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五. ~10/10

 抗癌剤で体力を削られたのか、入院中の運動不足で足が弱ったのか。とにかく脚力の衰えが気になる。だから何も用事が無くても歩く。こういう無目的の散歩は、あまり経験がない。そして、驚くほど簡単に疲れる。

 それでも、体力を維持することが、抗癌剤治療の継続には不可欠だから、いわば生きるために歩く。と言うほどの壮絶な覚悟はないけれど。

 副作用が強いと、不安が増す。なかなか、いかに生きるかなんて考えてられない。でも例えば今回の一首目はお気に入り、だなんて考えてたりもして、やり過ごしている。


 ************


 衰えし 足を叱咤し 踏み出せば

 上る坂 皆 黄泉平坂(よもつひらさか)


 ************



 血液の値で 一喜一憂せず

 言い聞かせても 心は揺れる



 ************



 四日は苦  四日は不快  あと六日

 薬剤投与が また巡りくる



 ************


 腕に顎、横隔膜も、胃も、尻も、 

 ぶら下がってる  体のだるさ



 ************



 怖すぎて 息が詰まって 逃げたくて

 逃げ場がなくて ここで生きてる


 ************



 聞き慣れぬ コツコツという 歯ぎしりに

 妻の疲れと 惧れを思う




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