第二話・王子サマ、妖精サンに会うヨ
「はぁ…」
俺は誰もいないことを確認してため息をはいた。
そうだよ!この状況説明は現実逃避ですよどうせ!
俺は誰に向かって言い訳してるんだろう?
そういえば昔母さんが…
『いいこと教えてあげるわね、恋の悩みが出来た時にこの呪文を唱えてごらんなさい?〈妖精さん恋に悩む私を助けてくれない?〉そしたらきっと恋の悩みを妖精さんが助けてくれるわ。あとね、ちょっとセリフが違っても意味が変わらなければ大丈夫よ。』
とか言ってたっけ?
これ多分恋だと思う…うん、呪文…言ってみようかなぁ?
よし言おう、母さん嘘つかないし多分本当だろうし…
『私とゼドは仲良くなれたのよ!』
とか力説もしてたし…とりあえず誰もいないのを確認して…居ないね、よし!
「妖精さん?居るなら俺の恋を手伝ってくれないかな?」
母さんが言ってた呪文を唱えたら…
【ヒヤッフーイ!私呼ばれた?呼ばれたよね?やったね!何年ぶりかな?30年…うーん…20年ぶりかな?わーい!恋のお悩み叶えちゃうよ!】
超テンション高い妖精が来ました。
「あの…」
そして話を聞いてくれません…
【うんうん!わかってるよー!私を呼び出したってことはね、恋のお悩みあるんでしょ?聞かせてよ!お相手はどんな娘なのかな!?】
どんな娘か…?それは…
「えっと、可愛い娘…だよ…名前はリリアールって言って、俺の婚約者なんだ…」
【えっ?叶っちゃってる系の恋なの?あれ?私居る意味無い?うそうそー!私惚気聞かされちゃう!?】とか言ってる妖精さんには悪いんだけど…かなってないんだよね、残念ながら…
「政略結婚みたいな?そう言うので…出会い頭に、大嫌いだし仲良くしないって言われちゃってね…」
一目惚れみたいなだけであんな事も言われたのになんかまだ…気になってて?
【そかそかー!悲しいんだね?少年は!大嫌いなんて言われて!それなのに何でか気になるんだね!】
あれ?なんかビミョーに心読んでる??
【うん、そうだよ!なんたって妖精さんだから!】
じゃあ、声に出さないでいいかな
【別に構わないよ!恋が複雑で楽しいね!仕事のやりがいがあるねェ!】
そうですか、それは良かったですね
【うん!マァ、君と個人的にも仲良くなりたいケドね!】
そうか?なら敬語やめるか?
【うん!そうしてくれると嬉しいなァ】
じゃ、これからよろしく
【それじゃヨロシクね!】