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やっと更新させていただきました。

長かったな・・・創作意欲がわかなくて困ってましたが久しぶりの連休に執筆してみたくなり投稿させていただきました。

そして、面白くないと思ったらUターンをお勧めします。

「・・・・っん」


肌寒さで俺は目が覚めた。辺りは何もなく、瓦礫の山がそこかしこにあった。


朝焼けの光が目に染みるな・・・・それにここはどこだ?俺は洞窟で確か寝て・・・・


「っは!!思い出した」


確か俺は貼り付けにされててそれで・・・・母の玉は!?


そう思い俺は辺りを見渡した。少し離れたところで紅く光る玉を見つけた。


何かに取りつかれたように駆けた。半分埋まった玉を俺は恐る恐る手に取った。


「母さん・・・・間違いない。俺の母の玉だ」


その玉は冷たさはなくほんのり暖かかった。俺は母親の温もりは知らんがこの玉のように暖かかったんだろうか・・・


玉に思いを寄せながら朝焼けの光に翳す。暫く玉を見つめていたがはたと気づいた。


俺を襲った男は何処に行った?俺が聞いた獣に食われたんだろうか・・・・俺もその獣に食われるんだろうか・・・初めて聞く獰猛な声だったな。この近くにまだ居るんだろうか


・・・―――――ッガサガサガサ


そう思っていると茂みをかき分ける音がした。


俺は視線を音のした方に向ける。あの獣が戻ってきたんだろうか、箱入りならぬ檻入りだ・・・まともに戦えないがやってみるしかないな・・・


玉をポケットの中に大事そうに入れると同時に大きな狒狒が顔を覗かせた。何故かその手には一輪の花を握っていた。


「・・・・・お主・・・・・火竜か?いや違うな・・・紫炎竜だな」


狒狒が顎を摩りながら嗄れ声で喋る。


「なんだ・・・その、紫炎竜って?・・・・俺は火竜だぞ?」


俺は分からずいつでも逃げれる姿勢のまま答えた。


「ふむ、火竜の里の者は何も喋ってなかったんじゃな・・・・悪いことを言ってしまったの~~」


狒狒は考えるそぶりを見せ天を仰いだ。だから紫炎竜ってなんだよ?


「だから紫炎竜って何だ?」


「まぁ、いいか。紫炎竜とは文字通りお主のことじゃ」


狒狒が俺を指しながら言う。


「紫炎竜?」


「そうじゃ、火竜の中で最強の火力を誇る火竜の王じゃ」


「王?この里には王は居ないぞ?族長なら居たはずだが・・・」


「この世界に住む火竜の長はお主じゃぞ?」


「意味わからん」


「・・・・・・それにしてもこれは、どういうことじゃ?・・・・火竜の里が瓦礫とかしておる」


狒狒は顎を摩りながら辺りを見渡した。


「さぁ?俺も気づいたらここで寝てたな」


「ふむ、この気配はお主の力じゃな・・・」


「俺の?」


この狒狒は何を言っているんだ?


「何じゃ、無自覚だったのか・・・・無理もない精神が器に収まりきれてないからの~~・・・・よかろう、儂の知っておることを教えてやろうぞ・・・」


「お前が知っていて俺が知らないこと?」


俺は小首を傾げながら狒狒を見た。


「あぁ、お主が紫炎竜と言うことは間違いない。それに精神がまだその器に収まり切れてないから本能に飲まれてしまうんじゃ・・・最近息苦しさを感じたことはなかったかの?」


「・・・・そういえば、ここ最近息苦しさが頻繁に起きてきていたな・・・・」


「ちなみに聞くがお主は今までどこに住んでいた?」


「俺か?俺は、暗い檻付の足枷のついた土肌のむき出しの洞窟?にいたな」


俺が何時からいたのか記憶にないが今までいたところを答える。てか、歳幾つだっけ・・・・


「洞窟とな・・・・・お主生まれて幾つになる?」


「さぁ?分からん」


俺は肩を竦めた。


「紫炎竜は、竜族の・・・それも火竜の中で一番成長が遅いと聞く・・・・その姿と年齢は一致せぬだろう」


狒狒はまたも俺を指す。悪かったなどうせお前と比べたら遥かに低いからな・・・・


「・・・言っておくが儂は、デカくないぞ?一般的な狒狒のサイズじゃ。低いのはお主・・・・・人間の子で例えるなら5~6歳・・・下手したら4~5歳くらいに見えるのぉ~」


