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『お断り』を言い続けていたらチートスキルになっていた

作者: もち美

ボーとしてたら降りてきたのを急いで書き留めたので誤字脱字やらなんやら多い気がすると思うけれど”雰囲気”で楽しんでいただけると幸いです。


あとちょっと痛い表現があるかもしれません。

俺は小戸田航。平凡なただのサラリーマンだ。


好きなのはゲームと昼寝で嫌いな事は人間関係と仕事。見た目は「どこにでも居そうな見た目」だと友人から絶賛されるほどのパーフェクト平凡フェイスである。しかし、そんな圧倒的モブ・ザ・モブな俺だが他人が持っていないような特技がある。


それは「どのような事でも断ることが出来る」というものだ。


理不尽な上司の無理難題もnoと言え納得させてしまうヤベェ特技(ちから)である。


人間関係が嫌やだと言っていたがまぁ、うん…。断れるだけで別に周りの認識を歪ませるとかそんな力は無いわけだからな。バンバン使っていたらそりゃー周りの人に嫌われたり妬まれたりしても仕方ない訳だが憎いくらいに便利すぎる力なワケで。


しかしそんなの「仕方ねー」の楽観的思考でお構い無しに使い倒してモーマンタイな構えでいた己の気が今更ながら分からない。ほんとに。


しかし、こんな特技を使って楽々人生を謳歌するなら当然、必ずツケは回ってくる。


突然の会社クビ宣言からの転落人生?


理不尽にも笑顔でYESしか答えれなくなる?


いや、そんな生ぬるいものでは無い。





……俺は会社帰りに新発売のゲームを買ったんだ。それも超人気作で初日で買えるかも怪しいくらいの作品。それを偶然にも買えた。


ルンルンで歩道橋を降りている時、俺は確かに感じたんだ。誰かに背中を押された力と少しの浮遊感を。


足がゆっくりスローモーションように地面から離れ、頭を守ろうと前に出された片手は先に地面を感じ、そして遅れて鈍い痛みと体のどこかから血が流れているのか温かい感触がした。


途切れていく意識のなかで誰かがこちらを笑って見ているような気がした。




















「うーん」


何時間、寝ていたのだろうか。


身体中バキバキだし、痛い。


そして何故か自然の匂いがす………


「え????」


体が痛いとかなんとか思っていたはずなのに勢いよく起き上がって周りを見渡した。


「いてててて……」


木々は生い茂り、空は真っ青でなんかでっかい鳥の様なものが飛んでいる。


それに某151匹モンスターに出てきそうなきのみがなってたり、それをちぎって食べているリスのような生き物が居た。額には宝石が付いていた。可愛い。


じゃなくて…俺が住んでいるのはコンクリートジャングルでこんなに緑豊かじゃない…!。


見知らなさ過ぎる景色と信じられなさすぎる光景に脳が処理落ちしてしまって座ってぼーっとしていたら、 先程のリスみたいな生き物がこちらによってきた。


「チチチっ」


じっとこちらを見つめてる。


なぜこちらに寄ってきたのかなーとか考えてたらゲームのお供の酒のつまみとして買ってきた1つのカシューナッツの存在を思い出した。


「これ、食べるか?」


袋を破って手のひらに取り出した。

ちなみに言っておくが無塩だ。俺は味付けなしの方が好きなのが良かったのかもしれないとか少し思った。


「チチっ」


このリスのようなものは警戒心が無いのかそれとも目の前に見えているモノへの興味のせいで周りが見えていないのか怖がることも無く足元まで寄ってきた。


スルスルと器用に航の体を登って行き肩まで到達すると歩く速度下げてをトコトコと腕を下って手元に到達し、手のひらに乗っているカシューナッツ食べ始めた。


カリカリカリカリ


森のさざめきの音とカシューナッツのかじる音だけが響く穏やかな空間はとても心地よかった。














心を癒されながらリス?と戯れて幸せを感じていた。


そろそろ探索を始めようかとリス?を下ろし、立ち上がろうとしたらリス?が懐(?)から宝石を取り出し、航の手に置いた。


「俺にくれるのか?」


「チチっ」


「ありがとうな」


微笑んでお礼を言い貰った宝石を胸ポケットに突っ込んだ後、そっとリス?を地面に下ろし残りのカシューナッツをキレイな大きな葉っぱの上に全部乗っけた。


連休を取り徹夜上等でゲームやり続ける予定だったため幸いにもものすごい量のツマミやらお菓子やらを大量に買い込んでいたため一つや二つ渡しても余裕を持てるくらいに余る量だ。


