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2の十七、~12/13

 まずは闘病記録から。新しい抗癌剤を11/28から使用することになった。二泊入院して副作用などの様子も見る。ゲムシタビンとパクリタキセルの併用療法。点滴直後の副作用としての怠さや不快感は、イリノテカンとフォルフィリノックスよりは楽に感じる。後は、効いてくれるかどうか。

 そして歌が涸れた。前節も酷かったが、それ以上にまともな言葉が紡げず、愚痴のような暗い呟きばかり思い浮かぶ。そこで、苦し紛れの本歌取り。ルールを狭めれば出口を求める自分の習性を利用してみる。本かは百人一首にもある道真公の「神のまにまに」。

 結果的に、自分としては上出来だった。歌としての評価基準は自分にはないが、旅も錦も使えているし、何より「舞うも堕ちるも 神のまにまに」というフレーズは、過剰に不安になったり落ち込んだりしそうなときに、自分に呟くのにピッタリだから。これも作歌の効用なのだ。


 ************



 歌ひとつ 

 熱と痛みに襲われりゃ

 整えられぬ ひ弱な精神


 ************



 終わり方なんて自分で決められぬ

 知っているのに 思いはそこへ



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 緋に黄金(きん)に 輝きながら

 散る木の葉

 我が身も見事 仕舞い遂せるか


 ************



 錦秋に 癌を抱えて一人旅

 舞うも堕ちるも 神のまにまに


 ************



 鬱などに 残り時間は やれないと

 食え 寝ろ 歩け

 歌って 笑え 



 ************



 ガラス越し 

 冬陽の小さな温もりに 

 静かに終わろう

 呟いていた


 ************





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