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叛逆のベクトル ― 鋼鉄の雨と、英雄の弾丸!

「――ハッハッハッハ! 見ろセラフィーヌ、新秩序政府ネオ・オーダーの連中も必死と見える! オレ一人を仕留めるために、全空を埋め尽くすほどの『鉄の供物』を用意するとは、実に心憎い演出ではないかッ!」


 東の聖域「アルカディア」の空を埋め尽くすのは、ジャック・ル・マジョールが放つ**【絶対規律のソリッド・レイン】**。弾丸一つ一つが事象を固定し、触れたものを強制的に「静止したデータ」へと書き換える絶望の豪雨だ。


「フィリップ、避けて! それに当たったら、存在そのものがフリーズするわ!」


「フッ……。避けるなど、オレの辞書には載っていないッ! 貴殿という光が背中にある限り、オレの進む道は常に最短の一直線よッ!!」


 オレは蒼黒き魔力を全身に纏い、弾丸の嵐の中を弾丸となって突き進む。右腕が摩擦で焼き切れようとも、存在が透けようとも構わん!  オレが振るう双剣は、もはや鉄を斬るためのものではない。ジャックが敷いた「ここまでは来られない」という予測の壁を、力ずくでブチ抜くためのくさびだ!


「ジャック・ル・マジョール! 貴様の計算式には、この『無謀』という項目が欠落しているようだなッ!!」


 オレは旗艦『エクス・マキナ』の外装へ、文字通り激突した。爆炎の中、オレの咆哮が鋼鉄の巨城を震わせる。ここからが、秩序を壊す真のパーティーの始まりだッ!


エピソード40(修正版)

【エピソードタイトル】 設計者の冷徹 ― 剥落する論理、あるいは死角の演算


【本文】 網膜に焼き付いた爆炎が、無機質なコードの羅列へと分解されていく。


 フィリップが旗艦の装甲に楔を打ち込んだその瞬間、俺――真白悠真の視界には、世界を構成する「裏側の設計図」が透けて見えていた。  ジャック・ル・マジョールの攻撃。それは完璧な「最適解」の連続だ。敵の動きを予測し、魔力波形を相殺し、生存確率をゼロへと収束させる。元・設計員としての俺の理性が、冷酷に囁く。


(……勝ち目はない。この艦隊は、俺たちがどれだけ『熱く』なろうと、それを熱量として吸収し、論理の冷却材に変えてしまうシステムだ)


 ジャックの狙いは明白だ。フィリップが奇跡を起こせば起こすほど、その「例外データ」を収集し、より強固な管理プログラムを完成させる。俺たちが抗うこと自体が、新秩序の肥料になっているのだ。


『――悠真、状況は絶望的です。ジャックはあなたの「英雄願望」さえも演算に組み込んでいる。……このまま突き進めば、あなたは彼女を守るための力で、彼女が生きる世界そのものを窒息させることになります』


 ジュージュの警告が、俺の胸に冷たく突き刺さる。  フィリップが笑うたびに、俺の内部にある「悠真」の基盤は崩壊を早めていく。


「……だが、ジュージュ。奴には一つだけ、観測不能な死角がある。……奴は、俺が自分の設計したこの世界を、これほどまでに『愛してしまった』ことまでは計算できていない」


 俺は、震える手で崩壊する意識の断片を繋ぎ止めた。  フィリップの熱狂を否定するのではない。その熱狂を、システムの穴を突くための「毒」へと変換する。


 旗艦の深部。秩序の心臓。  俺たちは、己という存在を消去するカウントダウンと共に、地獄の最深部へと足を踏み入れた。

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