「またな〜」


夢中でもぐもぐしているリス?に手を振り、その場を離れた。



森の中で日が暮れた場合どんな危険な目に遭うかも分からない。のでとりあえず見渡しの良さそうな開けた場所に出るために歩くことに決めた。


ザクッ、ザクッ、ザクッ……


歩き始めて10分、全く変わりない景色と奇妙な鳴き声が森中に響いて恐ろしく怖い。


「は、早く町に着くなり人間に会わないと…お、俺の、俺の精神的にも体力的にも限界が……」


自分が森に飛ばされる前…つまり会社帰りという事でスーツを着ている。非常に動きずらい。しかも運動なんて社会人になってからほとんどして無いし、下手に動いて破く訳にもいかない。


社会人としてYESマンならぬNOマンとして働き出してから約15年近くなるがそれまでに積み立てれた徳は多分ゲーム買った時にゴッソリ持ってかれてたんだろうなぁ〜とか考えていたわけだが。そもそも”徳”ってモノがあったのかもわからないが。


「ちくしょう。ここどこなんだよぅ……。」


少しの間、自分の考えに浸っていたけど今の弱音と同時に鳥(魔物)達の羽ばたく音にビクついた。


全く変わらない景色に若干の焦りを覚えながら歩いていると先に人影を見た。


「よ、良かった!。こんな森の中にでも人は……」


声をかけようとして近づいてみたところ、自分の知る普通の”人”ならば有り得ないところに耳を付けている…所謂、獣人が佇んでいた。


「?!?!。」


自分の予想してた感じと違い、思わず草木の茂みへ隠れてしまった。


「えぇ!まってくれ、さっきのリスっぽいのでもうアレだったのに…アイツは可愛かったけどさ!獣人とか見せられればもう、もう自分の知らない世界だとしか言いようがないじゃないか…。」


正直、高校生ぐらいの年齢でこちらの世界に来ていたら楽しめていたかもしれない。


しかし、俺はもうアラサーと呼ばれるのもあと少しの年齢だ。俺のような人間にも大切なモノや人だっている……彼女は居ないが。


と言うか、予定調和な日常を過ごしてきた俺にとってここは刺激が強すぎる…!。


「んー。なんだかそこら辺りの茂みの方から人の臭いがするな。」


ザクザクと足音が近づいてくる。


俺は焦りながも少しでも対抗出来るような物が近くに無いか探したが近くにはすぐに折れてしまいそうな脆い小枝や小石等しか落ちていなかった。


「くそっ…無いのか……」


ガックシ肩を落として下を見てみたら手頃で当たってもあんまし痛くなさそうな石が落ちていた。灯台もと暗しとはこの事か。


「……こいつを使うしかないッ!」


緊張で手汗でびしょびしょになり、手のひらが真っ白になりながらも必死に石を握っていた。


「おい、そこにいるだろうニンg…」


「今だ!」


ヒュン!


『ガスッ』と当たり所が悪かったのかわりと鈍い音がなった。


「おし!当たっ……たァ…けど、モォっ〜?!」


やっぱりと言わんばかりに目の前の獣人の顔にしかも眉上というかなり嫌な場所にクリーンヒットしてしまっていた様だ。


とか言ってる場合じゃないな!


