居た里は、滅んだがな・・・・・



雨上がりの空気は落ち着くな・・・・現実逃避をしたい。



バッサッバッサ


鳥か・・・・鳥は良いなぁ~空を飛んでひとっ飛びだもんな・・・・・・あぁ、俺も翼あったな・・・使えないけどな・・・・


とにかく疲労感が半端なかったから、座ろう。それにしても道の左右に溝が永遠と続いているあれはなんだ?初めて見たぞ・・・


俺は興味津々に這いながら溝を見る。ところどころ固まっているな・・・・おっ!これはなんだ?何かが埋まってるぞ?ふむ?これは・・・・人間が使う硬貨と言うやつか?いくらの価値があるんだろうな?・・・・・うん。分からん。こんな汚い硬貨が何と交換されるんだろうか?


今更汚れなんて気にならないしなしな、この頭に収まる感じのいい塊の土を見つけたし空を見ながら寝るとしよう。俺は今休息を欲しているのだ。


グ~~~スピーーーー









      ****


「隊長~~そんな急いで帰らなくてもいいじゃないですか~~」


「貴様はまた・・・・少しは黙ってろ」


「結果は同じなんですし・・・」


「今、我らが隊は人手不足で忙しい。一日でも早く遠征から帰らねばいかん」


「第一部隊がもう帰ってるはずですから俺達が遅れても支障はないと思うんですけどね」


馬を走らせながら呑気に答える部下にイラっとしながら前を走っていると遥か先に障害物らしきものを確認した。俺は避けて通るつもりで速度を保ちながら通り過ぎようと思っていた。


ヒヒーーーッン


普段は臆することのない俺の愛馬だけではなく部下の馬も大きく嘶き急停止する。部下は飛び越える気だったのか大きくバランスを崩し落馬し尻餅を盛大についていた。視界の端で蠢いているのは気にせずに俺は何にハディ(愛馬)が怯えてるのかが分からなかった。


「うぉぉぉぉぉぉ・・・・・・いっ・・・てーーーー」


部下は尻を摩りながら涙目で騒いでいた。その間にも馬を慰めることを怠らないとは根性なしではないなと思った。まぁ、根性がなければ勤まらないからな・・・・


だが、なんでハディまで怯えたんだろうか?


俺は不思議に思いながらハディが怯えている酷く汚れているもの?に恐る恐る近づいた。


服はひどく汚れ、ところどころほつれや破けが目立ち、髪の色も判別がつかないほど泥まみれ、頬も泥をかぶったかのように汚い。子供だった。道路の真ん中で規則正しい寝息を掻きながら気持ちよさそうに寝ていた。良く見るとこの子供の両足には長年足枷がついていたんだろう跡が目立たぬがよく見ると確認できる。奴隷にされていて逃げた口だろうか?俺達の国では奴隷制度は廃止しているはずだ。秘密裏に我が国に連れてこられたのかもしれない。こんな小さい子供を放置できんな・・・・よし!決めた。


「た・・・い長・・・なんですか?・・・・って、子供じゃないですか!?なんで道のど真ん中で寝てるんだ?てか、きったない子供ですね・・・・」


俺は無言で拳骨を振り下ろしたのは言うまでもなかった。


「・・・・あーーーおい、坊主・・・起きろ」


俺は徐に近づき頬を軽く叩く。


「ん・・・」


子供は眉を顰めながらもご丁寧に寝返りを打った。


「起きろって・・・ここで寝てはいかんぞ。ほら」


両脇を抱え目線の高さまで上げると部下が近づいて来て頬を突く。


「ひゃ~~ちっさいですね?幾つぐらいでしょうか?お~~~い起きろ~~~隊長はおっかないからすぐに目を覚ました方がいいぞ~~~」


なおも起きない子供。ハルス後で覚えとけよ?俺は根に持つタイプだ。


「ほ~~ら・・・隊長の顔が不機嫌になって来たぞ?起きろ~~~」


俺が不機嫌と言うならそれはお前のせいだ!!ド突くぞ・・・・


『ん・・・・・ここ何処 』


「喋った!!」


『お前らは、だれだ!? 』


「あ~~~隊長?訛りが酷くて聞き取れません。」


あぁ、俺も同意見だ。


「坊主、俺の言っている言葉分かるか?」


『坊主って言うな!!・・・・分かってるに決まってる』


子供は大きく叫ぶとじたばたしながら暴れる。落としそうになった。危なかった。降りるんだな?ほら、降ろしたぞ・・・・・


「分かってるみたいですね?」



「う~~む、俺の名前はリントっていう。でこいつがハルスだ。お前の名は?」


俺は子供と目線を合わせながら聞くと子供は大きくビクつきまじまじと俺達を見る。


『リントとハルスって言うのか?俺は・・・・アヴェだ』


その子供は俺達を一人一人指さしながら最後に自分を挿しながらアヴェと答えた。訛りが酷いだけで意思疎通は出来るみたいだ。


「お前俺達と着いてくるか?」


『俺も?別に構わないが・・・・』


アヴェと名乗った子供は小首を傾げながら呟いていた。


「今から帝国・・・って言っても分からねぇな・・・・・どこがわかりやすいか・・・・あぁ~~カーノルドって分かるか?お前みたいな子供でも知ってるはずだ・・・・・っておぉ・・・」


