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拾肆

お久しぶりです。ルディアです。なんかすっごい久しぶりの気がしますけど気のせいだと思います。


さて、右手に繋ぎますは先ほど私が尻にし・・・私が誤って下敷きにした男の子です。ぶっちゃけ名前分かりません。

私の言葉通じないし、男の子の言葉も私分からないので正直お手上げです。目下の悩みは意思の疎通どうしようですね。


あぁ、思い出しました。いつまでもこの森の中で手を繋ぐことは動きを阻害されてしまうので私は古くから伝わる我が一族の秘密兵器をさずけようでわあーりませんか!


見よ!!これに見えるは我が一族の家宝です。ボクもきっと喜んでくれるはず!!現に私達はこれを見ると喜んで拝んでいました。

さぁ、さぁさぁ!!どうです?・・・・・・・なんか、反応が期待していたのと違いますね?


フリフリ


フリフリ


何ということでしょう!?このありがたさがわからない子供がいたとは!!私初めて見ました。


・・・・・なんか何処となく冷めた目で見られて私間違ったことしてないのに肩身が狭い気がしてなりません。


「ボク?これ、分かるかな?これとっても大事なものなの、もっと喜んでくれないかしら?」


『すまない、何を言っているのかよくわからない・・・・あと・・・・それ、何の変哲もない縄だよね?それが、どうしたの?』


私が小首を傾げると僕も傾げるのは正直とても可愛かった。まる!!・・・・・じゃない!!私は意を決して男の子の腹部辺りに結びもう反対の先を私の腹部に結びます。


『何で貴女も結ぶんだ?』


「これでいいのです!!あぁ、外してはだめですよ!!とーっても大事なんですからね!!子供は特に外してはダメ!!絶対!!」


『なんで、そんなに必死なんだろう?別に俺と手を離したかったならそういえばいいのに・・・・ちょっ!!苦しい!!苦しいから!!!!これ以上締めるのは止めて!!分かった!分かったから!!もう離しません!!』


びっくりしました。いきなり私の結んだ縄を外そうとするから慌てましたよ・・・・でも、物わかりのいい子供ですね。あれ?心なしか疲れているように感じますが・・・・あぁ、私が下に敷いてしまったからですね?


私は労いの意を込め頭をなでなでさせて頂きました。


『俺は貴女よりも、遥かに年上なのに・・・・』


何故か泣き出しそうな表情になってますけど心なしか笑顔ですね?まぁ、良しとしましょう。


「ボクとお話しできないのは何かと不便でなりませんね?」


何かいい案はないでしょうか?・・・・・・・・・はっ!!失念してました。私まだ名乗ってなかったですよね?


「私の名前はルディアよ?」


『何だって?』


男の子は小首を傾げます。うぅむ、一度では理解できませんか?


「ルディア」


今度は自分を指しながら言います。


『!!るでぃあ?』


おぉ!!通じました!!そうです!私の名前ですよ?


「ルディア」


『ルディア』


心なしか頬を染めつつ私の名を呼んでる様は悶絶ものですね!!



「ボク、名前は?」


今度は男の子を指しながら・・・・人を指してはいけませんと言われたけど、仕方ないよね!!


『俺の名?』


そうそう


私は自分を指しながら小首を傾げる男の子に対し頷いて返すと辺りをそわそわしつつ恥ずかしそうにもごもごと喋りだしました。


『俺の名前・・・・・は・・・・アヴェル』


んん?小さくてよく聞こえませんでした。もう一度喋ってほしいです。ワンモワプリーズ?


『アヴェル』


「あ・・・ヴェル?」


『アヴェル!!!』


そ、そんなに怒らなくてもいいじゃないですか・・・


「アヴェル?でいいのかしら?」


『うん!!ルディアあってる』


きゃー!!私に天使が抱き着いてきましたのよ?どう?どう?羨ましいでしょう?そうでしょうそうでしょう・・・・・・・・すみません。余りの嬉しさに我を忘れそうになりました。

え?もう忘れていたって?そんなのどうでもいいんですよ!!はー・・・クンカクンカ・・・・お日様の香りがしますね~至福至福


「アヴェル、こうしちゃいられないわ!!日が暮れる前に寝床と食料を調達しましょう」


『ルディア?』



名残惜しいですけど立ち上がります。ついてきてもらうために軽く縄を引っ張り合図します。うん、やっぱり会話したいですね。






暫く黙々と歩いていると上空に今日のご飯が飛んでました。私はアヴェルに手で止まるように合図します。振り返ると神妙な面持ちで辺りを警戒するアヴェル。


アヴェル?いい?じっとしているのよ?と人差し指で合図すると頬を染め頷いたので私は頷きます。肩に下げていたさっき作った即席の弓を構え狙いを定めます。


『(なんて凛々しい横顔何だろう・・・・静寂の世界に凛と張り詰める表情が惚れ惚れするなぁ~~)』


とアヴェルは頬を染め番に見惚れていたのをルディアは知らない。知るとしても後の話。




ご飯を手に入れました。

そして迷子です。

え?誰がって?そんなの私・・・・アヴェルに決まってるじゃないですか!!


・・・・・・はい、嘘です。私が取り逃がした獲物を一目散に追いかけ、仕留めて振り返るとあら不思議縄が私の結び目から先が見当たりません。


何ということでしょう・・・・・小さな小さなまだ子供のアヴェルを獲物に目が暮れてしまったばかりに逸れてしまいました。あぁ、どうしましょう。

縄があるからと安心していました。言い訳させていただきますと我が一族は子供でも親が突然走り出したら死に物狂いで親を追いかけます。迷子になると分かっているからですね。

分かります。現に私も親とを繋ぐ縄が限界ギリギリまで引っ張られつつも幼い時は必死に縋り付いていました。懐かしい思い出です。なので足には自信があります。





どうしましょう。

だいぶ日が傾いてきました。アヴェルは無事でしょうか?ごめんなさい不甲斐ない私で・・・・・





ん・・・んん・・・あ、寝てました。こんな獣に見つかったらただでは済まないところで居眠りとは緊張感が欠けてました。はて、何に起こされたのでしょう?

辺りはもう真っ暗でした。あら~~~どうしましょう・・・それに私の肩を揺すっていたのは何でしょう?


はれ?何か暖かいものがしがみ付いてきました。


「ひゃ!!びっくりしました!!」


心臓が飛び出るかと思いましたよ!!ん?この匂いは・・・・・・


「アヴェル!?」


『よかった~~~ルディア!!』


何ということでしょう。逸れてしまっていたアヴェルと今生の別れかと悲しんでいたらまさかの再開が叶いました!!こんなに短い期間で再開とは私の涙腺を破壊するきですか?


「ぐずっ!!ごめんなさい・・・・私がちゃんと気にかけていたら逸れることもなかったのに!!」


『探したんだよ?ルディア・・・・・この縄、逃亡防止かと思っていたら迷子防止だったんだね・・・・知らなかったよ・・・』


な、何故か呆れられた気配がすごくします!!なぜでしょう!?


最後まで読んでくださりありがとうございます。


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