決戦の銀河 ― 燃え上がる魂と、終焉の再起動!
「――ヌハッ! ハッハッハッハ! 見ろ、セラフィーヌ! 絶望という名の雨が降るならば、オレは希望という名の傘をブチ折って、全身でその嵐をねじ伏せてくれようぞッ!」
天を衝く摩天楼の頂、ラ・シテ・デュ・ゼニスの最上階で、オレは猛り狂う魔力の奔流をその身に受けていた。 視界を埋め尽くすのは、ジャック・ル・マジョールが放った最終兵器――空そのものを物理的に圧殺する重力崩壊弾**【絶対秩序の特異点】**。 だが、オレの瞳に宿る黄金の輝きは、微塵も揺らぐことはない。これこそが、数多の記憶を失い、血を流し、それでもなお立ち上がり続けた「理想の英雄」が辿り着くべき極限の舞台装置だッ!
「フィリップ、もう無茶よ! その出力じゃ、あなたの精神核が焼き切れてしまうわ!」
背後で叫ぶセラフィーヌ。彼女の瞳に浮かぶ涙さえも、オレにとっては至高の宝物。 だが案ずるな。オレが描く「王道」には、敗北の二文字など最初から存在しないのだッ!
「フッ……。セラフィーヌ、忘れたか? オレがオレである限り、運命という名のプログラムは、オレの意志一つで『書き換え』られるということをッ!」
ジャック・ル・マジョールが、鉄の仮面越しに嘲笑を飛ばす。 「無駄だ、No.9。貴様の演算能力は既に限界を超えている。自ら人格を統合し、『記憶のない王』となった代償……それは、感情の爆発による自壊だ」
「――自壊だと? 否ッ!! それは『進化』と呼ぶのだッ!!」
オレは右手を高く掲げ、内なる悠真の冷徹な知性と、オレの熱き魂を一つの点へと収束させた。 失われた記憶。消え去った日々。そのすべてを、今この瞬間の「輝き」へと変換する! これぞ、システムを内側から爆破する究極の叛逆スキル!!
「咆哮せよ、我が魂の残滓! すべてを無に帰し、新たな夜明けを強制執行する――**【戦略的終焉】**ッ!!!」
ドォォォォォンッ!! オレの身体を中心に、蒼白き光のドームが展開される。 それは破壊の光ではない。世界の論理を一時的に「切断」し、強制的に初期状態へと差し戻す、創造主アンドレさえも恐れた禁断の破棄コードだ。
「な……馬鹿なッ!? 貴様、自分自身の存在定義ごと、世界を再起動させるつもりかッ!」
「ハッハッハ! そうだッ! オレが死ぬのではない! 世界がオレの熱さに耐えかねて、一度『おやすみ』を言うだけのことだッ!!」
特異点の重力波が光に呑まれ、ジャックの艦隊が砂のように崩れていく。 オレの意識が薄れ、フィリップという人格が崩壊していく感覚が伝わってくる。だが、恐怖はない。なぜなら、オレが何度「初期化」されようとも、隣にいる彼女が、必ずオレを見つけ出してくれると知っているからだ!
「セラフィーヌ……。また、すぐ会おう。……次は、もっと格好いい登場シーンを用意しておくからな……ッ!」
「――バカっ! 待ちなさいよフィリップ! どこに行ったって、私が捕まえにいくんだからぁぁぁ!!」
彼女の叫びを最後に、世界は真っ白な沈黙へと包まれた。 戦略的ゲームオーバー。 それは敗北ではない。より確実な勝利を掴み取るための、英雄による「命懸けのコンティニュー」なのだッ!!




