戸惑いを隠せません
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なぜ過去あんなにもお怒りになっていたお父様がすぐに快諾されたのか、とっても疑問です。お兄様は楽しそうで、お母様は「ローズがお嫁に行くなんて寂しいわ」としんみり。
容姿端麗な王宮魔術士で、エルフィストン公爵であるお方と、花魔法しか使えない私。どう考えても不釣り合いなのに、あっさりと婚約を進める雰囲気に驚きと戸惑いを隠せません!
明日には公爵邸にご挨拶に向かうことになってしまい、私は混乱の真っ只中です。
ウィルは、「また明日迎えに来る」と言って帰っていきました。
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夕食の席では、「ローズに公爵夫人が務まるのか」という議題でお父様とお兄様が盛り上がり、お母様は婚礼の衣装についてワクワクし始めるカオスな状態でした。
使用人の皆さんも、私がキズモノだからお嫁に行くのは難しいと思っていたのか、まさかの玉の輿に早くもお祝いムードです。
いつもより豪華な夕食、美味しいです……。
ですが、ウィルは私の胸の傷痕を確認したいだけ。婚約が成立したら傷痕を見て、そして婚約破棄されるのかもしれません!
その場合、私はキズモノかつ公爵様に捨てられた哀れな伯爵令嬢……。こんなに皆喜んでくれているのに、申し訳ないです……。
きっとお嫁に行くのは難しいので、予定通りお花屋さんを開店するにしても、キズモノで婚約破棄済だと縁起が悪い気がしますね……。前途多難です。
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『ローズ! 今日は沢山お花を咲かせたね!』
湯浴みも終わりベッドで考え事をしていると、妖精のデイジーが話し掛けてくれました。心乱れる出来事の連続で、心身ともに疲れ切っていた私は、デイジーの登場がとても喜ばしく感じました。
「ああデイジー、私婚約するかもしれないみたいなの。全然信じられないけれど」
『こんやく?』
長年私と共に過ごしてきたデイジーにも、縁遠い言葉でしたね。「結婚のお約束をするということよ」と説明しました。
『ローズは誰と結婚するの?』
「婚約するかもしれないだけで、まだ、結婚するかは分からないけれど……。ウィリアム・エルフィストン様よ。ウィル……と昔呼んでいた方。覚えている?」
『ウィルってあのウィル? ローズを傷つけたウィル?』
「ふふっ。そうね。あの事故のこと、忘れていなかったみたい。責任を取って、私をお嫁さんにするんですって」
そう言って説明しながら、気分は落ち込むばかりです。私には結婚は無理だろうと思っていたのだから、結婚が出来るのなら、ウィルとなら、とってもラッキーなはずなのに。
どうしてこんなに、胸が痛いのかしら。
『ウィルはローズをまた傷付けた? またいじめるの?』
私の心の浮き沈みを察知して、デイジーは心配そうに私を見上げました。
「いいえ、ウィルはいつも優しいのよ。いじめたりしないわ」
『こんやく、嬉しい?』
「そうね。喜ばしいことなのだと思う。ただ、私はお花屋さんになるのだと思っていたから、まだ実感が湧かないの。……それに……」
『それに?』
愛のない結婚を嘆く資格なんてないのです。
でも、他の誰でもなく、ウィルのお嫁さんになるのならば、貴方に好かれて求婚されたかった。
もうずっと何年も叶わないと自分に言い聞かせてきたのに。
「なんでもないわ。デイジー大好きよ。そろそろ寝るわね。おやすみなさい」
『おやすみ、ローズ!』
そういうとパチンとデイジーが姿を消しました。
私は、眠ろうとしても上手く眠れぬまま、夜更けまで考え事をし続けたのでした。