「はぁ!?俺、そんなに低いのか!?」


そういえば、俺を襲った男もすごくデカかった気がしないでもない・・・・・デカく感じたのは、俺が小さいからか・・・・・


「低いの~~・・・紫炎竜は殆どが大きすぎる力に飲み込まれ本能のままに破壊を繰り返してしまう・・・じゃから、お主を魔封じの洞窟にお主を、お主の精神を守るために泣く泣く親元から離されたんじゃろうな」


「そんなの分かるもんか!!俺は昨日初めて里の・・・母親の顔を見たんだ!!」


「いや、分かるぞ。儂は定期的に火竜の里に来ていたからの・・・・そこでお主の・・・紫炎竜の話を皆が、嬉しそうに幸せそうに儂に教えてくれた」


「・・・・っそんなの嘘だ」


俺はギルって奴から聞いた。俺は忌み子だと・・・・母親の腹を文字通り裂いて産まれた悪しき竜だと、別の奴が不幸のコウノトリが運んできたんだともでも、コウノトリはないな。うん。


「なぜそう言える?」


「聞いたからだ」


「それが偽りとは疑わないのか?」


「俺は洞窟から出られなかった。何も知らない俺は奴らの・・・里の言葉は嘘とは思えない」


「やはり、お主は紫炎竜じゃな・・・火竜の言葉は何があっても疑うことをせなんだか・・・・無条件の同族愛」


「何とでも言うがいい。俺は顔も知らない里の者達だが、お前の話よりも信じられる」


「口で言っても理解はせなんだか・・・・よかろうお主にこれをやろうぞ」


そういい狒狒は持っていた一輪の花を俺に渡す。


「これが何だというんだ?」


狒狒は、大きな顔を近づけ俺の手に握られてる花を徐に指さした。


「これは【火竜草】といって、文字通り火竜しか扱えん花じゃ」


「【火竜草】?ならなんで、お前がこの花を持ってたんだ?」


「それは、この里にある魔石を使って見てみるつもりでここに来たからじゃな」


「何を見るんだ?」


目を見開きながらゆっくりと口を開く。


「花の記憶じゃよ」


「花の記憶?」


「そうじゃ、ちょうどよいからお主がやってみてくれんか?」


「何を?」


「そうか、お主は何も知らんかったの~~~。息をゆっくりとその花に向けて吹きかけてみるといいぞ」


狒狒は【火竜草】をまたも指さしながら答える。


「息を・・・・・よし。フーーーーッ」


俺は力一杯息を吹きかけた。


「そんなに力まんでもよかったんじゃがの・・・・そらよく見てみるとよいぞ」


その花は吹き終わると同時に淡く光り始め辺りを包んだ。あまりの眩しさに俺は目を瞑った。暫くし目を開けるとそこには半透明色の里の景色が広がっていた。


「な、なんだこれは?」


「これが、この花の見た景色。お主の思いにその記憶を見せてくれている・・・・数ある魔草の中で火竜を愛した唯一の花。諸説あるが一番しっくりするのは記憶草といえばいいのかの?火竜だけが見ることができる記憶じゃ。他の者達には唯の花じゃな」