スン…と言わんばかり真顔。しかも背景は猛吹雪を描写できる程の威圧、殺気を感じる。


「おまえ…随分な事をしてくれるなァ?」


ザッザッと芝が擦れる音と指をガキッガキッ鳴らして殺る気をアップさせながら近づいてくる。


本気で、ものすごくヤバい。


どのくらいヤバいって言ったら提出期限間際でも白紙プリントくらいに切羽詰まってる。


いや、それよりはるか数倍深刻な状況なんだが。


てかなんで軽石っぽいヤツであんな相手に傷つけれれる程の威力出たんだよ!仮に速さ出たとしても途中で砕けてしまうはず…。


そんなこと考えてる時間は___


ザッ


「覚悟は…できているんだろうなァ?」


1人でウンウン言って悩んでいる間に獣人は目の前、一瞬で俺の首を跳ね飛ばせる距離。


「((ヤベェ。殺される……!!))」


ググッ…ガッと、音がでそうな指に力が入って何だか手にオーラを纏っているように見える。


そしてその手を俺の方に…


「あ?、あぁ?!まって!まってくれ!。本当にごめんなさい!申し訳ありません!。お願いします、死ぬのはお断り…ッ__」


死んだかと思ったら目の前で振り上げられていた腕は俺の目の前で止まっていた。

まるで見えない壁で隔てられているかのような不自然さがあり、爪で裂かれたような跡がある訳でも少しの傷も無い事が謎の壁のようなものの硬さを物語っていた。


「……ホへ?」


「………なるほど。これは俺でも歯が立たないな。」


マヌケな声を出して理解ができない俺を置いて、そう獣人は言い腕を下ろしたことで戦いが終わった。




















一方的な攻撃で始まった僅か数秒の間のバトル。


しかし突然発生した俺の謎の(能力)によってあっという間に終わった。


「先程は誠に申し訳ありませんでした!。」


そして開幕社会人なら必ずと言っても良いほどにできるキレッキレの45度の最敬礼。あ、いや、45度じゃ誠意が見せれないなとか考えを一瞬に、勢いと謝罪の意を併せた渾身の90度の礼。


・・・


「あ、あぁ。わかったから顔を上げてくれ。」


「い、良いんですか?。」


礼をしてまだ3秒。チラッと獣人の方を見上げるとめちゃくちゃ引いた様な恐怖を感じた顔をしている。


流石に勢いを見せすぎたか…。


確かどこかのテレビ番組で相手にオーバーリアクションに見える程の声と大振りなアクションで謝罪をしたら許してくれるとか見たからやってみたけど。これでは謝罪じゃなくて威嚇だなハッハッハ〜(笑)。


「…まさか偶然出会う人間がオチビトとはなぁ。随分な奇跡があったもんだな。」


1人芝居を脳内で広げている中、ポツリとそう声が聞こえた。そして獣人が考え深そうに空を見上げていた。


「え?。」


「ん?あぁ。ただの独り言だ気にしないでくれ。」


「おう……」


なにかにを考えるようにまたどこか遠い所へ目向けている獣人をよそに俺は先程聞こえた『オチビト』という言葉について考えていた。


「オチビト…おちびと……落ちた…ひと?」


俺はどこかに落ちたのか?。いや、でも俺が目覚めた時には地面に突っ伏していたが……。


「ま、まさか…俺、異世界に飛ばされたのか………」


ようやく今いる現実を受け止めたかのように膝から崩れ落ちる。


「受け止める遅すぎるだろ」とか思われるかもしれないが何も分からないまま突然ジェットコースターにそれられでもしたら上手く自分の今置かれている状況を理解できないに決まってるだろ?。それに俺は家に着いたらゲームをしたかったんだ。待望の人気タイトルの新作ゲーム。


もしかしたらここに至るまでの一連の行動が死亡フラグと呼ばれる前フリだったのかもしれない。


だがそんなことはどうでもいい。俺は、ここがどこか知るはずも無い道の土地に居て、ここに来るまでにも異世界でよく居そうな見た目の恐ろしいモンスターが跋扈してる状況だ。


丸腰(?)の俺なのでやることはひとつだ。











「なあ?アンタ。俺と一緒に来てくれないか?。」












こうしてオチビト?なる俺、古戸田航と獣人の青年との旅が……いずれか始まるかもしれない。

続きはきっと…ある、はず……(頑張るぞー)

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