「どうして外に出ることにしたんだろう?」
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3325年 11月25日
「あ、流れ星だ!」
「えっ? どこどこ~~~~」
「もうっ! キミがもたもたしてるから、落ちちゃったよ!」
「そっかあ……、一緒に見たかったなぁ」
「……、しょうがないないわね。次は一緒に見るわよ、でもキミはどんくさいからなぁ」
「えへへへ、ありがと。僕、一緒に見れるようにがんばるよ」
「ふん!」
子どもが夜空を見上げながら、そんな約束をする。
「アセビ! 次はいつごろ見れるのかしら?」
『今年は難しいでしょう。早くても来年の夏ごろになると予測されます』
――遅すぎるわよ! なんて、言葉を吐き出す前に「楽しみだねえ」と、にぱにぱ笑う顔を見て、言葉を飲み込んだ。
「ねえ、アセビ」
『はい、なんでしょう』
キラキラ輝く夜空を見ながら、問いかける。
「僕たちが生まれる前は、空を見上げなかったって本当なの?」
『えぇ、本当です。お二人も学校で習ったと思いますが、世界が崩壊したため、人類は箱庭を建造し、そこで暮らしていました。今のように外に出ることはできず、誰もが空を、明日を見ることはなくなりました』
「たしか、最初の校長先生が外に出ることを決めたのよね?」
『……えぇ、そうです』
「どうして外に出ることにしたんだろう?」
『――――――……明日を、未来を、あなたたちを望んだんです』