「こっこれが?」


「しっ、今は黙ってみるが一番じゃてな」


狒狒は人差し指で自らの口に手を当て俺に黙るように促した。




遠くからものすごい勢いで駆けてくる青年がいた。俺と狒狒を通り抜け俺のすぐ後ろで立ち止まった。俺も慌てて距離を取り振り返ると同時に声がした。


『産まれたんだって!!?』


『えぇ!!元気な・・・・と言っても元気すぎる男の子だったわ!!』


その答えに明るい声で女性が額の汗を拭うかのように額に手をやる。


『それはまた・・・・詳しいことを聞かせてくれるか?』


『すっごかったのよ!!』


『マディムの腹を掻っ捌いて乳飲み子が出てきたんだぜ!?』


『それも、他愛のない話をしてる途中にね』


『あぁ~もう!!言わないでよ!!私が言いたかったのに!!ばか~~!!』


『それも双子』


次々と何処からともなく現れる人物達全員火竜族だった。髪の色が焔を思わせる色に黒に近い赤い瞳を持っていた。


『一人は未熟だったな』


『無理もないわ』


『人型を取れないくらい衰弱してたもの』


『っで、どっどうなったんだ?』


青年は顔を青ざめさせながら続きを促す


『それは・・・・勿論!!』


『生きているぜ』


『あぁ!!ククス爺まで』


『いいじゃないか、里の皆が子が生まれるのをどれだけ楽しみにしていたことか』


『そんなの分かってるわ・・・・・でも最後のあれだけは言わせてね』


『異論はないな』


『ケヴュン、その双子の一人はなんと!!』


『『紫炎竜だったんだ(のよ)!!』』


火竜達皆がハモリながらケヴュンに詰め寄った。


『火竜の里のハデス村に火竜王が生まれたの』


『えぇ!!!!!そっそれは本当かい?』


『えぇ』


『本当さ』


『本当にめでたい事さね』


『嬉しいことだね』


『マディムは災難だったけどね』


『一人の竜から双子が生まれるだけでもめでたいのにその一人は紫炎竜』


『火竜を導き』


『破壊と創造の覇王』


『これからハデス村は子育てに忙しくなるぞ!!』


『楽しみね』


『楽しみだな』


『その前にマディムに見舞いに行かないとな』


『今頃拗ねてる頃かもな』


『ちげぇねぇ』


そういい半透明の人々は霧に消えていった。それと同時に俺の持ってる花は輝きを失い枯れ散っていった。


「これが嘘に見えるか?」


俺は無言で首を振る


なんだこれ・・・・これじゃ、まるで・・・・まるで俺は望まれて生まれてきたみたいじゃないかなんだこの暖かさは母の玉の暖かさと同じだ・・・・


「この花は魔草でな、枯れることは滅多にないじゃが、記憶を見せた後は枯れるんじゃ・・・・・もっとみたいならこの里にそこらかしこにあるはずじゃ探してみてみるがよいの~」


俺は狒狒の言葉を聞き一目散に駆けた。



やっと見つけた【火竜草】に息を吹きかけた。眩い光を放ち記憶を開いた。



『ねぇ、ぼくのにいさまはいつおしゃべりができるの?』


今度は小さな半透明の暁色の髪に黒に近い赤い瞳をした男の子が揺り籠で眠る乳飲み子を覗き込みながら喋っていた。


『サヴェル・・・それはねまだ無理なのよ?』


サヴェル・・・ギルが言っていた俺の弟か


『なんで?にいさまなんでしょ?なんで?ぼくがおしゃべりできてにいさまができないの?』


『アヴェルは特殊なの』


『とくしゅ?』


サヴェルは小首を傾げながら答える。


『えぇ、サヴェルの兄様は紫炎を司ってるのよ』


『しえん?』


『そうよ・・・・力が強すぎて成長が遅いのよ』


『そうなんだ』


『だから、アヴェルは小さすぎて自分のことで一杯一杯だからサヴェルが兄様を助けてあげてね』


『うん!!』


『うぅん・・・・うえぇ~~ん』


『あらあら、アヴェルが目を覚ましてしまったわね』


『ぼくがにいさまをだっこする』


そういいサヴェルは危なげな手つきで俺を抱く。サヴェルが抱いたと同時に火のついたように泣き出した。


『なかないでにいさま。ぼくだよ?サヴェルだよ・・・・・うっぅぐ・・・かあさま~~~』


半泣き気味で母親を呼ぶサヴェルにあらあらと答え編み物の手を休め立ち上がりサヴェルの方へ向かう途中で視界は霧のように消えた。地に生えていた【火竜草】は枯れ散った。





























最後まで読んでくださりありがとうございます。

アヴェルの方の話はだいぶ続く予定です。

今後も亀更新で行くことを了承してほしいです。

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