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ご心配をお掛けしました

「好きだ」


 ウィルにそう告白されて、私は戸惑っていました。絶望的な気持ちでいたのはつい先程までのこと。

 それなのに、やっと会えたウィルに信じられない程の嬉しい言葉をいただいて、私は舞い上がっていました。


 おまけに、キ、キスまで!


「戻ろう。婚約発表パーティだ。君に悪い虫がつかぬよう見せつけてやろう」


 とっても甘い微笑みを携えて私を抱き上げると、ウィルは屋敷のほうへと歩き始めます。咄嗟にウィルの首元に掴まりましたが、意外にもがっしりとした体躯と密着感に戸惑いを隠せません!


「あの、私歩けます! おろしてください!」

「嫌だ。二度と離れない。君が変な勘違いをしないように、私は欲望のまま行動することにする」


 よ、欲望のままって! 欲望ってなんですか!?


「ウィル、あの……本当に、良いのですか?」

「何がだ」

「私との婚約です。王女様のことは……」

「……王女と、この数日間のことは、説明をする。だが、今はこうして君を堪能させてくれないか」


 見たこともない晴れ晴れとした笑顔で口づけをされてしまえば、もうそれ以上何も言えず、私はおとなしく屋敷まで運搬されたのでした。



「ローズ様がいなくなったって大騒ぎだったんですからぁぁ!」

「わーん! ローズ様ぁ!」

「ご無事でよかったです……!」

「心配致しましたよ。ぐずっ」

「いずれ公爵夫人となるのですから自覚を持つのじゃ! 一人で行動なさいますな!」


 屋敷に着くと、私を捜索してくださっていたらしい方々から次々と怒られ、喜ばれ、泣かれ、大変です! 勝手に一人でいなくなってしまって申し訳ないことをしました……。


「ローズちゃん!!」


 お怒りのご様子のお義父様とお義母様もやってきました。お義父様は余程お怒りなのか、言葉は発さないものの、眉間の皺がこれまで見てきた中で最も深い溝を生み出しております! お義母様は瞳を濡らして優しく抱きしめてくださいました。


「ご心配をおかけして申し訳ございません」

「無事で本当によかったわ。愚息のせいで一人泣いていたのね。そんな時はいつでも私の胸に飛び込んできなさい」


 お義母様の豊満なお胸にぎゅうぎゅうされています。あぁ。帰ってきたのだわ、とひしひしと感じました。


「そろそろ返してもらう」


 そう言うと、ウィルはお義母様から私を引き剥がしました。そしてウィルの腕の中に戻され、こめかみにキスが降ってきます。


「ひゃあ」

「君が泣きたい時は、私の胸で泣いてくれ。だが、妻が二度と泣かぬよう夫として誠心誠意努めよう」

「つ……つま……、お、おっと……」


 まだ婚約者なのに、妻だとか夫だとか言われて照れていると、ウィルは微笑んでまた頬にキスをしてきます。み、皆さん見てますから! やめてください!


「ほほっ、エルフィストン公爵家も盤石ですな」

「孫の顔を見るのが楽しみだ」

「あなた! そういうことはプレッシャーになるから言わないの! でも、二人が仲良しそうで安心したわ〜」


 お義父様やお義母様がめちゃくちゃ期待されています!  でも、でも……。

 やっぱり噂のこと、王女様のことが、少し気になっていました。私が不安を抱えつつウィルを見上げると、ウィルは私の耳元で「今夜ゆっくり話そう」と言ってくれました。その声はとても甘くて優しくて、私はさらに照れて赤くなってしまったのでした。

さてさてここからラストスパートです!

あと少し頑張りますので、よろしくお願いします!

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