会合 壱
祝200話到達
祝お気に入り8000件!!
来年もよろしくお願いします。
一仕事を終え、俺は今夜はナミを連れずにリンと一緒に城下町のとある冒険者ギルドの酒場……その二階にある個室で俺達は並んで席に着いていた。
行っておくが浮気では無い。
断じて浮気では無い。
仕事の付き合いだ。
浮気とかなら向かい合って座っている。
これ大事な?
「うふふ、何だかナミさんやルーに悪いですね。」
「あの二人が一緒だと話が余計に拗れるから仕方ないからなぁ」
二人には勇者君の件で世話になったしクレアにも何か埋め合わせしないとな。
「でも、酔った勢いで私を押し倒してもいいんですよ?」
「いやいや、俺達が酔うとか無いでしょ。」
俺達の場合、酔った勢いでの間違いなど起こらない。
酔いつぶれて目が覚めたら異世界に来た経験を忘れないし。
それ以前にこの世界では酔っ払いは珍しい。
酔いは状態異常の括りになるのか魔法で解毒できるし
状態異常の耐性か無効化するスキルを習得すれば自分からアルコールを体内に入れる事も弾く事もできる。
高レベルの人間は酔う、酔わないは個人の自由と責任という訳だ。
中でも俺とリンはどちらかと言うと『忍者』『暗殺者』系の職業技能を多く身につけている。
故にどちらも毒物を扱う事に長けているイメージ通り、状態異常の耐性が高い。
つまり酒が目的で酒場に来たのでは無い。
うん、だから浮気じゃないから。
連れ込み宿じゃないんだから
目当ての酒場の裏口から入ると冒険者時代の顔馴染み、ガコライ達が先に飲んでいるのか賑やかな声が聞こえる。
この世界で鍛え上げられた俺の五感が視覚を使わずとも他の感覚器官が酒場の様子を把握してしまう。
――アニがきゅもきゅ鶏の丸焼きを食べている。
――ガコライがアニと席を共にして食事と酒を楽しんでいる。
――ノエルとティファが講師としての仕事も偶にはいいなと語りながら静かに飲んでいる。
――他にも冒険者達が思い思い飲んでいるが、基本的に悪酔いしている奴はいない。
そんな中、二人の来訪者が酒場にやってくる。
階下のガコライ達の気配が一瞬、来訪者の方へ一瞥するが直ぐに警戒の気配を霧散させた。
どうやら目的の二人が来たらしい。
そして二人の来訪者も階段を上り、俺達がいる個室の方へと向かってきた。
廊下を歩き、俺達の個室の前で止まると扉がノックが四度叩かれる。
「どうぞ」
誰ですか? とは俺達は扉の向こうにいる者たちには尋ねない。
彼女達には足音が無いのだ。
研ぎ澄まされた五感と霊感を併せ持つ階下のガコライ達と俺達だからこそ、彼女達の動向、正体を予測ないし把握できるのだ。
この街に入った瞬間にインターホンを鳴らす様な物だ。
それでもノックするのは来訪者の礼儀だろうが、足音を消したままにするのは職業病に成る程、洗練された所作だろう。
「失礼します。」
入ってきたのは妙齢の女性二人。
一人は木綿のローブに白いポンチョを纏った清楚なイメージの令嬢。
もう一人は騎士といイメージが似合う凛とした女傑だ。
彼女の素性もレベルも俺の眼により簡易的にだが看破、表示される。
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サラサ レベル229
クラス 羊飼い 聖女 異端審問局 局長
固有スキル【精神感応】【高速治癒】
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タバサ 臨界者
クラス 聖騎士 人造聖女 異端審問官二位
固有スキル【絶対防御】
ロマリアが誇る暗部
俺に刺客を放った異端審問官のトップのお出ましだ。
「待たせてしまった様ですね。」
「いえ、丁度いい時間だと思いますよ。」
俺の視覚と触覚が彼女達の挙動を逃さない。
一方、厨房に向けて聴覚、嗅覚、味覚が料理がもう直ぐ運ばれて来ると知らせていた。
だから言ったろ?
浮気じゃないって。
【フラグが立ちました】
浮気じゃないってば!!
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0時に後半 更新します。