子供はすごい勢いで俺の服を掴み必死の形相で何か言う。鍛えてるはずの俺の体はガックッガクと揺らす。後ろでありえねぇ~~っと呟く声が聞こえたが、俺も驚いた。子供のくせになんて力だ。獣人の子供か?それなら納得がいく・・・・


『カーノルド?カーノルドって言ったよな!?連れてってくれるのか?行く!!俺を連れてってくれ!!頼む!!』


何を言ってるか分からんが必死に訴える言葉・・・かろうじて【カーノルド】という単語が聞こえたから知ってるんだと判断した。


「なら決まりだな。ほら、俺の馬に乗れ。お前は小さいから手綱を握れないからな俺の前に座らせてやるから・・・・っておぉ!!」


俺はアヴェの脇を持ち上げ愛馬に近づき背に乗せようとするとハディは大きく嘶き暴れだした。危なかったからアヴェを庇う。


「どっどうした!?ハディ?子供だ。怖くないぞ?」


ハディはなおも落ち着かず俺が近づくとその分距離をとる。不思議に思ってアヴェを下ろし近づくと鼻息荒く俺に擦り寄るがアヴェの方を凝視したままだった。微かに震えてるのは気のせいじゃないだろう・・・・


「仕方ないハルス?」


「無理です」


「まだ何も言ってないんだが・・・・」


部下は勢い良行く腕でバツを作り即答した。


「俺も試しにやろうと思ったら逃げられました。そして今捕まえてきたところです」


いないと思っていたら馬を探しに行っていたんだな・・・・後お前腹部に馬の足跡っぽい汚れが付いてるぞ?隠してるつもりなのかただの痩せ我慢なのか・・・・・やはり痛さには叶わなかったみたいだな腹部を摩りながら苦痛の表情を作っていたしな。


「じゃぁ・・・どうするか・・・・・馬で走ったほうが断然早いんだが・・・・・肝心の馬がな・・・・坊主歩けるか?」


俺はアヴェに手を差し伸べるとキョトンとした顔をし俺を見上げる。一向に手を伸ばさないアヴェにしびれを切らし手を掴むと肩をビクつかせながら俺の手を見ていた。


『人というのは暖かいものなんだな・・・・・俺達と変わらないんだ』


アヴェは柔らかい表情を作りながら呟いていた。うん、分からん。何を言ってるのか分からん。


「ハルス俺の愛馬の手綱をよろしくな」


「・・・・・・隊長が子供の手を握る姿誘拐犯にしか見えませんが・・・・・・・っ何でもないです!!りょ、了解であります」


俺が睨むと直立不動で敬礼をして答えた。


『すまない・・・・急ぎだったんだろ?』


アヴェは少し困り顔をしながらハルスの方を指さした。


「ハルスは気にするな・・・・・坊主が気にすることじゃない・・・なぁにあと一日歩けば余裕で着くさ」


俺はアヴェの頭を撫でながら答えた。泣き笑いに似た表情で俺を見上げ強く俺の手を握り返した。アヴェの言葉は聞いたことがあったから帝国についたら奴に見せようと心に決めながら歩き出した。

 



    ***


なんか道で寝てたら親切な人間がカーノルドの場所の近くまで連れてってくれるみたいだ。ありがたいな・・・・里・・・檻の中暮らしが長かったから正直助かった。

あぁ~~良かった。これで安心だ。結構森の中を彷徨っていたんだな・・・


おっと、今日はここで休むのか?まだ夕暮れには時間があるはずだが・・・・


「子供には無理は禁物だからな」


リントは苦笑いをしながら俺の頭を撫でた。おい、人間頭を触るのは別に構わないが・・・・俺は知ってるぞ・・・その手汚いってことをな―――――!!!・・・俺も言えたもんじゃないけどな・・・


「でも、不思議ですね・・・野生の妖獣と一度も出会わないとは正直ついてますね」


ハルスは馬を木に繋げ頭を掻きながら近づいてきた。そーだな・・・・もしかしなくてもそれ俺のせい?うん、俺のせいだな。別に・・・虚しくはないぞ?うん・・うん。


『ハルスそれなに?』


「ん?あぁ、これですか?これは移動式簡易風呂敷と言って亜空間から物の出し入れが出来るっていう優れものなんです。高かったんですよ」


俺が指を指しながら風呂敷を指すと風呂敷から食材を取り出しながら答えた。


「ん~~やっぱり聞いたことある言語だな?ハルス分かるか?」


「訛りが酷すぎることは理解できますが、完全にわからないって訳じゃないのでもしかしたら北部の方言かもしれませんね」


「北部って言うと・・・・・あぁ、確かに北部出身の奴らが喋っていたな確か・・・・」


俺の言葉は訛りの酷い風に聞こえるのか・・・・正直ショックだ。ハルスやリントの言葉は理解できているのにこのもどかしさ・・・・


食事の準備が出来たみたいで俺に熱々のスープを手渡した。里で食べていた物とは比べるのはどうかと思ったが人間の食事も悪くなかったとだけ答えとく。








最後まで読んで下さり誠に有難うございます


感謝感激雨霰でございます。

これからもよろしくお願いします。

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