第1章:神様はどこにいるの?
むかしむかし――いや、ほんのちょっと未来のこと。
世界はピカピカのスマホと、ペラペラしゃべるAIたちでいっぱいになっていました。
みんなが「なんでも知ってる!」って顔をして、検索して、答えをポンっと手に入れる。
でもね、誰も「ほんとうのこと」を知らなかったんです。
そんな世界に、ひとりのちょっと変わった男の子がいました。
名前はマグワイバー。電脳勇者です。
彼はスマホを持ってるけど、使い方がちょっとヘン。
ある朝、マグワイバーは空を見上げながらスマホに向かって叫びました。
「神様いるの? どこいるの?」
GPSはピピッと反応して、彼の現在地を表示しました。でも、神様の居場所は出てきません。
「サンタはいるの? 今どこらへん?」
LINEを開いて、サンタにメッセージを送ってみます。
「プレゼントはまだですか?」
でも、既読はつきません。
マグワイバーは、ちょっとだけさみしくなりました。でも、彼はあきらめません。
「俺のハナシを聞けー!」
そう叫びながら、彼は街の中を歩き出しました。誰かが聞いてくれるまで、彼は語り続けるつもりでした。
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♫挿入歌:『神様はどこにいるの?』
(マグワイバーが街を歩きながら歌う、
ちょっとユーモラスで切ないソング)
♫ 神様いるの? どこいるの?
GPSじゃ見つからない
サンタは今どこらへん?
LINEつないで 既読待ち
イミフ ヒッヒッフー
ヒフミ ワンツッスリー
Google先生 センセーショナル
でも ぼくの声は 届かない
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マグワイバーは、スマホの画面を見つめながらつぶやきました。
「スマホって、なんでもできる魔法みたいだな……」
「でも、誰かの声を聞く魔法は、まだないみたいだ」
そのとき、風がふわりと吹いて、彼の髪を揺らしました。どこか遠くで、誰かが笑ったような気がしました。
マグワイバーは、にっこり笑って言いました。
「よし、今日も語るぞ。俺のハナシを!」
そして、彼の冒険が始まったのです。
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