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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
運命と因果の旗

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201/238

会合 弐

今年最後の更新です。

よいお年を!


二日連続投稿してますのでお気をつけ下さい。

 どうもこんばんは、渡辺アキラです。

 現在、私三人の美女と会食しております。

 

「サラサと申します、どうぞ気軽にサラとお呼び下さい。」


 俺の正面に座るのはサラサさん。

 年齢は妙齢で、雰囲気は柔らか、職業は羊飼いだそうです。

 日々、哀れな子羊たちを導く仕事です。

 いや~面倒見がいいお姉さん系ですね。

  

「タバサです。以後、宜しく。」 


 口数が少なそうですが、情の厚い騎士然としたかたがその隣の席に座ります。 

 彼女は黒と白を基調とした上着に、動きやすいショートパンツに腰巻を巻いています。

 サラサさんが文科系茶道部部長なら、タバサさんは剣道部か弓道部の主将といった感じですね。


「リィーネです。親しい人はリンと呼びます。」

 

 そして俺の隣には我等がギルドの癒し、受付嬢のリンさんです。

 向日葵の様な笑みを浮かべる彼女の笑顔に今日も命知らずの若者が貢ぐ事でしょう。

 学食の看板娘、クラスの癒し系女子ですね。


「俺もアキラでいいですよ、間違っても異名とかあだ名で呼ばないでね。」

 

 そして、俺の自己紹介である。

 自分の容姿の事は毎朝、鏡で見てるので省く。

 言うなら、整髪剤で髪型を整え、服装は黒スーツで決めてきた。

 そして付け加えるなら今回の会合で……

 この渡辺アキラに、精神的動揺から来るミスは無いと思って貰おうか。

 

 パッと見た感じ、男1女3の俺得の合コンか見合いだろう。

 

 惜しむらくは、この場にいる美女は全員が暗殺者、女スパイそれもそのトップだという事だろう。 

 元の世界でたとえるならKG○とC○Aのトップが密談していると言えば理解が早いだろう。


 敵国同士、それも俺に刺客を放ったロマリアの教会側

 その異端審問局と呼ばれる異能者、異端者、不死者の討伐部隊のトップ。


 ルーとセイラちゃんの古巣です。

 そんな方々と密室で密会&会食です。


 わ~楽しみ~。


「そちらが提示したようにこの場所は盗聴も透視も出来ない場です。」

「ええ、確かなようですね。」

「……この力は…」

 

 俺の思考を他所に話は進みますが、当然、召喚者側からの妨害の為に手は打っております。

 死都と同じく魔霧を街の上空に散布し、盗聴系とうのスキルでジャミングしております。

 加えて、この飲み屋の一室です。


 なんと扉を開き、閉じた瞬間に内側に仕込んだ魔法陣が起動。

 酒場の個室を丸々【複製】し【黄泉の入り口】の一室と入れ替わる仕組みだ。

 

 現在、酒場にはダミーの部屋が、黄泉の入り口には酒場(オリジナル)の個室が入れ替わっている。

 俺がよく使う武器の複製と召喚の応用だな。

 

 しかも黄泉の入り口は闇の大精霊の霊気に満ちている。

 精霊の霊力と意思が洗脳、精神支配や契約の呪いを無効化・解除できるし、盗聴される心配も無い。


「向こうには影分身を配置してあるから、料理も召喚できるから」


 パチンと指を鳴らすと同時にポンっと机に料理と酒が召喚され、綺麗に配膳される。

 うん、昔みた魔法使いのドラマや映画の様な演出だ。 

 

 転移魔法という個人では扱いが難しい高等魔術だが、向こうも高レベルの実力者にして情報機関のトップ。

 解説せずとも察知してくれたようです。


 サラサが持つ固有スキル【精神感応】故か、はたまた場慣れしているかだな。

 護衛のタバサも別段、動揺していない。


 うん、ちょっとショックだ。

 マグドレア教会の子達は大興奮の演出だったのに。


「折角の料理ですし冷めない内にいただきましょう、お話はその後で」 


 そういって、彼女達のグラスに酒を注ぐ。

 先ずは飲まないと……といってもこのメンバーは酔わないだろうけどな。


 ◆◆◆◆◆


「では本日の会合を始める前に自己紹介の続きを始めましょうか」


 サラサがオードブルを食べ終えた後、手を上げて、話し出した。


「……略歴なら知っているが?」


 暗部の出だし、あまり話したくない事もあるだろう。

 セイラの件と勇者の件が今回の議題だろう。


「その事も含まれてますので……」

「………それじゃあお願いします。」


 サラサという少女は生まれつき、精霊や人の心の声を聞くことが出来た。

 固有スキル【精神感応】を持つ聖女。

 

 七英雄のマリアやヨッシーに匹敵する異能。


 その能力はあらゆる人、遺物、精霊、魔物の記憶や情報を瞬時に読み取れた。

 そして瞬時に学習し己の力へと変えて、自分の力を完全に掌握してしまう。


 そして僅か3歳で既に成熟した魔女の様な老獪さと膨大な知識、知恵を獲得したらしい。

 紆余曲折を経て、異端という教会の教えの外の知識を求めて異端審問局に入り、その力をフルに使いあらゆる権力闘争に打ち勝ち、局長の座を僅か七歳で獲得する。


 故に今代のロマリアの異端審問局の諜報能力は高い。

 

 

 残留思念や精霊の声を見聞きし、あらゆる念話も盗聴、介入し、心を読むことも出来る。

 いうなれば究極の嘘発見器にして史上最強の捜査官だ。

 

 異端審問なんて何時の世も理不尽の塊で実質処刑みたいだ。

 しかし彼女の言葉は全て真実である為、あらゆる為政者が恐怖する能力だ。

 殺そうにもあらゆる技能に精通し心を読む聖女には勝てない。

 勝つには数の暴力に頼るしかない。

 

 しかしそんな思惑も彼女の右腕の騎士によって阻まれる。

 

 人造聖女 タバサ

 

 嘗ての千年前の勇者一行の仲間の生き残りである女戦士

 勇者の盾となり、その背を守った聖女の能力を継承した盾の騎士。

 その魂の結晶である魔石に唯一適合した名も無き実験体だった少女。

 それが彼女だ。 


 当時、幾度の実験で壊れたタバサの心を救い、

 心を取り戻した恩人がサラサだそうだ。


 故にこの二人の絆は強い。


 サラサの敵となる者は彼女の固有スキル【絶対防御】の力で全て跳ね返してきたという。

 

 しかし彼女達はロマリアのトップに立っても支配は行なわなかった。


 全てを知り、全てを弾く事のできる彼女達は能力を私欲につかう者の末路が破滅であると悟っていたし権力闘争では過度には使わなかった。


 女神であり現人神のルーがロマリアを見限ったという事実がそう物語っていた。

 

 始めたのは異端審問局らしく粛清と改革。

 何時かルーが戻ってきてもいい様にとロマリアを裏から変革してきた。

 云わば良識派だそうだ。


 人材を揃え、十字教を本来の人が光の道へと進む為の教えに戻す。

 そう信じて……


「しかし勇者召喚と禁術の死者蘇生術が発見されてから事態は急変しました。」


 ……ちょっと待て!!

 勇者召喚!?


「転移事故ではなく此方の人間が勇者召喚を行なったのか!?」


 思わず、立ち上がる。

 初っ端から飛んでもない話題が出てきたぞ!! 


「は、はいゼンと呼ばれる大司教の手により勇者・シュウ山本は召喚されました。」


 

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