白い悪魔の憂鬱 弐
ルーの回想です。
私は泣く子は笑い、悪徳貴族、商人を泣かせる【白い悪魔】ルー・ラ・ブランク・ディアブルだ。
元懸賞金10億を超える超大物首で、是れは史上最大の懸賞金額では無いだろうか?
今はルーテシア・フォン・コリンズという名で通っているが、変わらず名前はルーと呼ばれる。
昔はロマリアに住んでて、とある止事無い身分で教会でも上から数えたほうが早い・・・というより象徴みたいな扱いを受け、何不自由無い生活を送っていたが実の兄との別離、腐敗貴族や生臭坊主達に辟易して逃げ出してやった。
当時は捜索手当という名目で私に懸賞金がついていたが、追っ手を返り討ちにしたり、悪徳貴族、商人を正義の鉄槌でぶちのめし続けていく内に懸賞金が鰻のぼりに上がった。
まぁ私に勝てる奴なんて義妹か魔王、実の兄位だろう ああ勇者と聖女は相性上、私には勝てない。
私の切り札たる短剣は、聖剣や魔剣など、武器に頼る英雄もどきに遅れを取る代物ではないからだ。
そんな私もガリアを拠点にし、有能な人材や無実の罪を着せられた不遇の者達をまとめあげ、悪魔の巣なる非公認ギルドを結成し、日夜巨悪から小悪党を叩き伏せることで人材を鍛え上げ、財源を孤児院に寄付する一方、仲間の装備を整え、黄泉の入口に天に帰すことも叶わない兄を開放する為、日夜励んでいたのだが数ヶ月前戦わずして悪魔の巣は解散&吸収合併され、兄も開放されていた。
そう、私に対抗できる魔王と義妹が纏めてやってきたのだ・・・・・・魔王は実は一年前に会っていたのだが以前とあの時はフードを被って顔がよく見えなかったし、実力もレベル1と新米もいいとこで、【魔改造】なんて固有スキルを持っている金の卵・・・という認識だったのだが・・・・・・一年程で以前より力をつけて魔王?へと成長を果たし、私の兄を解放し義妹まで連れてきたのだ。
・・・・・・私の頑張りは?
部下(仲間)の名誉の回復と就職先を用意してくれたことには感謝もしてるし、私を宰相に~なんて勧められたが、権力には責任が伴うからめんどくさい。
私の目的も叶い、いい事ずくめなのだが・・・・・・
それとは別に、この魔王! イヤ、今は正確には魔王では無いし、まだ見ぬ彼の息子が魔王になるかもしれんのだが・・・・・・
実は元夫だったりする。
といっても形だけだったし、会った事も数度ではあったのだが・・・・・・兎に角、夫だったのだ。
だったというのは実は私は夫と死別しており、私は未亡人という奴なのだ。
こんなに若く美しい美空で未亡人とは・・・・・・
死んだのにまた会えたとはどういうことだ?
と思うだろうが、間違っていない。 夫は一度死んだ上に、この世の輪廻転生の輪すらも弾かれたのにしぶとく生まれ変わって、この地に召喚されて戻ってくるという離れ業をやってのけたのだ。
私の年齢?
永遠の20歳とだけ答えておこう。
話を戻そう。我が夫はしぶとかった。
魔王らしいといえばらしいのだが・・・・・・
兎に角、そんなにも妻である私に会いたかったのかと再開の時は喜んだのだが・・・・・・先に述べた義妹とくっついていた・・・・・・
なんの当て付けだ?と思い、物腰の柔らかい仮面の表情でその場は対応したのだが・・・
私のことは綺麗さっぱり忘れたそうだ・・・・・・
お・の・れ
いや待て、前世の記憶を覚えているなんて希だし、私も初対面の時、気づけなかった落ち度もある。
だが、義妹が正妻の位置?にいるとはどういうことだ?
そんなモヤモヤした感情を抱きながらも、このまま告げる事は何か負けた気がして我慢ならない。
というわけで、自分はお前に興味も関心も無いというスタンスで奴の秘書、職場が教育期間に移れば非常勤講師、寮長として常に付きまとい、言動に突っ込みを入れたり、ブリタニアの出すジパング、ヤマト文化の物語や本の話題で談笑したり、魔法談義をしたり、チェスを打ったりと時間を共有もした。
夫も私の趣味を分かっているのか以前の戦闘スタイルを変えてNINJAスタイルに転職していた。
義妹も私との仲睦まじい関係に嫉妬をして悔しがっている。
フン! 正妻の座は私のものだ! 記憶がないからと好き勝手しおって・・・・・・今に取り返すからな。
そう息巻いている時代が私にもあった。
私の行動に危機感を感じたのか、義妹の行動が危険性を増して来た。
私の兄と同じ末路を与えようとしたのだ。
愛の深さ、独占欲、純愛、悲恋のトラウマが合わさり、恋敵が多数現れたことで追い詰められた結果故だろう・・・・・・。
急いで呼びつけ説教をする。
良くもまぁ私が近くにいる時にそんな事を起こそうと思ったな?
と義妹を正座させて叱りつけ、完膚なきまで精神をフルボッコにしてやり、夫の想いを聞かせてやると、ありったけのステルス装備を身につけさせ、進路指導室に放り込み、夫を呼びつけ、問い詰めたのだ。
「聞かなきゃよかった。」
夫は前世のことを調べ上げ、前世の自分を重ね合わされる事を嫌っていたのだ。
更に、義妹や私の心意も見抜いており、手痛い言葉を吐いて、その場を去った。
義妹が泣き伏すが、私だって泣きたい。
今晩は恋敵とかそんな事を忘れて飲み明かそう。
うう
回想をあと一話行って、死都開放作戦に入ります。




