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青葉君と柳田君  作者: とっぽっぽ
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二人のどうでもいい日常

「なんか面白いことないかなー」


よくある暇な大学生の言葉である。


俺こと青葉聡は暇を持て余していた。

面白いことが大好きだが、あまり自分から動かない質である。


最近は自分でも面白いことをしようとトラの着ぐるみを着て都会を練り歩く、

魚のぬいぐるみを被ってギョギョって語尾につけたりしてみたが、如何せん二番煎じ。


なんのネタにもならない。

たまに絡んでくる人がいるくらい。


友人Aが距離を置こうとしていたので近寄って

「よお、友人よ。他人のふりは寂しいぜ」

とやったりしたが、ただの嫌がらせなので自分自身は楽しくない。


もっと、ぶっとんだ何かを探したいと日々思う今日この頃。



「なあ、青葉よ。お前の面白いこと症候群どうにかならねえ?」


友人Aこと柳田勝が話しかけてきた。


「いつもご苦労様です。今日も今日とて頑張ってください。」


「他人事!ものすごい溝を感じる返しやめて!」


「いやだって、いつもいやだいやだ言いながら呼び出すと来ているお前が人の趣味をどうにかならないかって・・・ふざけてるの?」


「いや、普通に遊ぼう?カラオケ、ダーツ、ビリヤードなんかしながらみんなでワイワイやるとかさ?お前最初はそんな感じじゃなかったじゃん?」

「最近、奇行に走りすぎて周りに人いなくなったじゃん?これでも心配してんだよ?」


「うっさい!薄ら禿メガネ!人の趣味に口出しするな!」


「禿げてないし、なんならメガネもない。その悪口どこから来た?」


「うっさい!薄ら禿メガネ!人の趣味に口出しするな!」


「同じことしか言わなくなったよ。何なん?壊れた?叩けば治る?」


「刑事裁判で会いましょう。」


「いきなり警察呼ばれて訴えられたことになってる!やってもいないのに!」


「いや、脅されたし。」


「疲れる!この会話疲れる!止めだ止め!」


「で?何の用だ?」


「俺が聞きたい!何の用で呼び出した!疲れるから普通に会話して!」


「面白いことしろ!」


「めっちゃくちゃなフリ投げやがった!芸人でも困るぞ!」


「でだ。とりあえず面白いこと探そう。」


「・・・雑!今まで何だったんだ!」


「ここに100万円あります。」


「急だな!・・・・え?マジであるんだけど何なん?通報案件?」


「やだな~。宝くじ当たったんだよ。スピードくじで。」


「なんか下手に億あたるより現実的な金額あてたな。」

「その変な運気持ち悪い。」


「100万円使った面白いことをかんがえよう~」


「なんか始まった!いや、貯金しろよ。」


「はあ~、何なん?普通に返して。普通アピールですか?自分常識人なんでアピールですか?流行らないよ?」


「普通でいいじゃん!アピってねえわ!お金は大事だろ!」


「さて、そんな常識人アピールの柳田君ですが、何か他にアイデアは?」


「言い方ムカつくな。う~ん、面白いことに使うなら海外旅行は?自分の知らない土地、違う文化、言語に触れて見識を広げるとかさ。面白くね?」


「死ねばいい、ううん、むしろ死んで?」


「辛辣!アイディア出したのにそこまで辛辣に言われる!?」


「そんな誰でも考える何十番煎じの意見言われたらねえ?言いたくもなるよ?」


「そこまで!?そこまで言われる!?」


「もっとさあ、あるじゃん?このお金を使って世界征服を企てようとか世界中で起こる戦争を止めようとかさ。」


「すべてのスケールがでかい!100万で出来る気がしないアイディアしかない!?」


「100万で出来たら面白いだろうが!」


「・・・確かに面白いかもしれんが現実的じゃないぞ?」


「現実がどうとか聞いてない!面白いかどうかだ!・・・・やるの俺じゃないしね」


「俺か!呼び出された俺がやる企画なのか!ふざけんな!」


「無理か~。しょうがない。他に思いつくまで貯金しとこ」


「結局貯金すんのかよ!結局今日なんで呼び出されたんだよ!!!」





この後、柳田と一緒にバットマンとJOKERに扮装し、街に繰り出しトリックオアトリートと叫んできた。

・・・ハロウィンじゃないけどね。


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