2の三、~6/21
6月16日17日に、一泊旅行で初めての伊勢参り。信仰とは縁がないが、祈りの場というのは、気持ちを落ち着かせ、慰めるものがあると思う。そして微かな希望と生きんとする意思を確認する。
長い歴史と伝統を継ぎつつも、遷宮というシステムによって、絢爛たる装飾も古色蒼然とした重々しさも無縁の、清潔感のある祈りの空間が幾つも続く。
こういう時、自分に短歌の技術が無いことを恨む。情景と気持ちを一首にまとめる力が無い。
迷っても仕方ない。記録としての歌でもある。時間をかけて、推敲を重ねて作るつもりはない。
伊勢の分の歌は、ある程度はまとめておきたいので、今回は8首をまとめて投稿。
************
いくつもの 鳥居を潜る
その度に 頭を下げる
そう生きてきたか
************
神苑の 刈り揃えられた 松の木に
合わせて心 整え臨む
************
神の傍 樹齢を重ね 真っ直ぐに
育った巨木 その息を聞く
************
萱と木と 匠の技が 創り出す
伊勢の社殿の 清々しさよ
************
繰り返す
並んで頭 下げながら
隣の妻と もう暫し 共に
************
五十鈴川 渡って戻る
振り仰ぐ
一羽の鷺が 空から見送る
************
その願い 聞きは置いたと 仰るか
五十鈴川の上 白鷺が舞う
************
人群れに 神、物の怪も 混じりしか
おはらい町の 謎の賑わい