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「てんじょうでひかっているあれが、すきなのですか?」
「星が好きなんだ」
そう言って笑ったあの人の横顔は、あの人が指さす天井に投影された宝石のようにきらきらと煌めいていた。
「てんじょうでひかっているあれが、すきなのですか?」
「あれはただの映像。俺が好きなのは、本物の夜空に輝いてる星! ……っっても、俺も本物の星は見たことないケド」
子どものように拗ねるあの人は、唇を尖らした。
なんだか、その横顔が、不思議で、不気味で、素敵で、わたしの身体はどこも悪くないはずなのに、胸が苦しくって、呼吸ができなくって、苦しいはずなのに、気持ちよくって、ずっと、ずっと、ずうっと見ていたくって、その頬に触ってみたくって、手を伸ばせば届く距離にいるはずなのに、透明な硝子がわたしとあの人を永遠に会えなくする。
こんな薄い硝子板一枚あるだけなのに、こんなにも、そう。
あの人が好きな空に輝くとされる星よりも――――――遠い。




