夏祭り?
新連載も宜しく!
順を追って話そう……
カグヤのおかげで初心に帰り、自身の傲慢さを反省したあの日から数日後、この前のバカンス中に俺の複製技能を使って印刷、人形、服飾の材料をコピーした事で、小規模だった即売会がコミケinヴァルキュリア帝国という催しにまで膨れ上がり、今日、開催された。
コミケと言っても昔のルネサンスの様な物で、アースの西洋文化、東洋文化の交流祭を兼ね、停戦中の今、各国から商人、休暇中の学生、冒険者、旅行者が集い、盛況な催しだ。
会場は以前、俺が暴れたガリア国境線付近の砦だったのには驚きだった。
本来、軍事機密の砦を会場にするなど、正気とは思えなかったが、化物級の錬金術師が五将軍におり、何時でも砦の構造を作り変えることが出来ること、誤った情報を来客に紛れた間諜に握らせることで混乱させる意図があるというのはカグヤの談。
で、俺はというと、ルーに何度もせがまれた小説を日本の侍、忍者モノ続編と短編集を揃え、売り子の代理人(影分身)に任せて、祭りを満喫していた。
そう、女装の理由その1
正体を隠すため。
は? 言い訳するな? 違うね。
マリアの所為だ。
あの娘は懲りずに又、俺のカップリングの同人誌(女性向け)の新作を出した為、好奇の目で見られるのが嫌だったからだ。
事前に発禁にすることも考えたが、マリアにとってはいいガス抜きになる事もあるので俺も泣く泣くコピー、印刷作業に従事したのだ。
理由二つ目。
運気上昇のフィードバック
闇魔法のドレイン、光魔法の加護で底上げした運気のフィードバックは不幸が一気に押し寄せる形で来る。
故に、本来の運気が回復するまで精霊化で運気を補填せざるを得なかった。(ちなみにマリアは悪魔化スキルと併用して使っていたので±0)
熱気あふれる砦で、俺は女性化しながらも、祭りを楽しむことにした……
したのだが……
~書籍コーナー~
古書、新書、魔道書、技能レシピ、同人誌、小説を取り扱うコーナーで文学少女を装って掘り出し物を探していると、数多くの婦女子達が行列をなしていた。
「やっぱりアキ×ガコは素晴らしいな。新作のヨシ×アキの【お人形ごっこ】【お医者さんごっこ】も今まで以上の出来だ……こんな珠玉の作品をブリタニアでは無く、ガリア、帝国の国境で買えるとは……!」
「うわ、先生のあられもない姿が……これじゃもう、先生を直視できません///」
「く!なんという禁書ですか! あ、あ、あの悪魔! お姉さまの遺灰を弄んだ挙句、こ、こんな非生産な真似を、お、男通しでま、まぐわうなど……神をも恐れぬ所業を! え、まさか、そんな行為まで!?」
「カッカッカ、マリアの懸想の相手もやるの~♪ コレは妾も直にあの死神に逢いたくなるの~♬」
……聞こえない、俺は何も聞こえないし、何も見てない!!
同人誌ブースには見覚えのある人たち何いてないもん!!
はぐれで真面目なエルフのお姉さんや、王族外戚の愛弟子もいないし、危険思想を垂れ流す尼さんも、一国の女王もいない!
全部幻覚だ
闇属性の精霊の弊害で日差しに弱くなったからな。
熱中症だろう……よそ行こ……
◆◇◆◇◆◇◆◇
―フィギュアブース―
といえば、ヨシツグだろう。
意外なことに、美少女フィギュアか等身大の人形でも売っているのかと思いきや、普通に食玩サイズ……手乗りドラゴンから歴史上の英雄や神々、冒険者や騎士、魔法使いの人形が売られたいた。
値段は手頃で子供の小遣いで買える 食玩
市民の一日の稼ぎで帰る 手乗りサイズといったところだ。
黒服で槍と片手剣を構える俺をモデルにした人形も店頭に並んでいた。
この時、この人形を見たとき、俺は逃げ出すべきだった。
そう、この人形……何故か、女性化している俺だった。
「魔法少女 キアラ 1/8サイズ」
キアラて、思いっきり俺の名前のアナグラムじゃね~か!!
(ねぇ あの娘……あの人形に似てない)
(あ、本当だ…お人形さんみた~い 人形のモデルの娘かな)
(魔石撮影機とってもらえないかな……)
(キ、キアラちゃんそっくりなんだな ハァハァ)
決意を胸に秘め、周囲の目が俺に集まり出したので、ステルスを使ってその場から逃げ出す。
おのれ、ヨッシーめ、首を洗って待っていろ!!
後、カグヤをモデルにした戦乙女シリーズは旅人に扮したカリサ率いる帝国の騎士団が開店と同時に買い占めたというのはどうでもいい話だな…。
2話予定だったのに収まりきれず…(苦笑)




