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十六、~2/12

 癌の進行は止まっていると思われる。重粒子の成果はまだ確認はできないが、悪い徴候は何もない。

 一方で、抗癌剤の副作用はますます厳しく、手足の痺れや倦怠感に悩まされる。まぁ、生きていればこそのぜいたくな悩みだと思って、耐えるよりない。

 区の行政功労で顕彰して貰えるらしいが、表彰式は欠席する。抗癌剤スケジュールもあるし、癌でやつれた顔で、あまり人前に出たくない。地域の子どもの為のボランティア活動が顕彰の理由で、元気ならまだまだ続けていたし、授章ももう少し先の話だっただろう。


 ************



 手、足、腹、力入らず

 仰向けで

 唇で歌う 見果てぬ夢


 ************



 浅くなる呼吸 くらり立ちくらみ 

 やっぱり死ぬの?

 今さら あわてる


 ************



 旧友と 久々に会う

 元気か、と

 言い出しにくい

 俺は癌だが


 ************



 十年後 私が見ない風景に

 君の笑顔が あるならいいな


 ************



 面倒で 

 抗癌剤を 言い訳に

 表彰式は 出席辞退


 ************



 So Much in loveなんて 歌いつつ

 40年の 思い 照れつつ


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